ジャケ・ドローのブラックエナメル

 By : Ay&Ty Style
Ay&Tyです/

全体的に大人しめなところが多かったからか、今年のBaselでは冷静に各ブランドの新作を見ることができた。
パテック、ロレックスを別とすれば、注目はやはり最大派閥、スウォッチ グループだ。

評判は例のトリロジーを発表したオメガで、3本セットはすでに完売状態のようである。
しかし、個人的に注目したいのは、非常に美しい文字盤と、18世紀の世界を現代腕時計に再現した超絶オートマトンとで、近年めきめきと存在感を増している、そう、ジャケドロー。

ジャケ・ドローといえば、コンテンポラリーウォッチとしていち早く、また最も多くのブラックエナメルダイヤルを使っているブランドではなかろうか。少なくとも数年前までは製造が非常に困難だと言われていたブラックエナメルを使ったモデルを、ジャケ・ドローは2006年から継続的に発表している。

まずはこちらを紹介したい。2012年発表のGRANDE HEURE (グランウール)BLACK ENAMEL 
24時間で1周する時針のみが置かれたワンハンドの時計だ。



文字盤をクローズアップすると、グランフーエナメルならではの風合いが見て取れる。




こちらは2013年発表のPerpetual Calendar Eclipse Black Enamel。
アイコニックなエクリプスコレクションの永久カレンダーだ。



こちらも文字盤をクローズアップ。
ベースの金属(銅か?)にアイボリーエナメルを幾重にも重ね、最後の数回のみブラックのエナメルを使って仕上げる。その歩留まりは約20パーセントで、アイボリーエナメルの半分程度だそうだ。



なお、ジャケ・ドローは同じ漆黒の文字盤を、オニキスでも作っている。エナメルはゴールドケースに合わせられるのに対し、ステンレスケースにはオニキスが使うように棲み分けてをしているようだ。
こちらは昨年発表のGrande Seconde Off-centered Onyx。SSケース。



ケース素材の違いもありブラックエナメルのモデルに比べると手を伸ばしやすい価格。
こうしてみると、オニキス文字盤もなかなかである。エナメルの温かな風合いか、クールなオニキスか。好みの問題だろう。



そして今年のBaselでは、ブラックエナメルの上にミニアチュールを施した芸術的なモデルを発表した。
Petite Heure Minute Black Enamel 
プティウール・ミニットは、オフセンターに置かれた小さな時分針のみで、秒針を持たないコレクション。その余白部分に、極めて精細なミニアチュールペインティングで動物が描かれた。





漆黒のキャンバスに映えるミニアチュール。文字盤のクローズアップを角度を変えて何枚か。








パテック、ランゲが一部のハイエンドモデルに採用して話題になったブラックエナメル文字盤だが、ジャケ・ドローのコレクションを見ていると、ブラックエナメルそれ自体は決して「希少すぎて手が届かないもの」でないことが分かるのである。

次回は、よりオーソドックスな、アイボリーエナメル文字盤の新作を紹介したい。
こちらも大変素晴らしい(欲しい!)のでお楽しみに!


ジャケ・ドロー ブティック銀座では、現在、この記事で紹介したモデルを含むBaselworld2017の新作を展示中である。百聞は一見にしかず。気になる方はぜひお問い合わせください。
中央区銀座7-9-18 ニコラス・G・ハイエックセンター4F
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営業時間:11:00 - 20:00(月-土)/11:00-19:00(日・祝日)