TokyoでLang&Heyneのメンテナンスを受けられる!

 By : Ay&Ty Style
2012年夏、ドレスデンの郊外にLang&Heyneの工房を訪問した。
マルコラングさんの自宅を兼ねた工房はアットホームそのもので、まだ生まれたばかりのグスタフくんを含む家族全員で迎えていただき、美しい手仕上げの時計が作られる様子を目の当たりにした。
近くにある古城を改装したレストランでリースリングで喉を潤した私は、ラングさんに尋ねた。

"ステンレスケースのフリードリヒ2世モデルをベースに、ブラックダイヤル、ローマンインデックスでカスタマイズモデルを作ってほしい。"

"ローマンインデックスにするなら、ダブルサンクの文字盤ではなくプレーンな文字盤にしよう、その方が絶対に合う。"

"そこまでデザインが変えたら、もはや別なモデルですね。"

"そう思う。別な名前をつけよう。フリードリヒ3世はどうだろう。一つお願いがあります。この時計は、今後場合によっては、オフィシャルなモデルとして販売してもいいですか。"

"もちろんです。売れると思いますよ。"

細かな仕様は、日本に戻った後、ラングさんとメールのやり取りを行った。


2012年末に届いたフリードリヒ3世。
3年半が経った今年の夏、ケースの防水性能が低下している兆候が現れたため、ラングさんのアシスタントに連絡をし、オーバーホールに出すことにした。
メールで詳細をやり取りしている中で、ある素晴らしいニュースを知らされた。
ある日本の修理業者との間で、日本におけるサービスプロバイダーになってもらうべう、話を進めているという。

日本にサービスを持たないブランドの場合、オーバーホールや修理をメーカーで受けようとすると、自分で時計を本国に送るしかない。時間だけでなく、保険、税関などの手間やコストもあり、二の足を踏んでいる方も多いのではないか。


その素晴らしいニュースは、間もなく実現した。
晴れてラング&ハイネのサービスプロバイダーとなったのが、銀座にあるテクノスイス社だ。

代表の山田喜久男さんは、日本デスコ、ロンジン・ジャパン(現在のスウォッチ・ジャパン)、ワールド通商と名だたる会社で高級ブランドの時計の修理を手がけ、2009年に独立してテクノスイスを設立した凄腕である。当時のワールド通商がランゲ&ゾーネを取り扱っており、ダトグラフの修理も行なってきたといえば、イメージが湧きやすいかもしれない。現在、テクノスイスでは基本的にはどんなブランドのどんな時計、例えばトゥールビヨンであっても、取り扱うことができる。

私がラング&ハイネからその話を聞いたのは、ちょうど山田代表がドレスデンに渡っていた時だった。
その後2人の時計師がドレスデンでの約2週間の技術研修を受け、正式にサービスプロバイダーとして認定を受けた。
今回のオーバーホールはドレスデンで行なったが、今後は基本的に、東京でラング&ハイネの時計のメンテナンス、修理を受けることができることになる。


機械式時計を長く使うには、メンテナンスは必須。
ラング&ハイネのような小規模マニュファクチュールが、日本にサービスプロバイダーを持つことは珍しいし、我々愛好家にとっては、心強い限りである。

ラング&ハイネのオーナーの皆様、おめでとうございます!





銀座7丁目にあるテクノスイスの工房。山田代表をはじめ、数名の時計師が様々なブランドの時計の修理を行なっている。この日、山田代表の作業台には、ロジェデュブイのマッチモア(コンプリケーション)が置かれていた。






山田代表。トゥールビヨン、ミニットリピーターなどの超複雑時計を含め、基本的には何でも取り扱うことができるとのこと。ラング&ハイネのエプロンを着けていただいた!





めでたくサービスプロバイダーとしての認定を受けた、時計師の都築さん。
都築さんと一緒にドレスデンで研修を受けた斉藤さんも、無事認定を受けた。





こちらがそのサーティフィケイト。ラングさんのサイン入り。





日本でサービスを受けられる安心感は凄い。
メンテの不安で購入を躊躇していたあなた、買い時到来です!



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事前に予約して訪問するとスムーズに対応していただくことができましたよ。
 株式会社 テクノスイス
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※ テクノスイスさんではラング&ハイネの時計の販売はしていません。
日本では名古屋の宝石のたなかさんで購入することができます。