オーデマ・ピゲの2019年新作、インプレッション!

 By : Ay&Ty Style
こんにちは、Ay&Ty です。
既報のとおり、今年のSIHH は、オーデマ・ピゲ、リシャール・ミルの両ブランドの出展が最後となり、開催時期も来年から変更になるという、節目の開催となりました。

そして、幸運なことに私たちもこの節目のSIHHに参加することができました。その概要はInstagram(@aytystyle)に投稿していますが、今年もひと際賑わいを見せていたオーデマ・ピゲから発表された圧巻の新作ラインナップのうちいくつかを、1ユーザーの目線でご紹介します。


まず最初に紹介しなければならないのは、オーデマ・ピゲが事前に予告していた全く新しいライン、CODE 11.59 by Audemars Piguet。SIHH開催直前の1月12日にその全貌が明らかにされるや、SNSやインターネットの掲示板で大きな反響を生みました。ただし、その多くは、ダイヤルデザイン、とりわけベーシックな自動巻き3針のモデルと、クロノグラフのモデルのダイヤルデザインが凡庸であるとの、否定的なものでしたが。

私自身、ちょうど発表がなされた時は、時計愛好家の友人たちと食事をしていたのですが、インターネット上に公表された画像を見た第一印象は、うーんという感じ。
ダイヤルデザインだけではありません。ロイヤルオークを想起させるオクタゴナルのミドルケースをラウンドのベゼルと裏蓋で挟んだケースデザイン、中がくり抜かれたようなラグ、ケースのサイズ(大きさ、厚み)、貴金属のみというケース素材、風防のカーヴ。正直にいうと、そのどれもが、すっと腹落ちする感じのしないもの。
救いはムーブメントで、念願の自社開発クロノグラフはもちろん、大型化してパワーリザーブが長くなった自動巻き3針、自動巻きトゥールビヨン、新しく登場した3つのムーブメントは魅力的に感じました。


ところが、ジュネーヴで見た実機は、インターネット上の画像とは大きく違いました。
ケースは確かに大きくて、厚みがあります。しかし、実際に装着してみると、ケースが手首に沿うように柔らかくカーヴしていて心地よく馴染みます。ラウンドとオクタゴナルを組み合わせたケース形状は、現代的でありながら突飛な印象を与えず、どんな服装にも、またシチュエーションにも使えそうですし、質感も高いです。
ラグの中が抜いてあるのは、サイドから見たときにミドルケースの形がよく分かるようにとの考えによるもの。
ダイヤルデザインは、確かに凡庸なんです。ただ、ラッカーの風合いが極めて高級なものであるため、SNSで書かれているような、安価なブランドの時計と大差ない、という印象はなかったです。

後日、ルノエパピのジュリオパピさんとランチをご一緒する機会があったのですが、その時パピさんが着けていた時計が、CODE11.59 by Audemars Piguetのクロノグラフ、黒文字盤。搭載されている垂直クラッチ式の新型クロノグラフのムーブメントは、パピさんのチームが開発したものだそうです。


ジュリオ・パピさんと


パピさんが着けていたCODE11.59 by Audemars Piguet クロノグラフ・黒文字盤


ガラスの曲線


ケースサイドビュー。ラグが中空になっているため、ミドルケースの形状が見える。


パピさんのチームが開発したAP念願の自社開発クロノグラフ。


着けさせてもらいました。


15407STと



CODE11.59 by Audemars Piguetの中で個人的に一番気に入ったのはスケルトンのトゥールビヨン。搭載される手巻きムーブメントは、すでにロイヤルオークにも搭載されている薄型の手巻きと同じもの。
ロイヤルオークも素晴らしいですが、CODE11.59のケースやラグと雰囲気が合っていてこちらもかなり良かったです。







おそらく一番人気は、パーペチュアルカレンダーだろうと思います。SIHH会場でも大きな反響でした。
ムーブメントはロイヤルオークに搭載されている薄型の自動巻き。
星空をイメージさせるアヴェンチュリン文字盤は、他ブランドでも用いられていますが、パーペチュアルカレンダーとコンセプト的に相性が良いことや、ベゼルが薄く文字盤の迫力があることなど、個人的にはこのモデルが最良ではないかと思います。ロイヤルオーク・パーペチュアルカレンダーとは別腹でいただけるのではないでしょうか。
ただし、SIHH会期中にすべて予約が埋まったとの声も聞かれましたので、すでに入手困難かもしれません。





スーパーソヌリも良かったです。ジュールオーデマのスーパーソヌリと比べてもかなり魅力的でした。
こちら、画像が手元にないため、Instagramに投稿されている美しい写真をご覧ください。

 
 
 
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続きまして、ロイヤルオーク。
今年もかなり魅力的なモデルが発表されました。
最も売れている自動巻き3針の15400が新開発のムーブメントを搭載した新作15500にリプレイスされ、どちらが良いかと思案している方も多いと思いますが、既に各所で比較がされているところですので、ここではあえて、それ以外の、私が気になったモデルを中心にご紹介します。


まずはスケルトン、ダブルバランスホイール。こちらからは3つのバリエーションが登場しました。

ケース径41mmのメンズでは、フロステッドゴールドのモデル(WG)と、ベゼルにバゲットダイヤが施されたモデル(WG)が。会場では後者が大人気でした!こちらも入手困難になる予感が・・・
ムーブメントが黒く加工されているためか、バゲットダイヤが入っても派手に派手になりすぎず、むしろ落ち着いたトーン。







37mmのレディースでは、フロステッドゴールドにレインボーカラーのサファイヤが施されたゴージャスなモデルが登場(WG)。レディースはムーブメントが白いので、かなり華やかな印象。






毎年1モデルずつ登場しているフルブラックセラミックのモデル
今年はトゥールビヨン・エクストラシン。
軽くてタフなブラックセラミックは、エクストラシンのケースとの相性が極めて良いと思います。個人的には、昨年登場した新しいタペストリーがどうかと思い、オーダーを踏みとどまってしまったのですが、後日ファクトリーで製作現場を見学した際に改めて見た頃にはすっかり違和感なくなりました!
ただし、これも即完売しているような気配が、、、。

動画をどうぞ!




日本でも人気の高いシンプルな通称ジャンボ。
今年はWGケースにPGカラーの文字盤を組み合わせたモデルが登場。
文字盤は何とも言えないヴィンテージテイストのカラー。サーモン文字盤と呼ばれていますね。
かつて1992年にロイヤルオーク20周年記念で発表されたいわゆるジュビリーモデルでサーモン文字盤(SSケース)が出ていますが、最新のエクストラシン、そしてジャンボとしては極めて珍しいWGケースでこの色の文字盤を楽しめるのは嬉しいですね。ケース、ブレスレットが薄いので、WGでもそれほど重さは気になりません。私たちのInstagramでも熱烈なコメントが多く寄せられていましたよ!






最後に、日本限定のロイヤルオーク・スパーソヌリをご紹介しましょう。
昨年PT☓黒文字盤で登場したモデルが、Ti☓青文字盤という大変魅力的なスペックで再登場しました。
現行ではフルチタンのロイヤルオークは他に存在しません。ルノエパピ開発の音響システムを搭載したスーパーソヌリをロイヤルオークで楽しめるのは最高ですね。




例年新作のデリバリー開始の早いオーデマ・ピゲ。
特にCODE11.59 by Audemars Piguetは、画像と実機の印象が大きく異なります。ぜひブティックや販売店で実機を手に取ってみてください!