ジャケ・ドローのアイボリーエナメル

 By : Ay&Ty Style
ジャケ・ドローといって真っ先に頭に浮かぶデザインは、オフセンターの時分針に、長い秒針を8の字を描くように重ね合わせた、グラン・セコンドだろう。
18世紀に制作された懐中時計のデザインを再現したグラン・セコンドを現在のジャケ・ドローが発表したのは2002年のこと。以来、ジャケ・ドローが毎年発表する新作の多くに、この意匠が取り入れられている。




Baselworld 2017で発表された新作の目玉もグラン・セコンドのバリエーションモデルだ。
グラン・セコンド ムーン。
こちらはSSケースにシルバー文字盤。



大きなセコンドダイヤルの上半分にムーンフェイズを置き、秒針と同軸にカレンダー(デイト)針を重ねたデザインはいかにもアイキャッチング。ムーンフェイズは流行りの高精度のもので、1日のズレが生じるまでの期間は122年46日だ。
精細に彫金加工されたムーンは22Kホワイトゴールド



グランフーのエナメルダイヤルを手にいれるには、ローズゴールドケースを選ぶ必要がある。
ケースに合わせて、針、デイトのリング、そしてムーンにもゴールドが用いられており、極めて上品な雰囲気に仕上げられている。



写真ではわかりにくいが、グランフーのエナメルダイヤルは、セコンドダイヤル内側が一段下げられた立体的な構成。ゴールドリング(デイト部分)の傾斜に注目してほしい。



ただやはり、個人的には、43ミリのケース径が気になった。
雄大な秒針や美しいエナメルダイヤル、そしてゆったりとしたデザインを楽しむには最適のサイズであるが、女性には厳しいし、男性でもスーツに合わせるには小ぶりな方が使いやすそうかな。





そんなニーズを受けてか、最近のジャケ・ドローは43mmのスタンダードなサイズに加えて、39mmケースを使うようになっている。
新作のグラン・セコンド ムーンは今のところ43mmケースのみであるが、今年は2012年に43mmケースが発表されたグラン・セコンド オフセンターに39mmのモデルが加わった。



グランフーのアイボリーエナメルがとても素敵!



グラン・セコンド オフセンターは、通常のグラン・セコンドを時計回りに30度くらい回転させたデザイン。
そのため、竜頭は4時位置にある。
このサイズならスーツの袖口にも上品に収まる。



通常のグラン・セコンドと比べてみよう。
両サイドがグラン・セコンド 39mm。左はRGケース アイボリーエナメルダイヤル、右側はSSケース オパーリンシルバー ダイアルだ。
グラン・セコンド オフセンターは、インデックスの印字が繊細で、針がケースと同じRGであることから、上品で洗練された印象。通常のグラン・セコンドはクラシック。



腕に載せると印象の違いがよくわかる。



オフセンターの方は女性の腕にも合いますね。



実はこの時計、ケース厚が12.62 mmある。
今時のシンプルドレスウォッチとしては意外な数字だが、このややふくよかなケースは懐中時計のようなデザインにとても合っていると感じた。



ムーブメント自体は従前から変わっていないが、仕上げは高級時計にふさわしいレベルに達していると言ってよいだろう。



39mmケースにグランフーのアイボリーエナメル。日付もないシンプルな3針。雄大な秒針。
エナメル文字盤のドレスウォッチの購入を考えている方に真っ先にオススメしたい1本です。