時計愛好家の作るワイン

 By : Ay&Ty Style

Instagramを通じて知り合った若きワインメーカーがいる。
彼はナパに拠点を置くネゴシアンだ。

ワインの生産は、原料となるブドウの果汁を発酵、熟成させ、不純物を濾過して瓶詰めして行う。原料となるブドウから自ら栽培するイメージを持つ方も少なくないと思われるが、必ずしもそうでない。
ブドウ栽培から行うドメーヌのみならず、第三者から買い付けたブドウを原料にワインを生産するネゴシアンも立派なワイン生産者だ。いやむしろ、自己栽培のブドウにこだわらず時々の良質なブドウを買い付け、安定的な品質を確保する、あるいは新しいテイストを創造することは、実にクリエイティブな業なのである。なお、ドメーヌ部門とネゴシアン部門の両機能を携えるワインメーカーもたくさんある。





このように書くと、ワインの生産と時計作りに、どこか親和性を感じるのは私だけだろうか。
昨今、多くの時計ブランドは、自社製のムーブメントを開発し、マニュファクチュールとして名乗りをあげる。しかし、「自社製ムーブメント=凄い」との盲信は危険である。重要なのは自社製という上面ではなく、その内容だからだ。二番煎じの自社製ムーブメントの開発に莫大なリソースを投じるよりは、時計としてのデザイン、パッケージングに力を入れる方が有意義である。


彼はアメリカ西海岸の、ナパバレー、ソノマコーストの生産者からブドウを買い付け、自らのワインを生産している新進気鋭のネゴシアン。彼の送り出した最初のワインが、ソーヴィニヨン・ブランによる白ワイン「ドリームスター」(Dream Star)である。この度、2年目のヴィンテージである2014年が日本でも取り扱われるようになった。

早速何本か購入し、いくつかの夏のイベントに持参したところ、グレープルフーツのほろ苦い酸が暑い夏にとても良く合う。1本4000円程度と価格も手頃なので、ぜひ試していただきたい。






なぜ彼のワインをここで紹介するのか。
彼が無類の時計愛好家だからである。若い彼のコレクションには既に、A.Lange & Sohne、Patek Philippe、F.P.Journeと、錚々たるマニュファクチュールが並ぶ。Audemars Piguetが今年発表したOpen WorkedのロイヤルオークRef.15407STが次の"標的"だという。日本では約1年の列ができている新作であるが、ナパではずっと短い期間で入手できるようだ。


そんな彼が、メルローを使った赤ワインをリリースした。
その名は「ムーンフェイズ」(Moon Phase)。ドリームスターに続き、何ともロマンティックなネーミングである。
残念ながら日本での取扱いは未だ行われていないが、その日が待ち遠しい。





Haechi CellarsのHPより
http://www.haechicellars.com



日本でのDream Starの取扱いは、インポーターにお問い合わせください。
http://www.cwc-tokyo.com