ヴァシュロン・コンスタンタン「レ・キャビノティエ・マルタ・トゥールビヨン - オスマン様式への賛辞 -」~光の都パリの大規模な都市計画を映し出した彫金の大作

 From : VACHERON CONSTANTIN (ヴァシュロン・コンスタンタン )





「レ・キャビノティエ・マルタ・トゥールビヨン -オスマン様式への賛辞-」~オスマン男爵が光の都パリで率いた彫金の傑作 

創業以来、ヴァシュロン・コンスタンタンが大切にする外に目を向ける精神をもって、「レ・キャビノティエ - レシ・ドゥ・ヴォヤージュ(旅の見聞録) -」は世界中の驚嘆すべきものを辿りながら発見の旅に誘います。多様な行先の中から選ばれたのは、1820年からメゾンが取引を始めたパリです。一点製作の「レ・キャビノティエ・マルタ・トゥールビヨン – オスマン様式への賛辞-」は、19世紀半ばにオスマン男爵が光の都パリで率いた、大規模な都市計画を映し出した彫金の傑作です。
メゾンの高い技術力を結集した自社超薄型スケルトン・キャリバー2790 SQは、日付とパワーリザーブを表示し、トゥールビヨンを搭載しています。全 面に彫金が施されたこのユニークピースは、その洗練された薄さで際立っています。


このタイムピースは、ヴァシュロン・コンスタンタンの地理的拡張を反映した新しいコレクション「レ・キャビノティエ - レシ・ドゥ・ヴォヤージュ(旅の見聞録) -」からのユニークピースです。ヨーロッパを巡る旅は、ヴァシュロン・コンスタンタンが19世紀初頭から自社の代理店を構えるパリに着きます。第二帝政期の当時、ジョルジュ=ウジェーヌ・オスマンが指揮をとった大規模な都市改造が現在のパリ市街の基盤を築きました。「レ・キャビノティエ・マルタ・トゥールビヨン – オスマン様式への賛辞-」は、自社手巻きキャリバー2790 SQにより駆動し、この超薄型スケルトン・ムーブメントは、日付とパワーリザーブを表示し、トゥールビヨンを搭載しています。


ヴァシュロン・コンスタンタンとヨーロッパ
ヨーロッパは、ヴァシュロン・コンスタンタンにとって素晴らしい領域でした。ジャンマルク・ヴァシュロンが1755年に工房を構えたことがメゾンの原点です。彼自身は、ジュネーブに移住した織物工の息子でした。創業者の子孫たちは、フランスとイタリアにおいて直ちに大きな商機の手応えを感じました。特にジェノヴァやリヴォルノといった港町では、海洋貿易の商人たちとの貴重な接点を得ることができました。ジャック・バルテルミー・ヴァシュロンとフランソワ・コンスタンタンが1819年パートナーを組んだ19世紀初頭以来、メゾンはその活動範囲をヨーロッパ主要都市に段階的に広げていきました。1850年には、すでにヨーロッパ大陸全土でメゾンの時計が販売されました。
フランソワ・コンスタンタンは、この拡張に大きく貢献しました。彼が巡った数々の都市には、もちろんパリが含まれます。1820年以来彼は、この都市から宝飾品の供給を受けており、ヨーロッパの顧客にとっての時計と宝飾品の相補性を確信していました。それと同時に、その供給元のワタン宝飾製造会社がヴァシュロン・コンスタンタンのフランスの首都における代理店となりました。数十年後の1880年、パリでフェルディナン・ヴェルジェと出会いが、メゾンにとって最も実りのある提携関係のひとつとなり、長く比類ない関係が築かれました。



光の都パリは、この当時ジョルジュ=ウジェーヌ・オスマンが率いる都市大改造が進んでいました。ヴァシュロン・コンスタンタンの「レ・キャビノティエ - レシ・ドゥ・ヴォヤージュ(旅の見聞録) -」から、ユニークピース「レ・キャビノティエ・マルタ・トゥールビヨン – オスマン様式への賛辞 -」を通して、この建築における大規模な改造を表現します。


オスマンスタイルのケース、最上級の彫金の技術
このタイムピースと同様なレベルの時計製造においても賞讃を捧げるために、数多くの建築要素を含んだ、立体的なタイムピースが不可欠でした。




ムーブメントと外装は、全面に熟練彫金師の手で細工が施され、
ケースはオスマンスタイルのファサードから着想を得て彫金され、
ムーブメントの各部品はエッフェル塔の金属構造のモチーフで
仕上げられています



150時間費やして完成するこの傑出した緻密な作品は、ミドルケースの見事に調和した曲線によりパリの気品を彷彿とするトノー型の時計に収められます。1912年に登場したトノー・シェイプは、ヴァシュロン・コンスタンタンの伝統の一部であり、この1世紀後にデザインし直された「マルタ」コレクションの特徴でもあります。この当時、クラシックなラウンド型が慣習であった時計製造界において、メゾンはすでに自由な創造性で際立っていました。そして、今日強い個性を持ったこの新作により、メゾンはその前衛的なデザインを再び誇示します。



8K(5N)ピンクゴールドのケースは、余すところなく表面は職人によって細工が施されました。ベゼルとケースバックは、表側が凸面、裏側は凹面となるように、パールが施され、丸ひだ装飾が彫られています。ラグには、くぼみをもった丸ひだ装飾が施されます。超薄型キャリバー搭載のこの時計は、厚みが12.7mmのみであるにもかかわらず、素晴らしい彫金技術をミドルケースの上で鑑賞することができます。パリ市街の様相を統一をしながらも、巧みな装飾を積極的に取り入れた、オスマン男爵の大改造を想起させるモチーフを採用しました。



ライオンは、パリの街、そのモニュメント、建物の外壁、ドアノッカー、公園などに広く用いられました。その理由から、時計のミドルケースは、このネコ科の動物がバ・ルリエフ(浅浮き彫り)の彫刻をフリーズ装飾で囲む形で施されています。ドライポイントでモチーフのデザインを描いた後、ビュラン(彫刻刀)を使って立体的なモチーフを形作った後、その外側の素材を削り取ることでシャンルヴェ装飾を施します。そうすることで、僅か0.4mmの深さの中で微細で精密な立体的なライオンを仕上げ、フリーズにあっては立体部分はさらにポリッシュ仕上げが必要なので0.2mmの深さとなります。浅浮き彫りの細かい刻みや彫りで影を演出し、金属の輝きと立体感の適切なバランスを見つけるのは、きわめて繊細な作業です。この作品は、コントラストを強調し煌めく装飾を際立たせるため、地金に一点ごと手作業で細やかな浮き彫りして仕上げられます。




キャリバー2790 SQ、完全にオープンワークを施し彫金された 超薄型ムーブメント
美しくする緻密な仕上げは機構にも施され、超薄型ムーブメントであるがゆえに、その作業はさらに複雑なものとなりました。厚さわずか6.1mmの手巻きキャリバー2790SQは、そのトノー型の形状とトゥールビヨン調速装置の搭載により技術的な快挙となっています。2014年にヴァシュロン・コンスタンタンが発表したこのムーブメントは、246の部品から構成され、時・分、トゥールビヨン上にスモールセコンド、日付、パワーリザーブを表示し、立体的な建築物の様な装飾が完全にスケルトン仕上げになっています。2.5Hz(毎時1万8000回振動)の比較的緩やかなテンポは、機械的な美しい動きには最適です。このムーブメントは、目を見張る眺めを演出するために考え抜かれました。同様に、時針の軸は少し上方向にオフセットされ、1880年からメゾンのエンブレムであるマルタ十字を模ったトゥールビヨン・キャリッジのために十分なスペースを与えました。



キャリバーにスケルトン加工がされると、さらに彫金職人は主に固定部品であるメインプレートとブリッジなどの構成部品を作業し、最適な光の反射をさせるためすべての表面に起伏を与えていきます。



それにより、45度以下の入角も含め、鏨で細工できる箇所には
すべて熟練職人の緻密な作業が施され、この非常に軽やかな構造と
なったムーブメントは、きわめて優美な外観となります。

トノー型で直角を持たないこのキャリバー2790 SQは、見事なケースで魅了する時計製造の光景が鑑賞できます。マニュファクチュールが世に送り出してきた常に超薄型ムーブメントの伝統として、このキャリバーは開発における高い技術、そして芸術性ための審美的な研究を通して、メゾンのノウハウを受け継いでいます。



精緻な仕上がり、高い精度、オート・オルロジュリーの仕上げの証である名高いジュネーブ・シールが刻印されたこのユニークピース「レ・キャビノティエ・マルタ・トゥールビヨン - オスマン様式への賛辞 -」は、オスマン知事が光の都パリに願ったように、「軽やかに、統一し、美しくする」このスタイルで同様にフォールディングクラスプが彫金され、ダークブラウンのアリゲーターストラップが装備されます。




レ・キャビノティエ - レシ・ドゥ・ヴォヤージュ(旅の見聞録) -
世界に目を向けながら、ジュネーブ時計製造技術を深めることがヴァシュロン・コンスタンタンの信念です。創業者の孫にあたるジャック・バルテルミー・ヴァシュロン(1787–1864年)は、最初にフランスとイタリアを巡り、この旅路はフランソワ・コンスタンタン(1788-1854年)に引き継がれ、絶え間ない旅によりメゾンの商業的な発展に貢献します。フランソワ・コンスタンタンが中央ヨーロッパ、南米、北欧、アジアの市場を開拓し商業関係を確立した同じ時期に、メゾンは米国と中国だけでなく、ブラジル、香港、キューバにも足場を築きました。
フランソワ・コンスタンタンの書簡から、ナポレオン戦争とウィーン条約直後の復興の真っ只中にあるヨーロッパに向けたマニュファクチュールの四半世紀にわたる様子がうかがえます。ヴァシュロン・コンスタンタンの名が国境を越え、新たな市場を獲得しビジネスの拡大を続けました。この時代から旅はメゾンの価値に根付いた概念であり、270年近いメゾンの歴史は、その人類の冒険により築かれているのです。ヴァシュロン・コンスタンタンは、「レ・キャビノティエ - レシ・ドゥ・ヴォヤージュ(旅の見聞録) -」のシリーズにより、その創業者たちが辿った世界とその驚嘆すべきものを題材にメティエ・ダールと機械芸術を融合させ、時計製造における遥かなる旅を表現します。


【概要】
ユニークピース「レ・キャビノティエ・マルタ・トゥールビヨン – オスマン様式への賛辞 -」は、「レ・キャビノティエ - レシ・ドゥ・ヴォヤージュ(旅の見聞録) -」コレクションの中でも、アメリカ大陸をテーマとし、19世紀初頭からヴァシュロン・コンスタンタンが大切にする世界に開けた精神を象徴しています。現在のパリ市街の基盤となった19世紀末の大規模な都市改造から着想を得たこのタイムピースは、ジュネーブ・シールが刻印され、18K(5N)ピンクゴールドのトノー型ケースの中に、日付とパワーリザーブを表示し、トゥールビヨンを備える自社超薄型キャリバー2790 SQを搭載しています。
彫金職人の熟練した手により、ケースとムーブメント全体に装飾が施されています。ベゼル、ケースバック、ラグには、丸ひだ装飾が彫られ、ミドルケースはフリーズを伴ったライオンの頭が繊細に彫られています。完全にスケルトン仕上げされたムーブメントは、メインプレートとブリッジもエッフェル塔の構造を想起させるモチーフで装飾されています。非常に軽やかな構造を持つこのタイムピースは、手作業で施される独自の装飾により、その技術性が際立っています。




サンドリン・ドンギー(ヴァシュロン コンスタンタン プロダクト&イノベーションディレクター)へのインタビュー
――新しいコレクション「レ・キャビノティエ - レシ・ドゥ・ヴォヤージュ(旅の見聞録)- 」のパリを象徴する作品に、なぜマルタ・ウォッチを選んだのですか?
『ヴァシュロン・コンスタンタンの世界に開けた精神を時計で表現するこのプロジェクトの原点に立ち返り、新しい市場の開拓に傾けた努力を考えると、レシ・ドゥ・ヴォヤージュ(旅の見聞録)という表現はぴったりだと思いました。1819年にパートナーとなって以来、ジャック・バルテルミー・ヴァシュロンとフランソワ・コンスタンタンの間で20年以上にわたり交わされた数多くの書簡がメゾンのアーカイブに保存されており、商業的な要素だけでなく、旅路の様々な経験が記されています。そこから、メゾンの国際的な飛躍を表現する長い旅路を想像しました。当然のことながら、すべては近隣市場のヨーロッパから始まり、その後さらに離れたアメリカ大陸、アジア、中東に同様に広がっていきました。パリは、ヴァシュロン・コンスタンタンが初めて関心を持った都市のひとつでした。その顧客層だけでなく、商業的な関係構築の可能性を見出していたからです。ヴァシュロン・コンスタンタンが創業する1750年代以降、多数の時計に精通した人たちがパリに向かいました。ヴァシュロン・コンスタンタンにとって、イタリアと同様、パリは当然の販路だったのです。』



――なぜマルタ・ウォッチ?
『マルタ・ウォッチの選択は、第一にケースのトノー型により説明できます。1912年にヴァシュロン・コンスタンタンで初めて製作されたこの形は、当時の懐中時計や初期の腕時計の丸型の形とかけ離れていました。この慣習を覆すということは、近代的な都市計画の展望を認めさせるために既成の規範を覆すこともいとわないオスマン男爵にも共通しています。この大改造が、現在皆がよく知るパリの街を築きました。このヨーロッパの旅路では、プロジェクト同様に既成の概念を覆す歴史的なタイムピースを通してオスマン男爵へ賛辞を捧げたいと思い、この建築における大改造に敬意を示しスケルトン仕上げで提案しています。それに加え、彫金職人がこの素晴らしいキャリバー2790 SQに、曲線と丸みのみで形作られるこの構造で見事な立体感をもたらします。』



――なぜミドルケースにライオンの彫金を選んだのですか?
『パリを訪れると、ライオンが各所に見つかります。広場、公園、庭園などの彫刻で、最も有名なのはデンフェール-ロッシュロー広場のベルフォールのライオンです。ドア、外壁、街灯、バルコニー、公共建築物のペディメント、墓地などでもライオンのモチーフを見かけます。力強さと荘厳さのシンボルであるライオンは、ブロンズや石に彫られる際は、たてがみをなびかせ偉大な力を表現します。パリのためのオスマン男爵のプロジェクトは、大通りの外壁を調和する計画も含み、彼は積極的に外壁の装飾を施すことを推奨しました。他の多数の都市のように、パリに偏在していたライオンは、それ以来この街で飛躍的に繁栄しました。オスマン男爵への賛辞を捧げる際に、このジャングルの王は不可欠です。「レ・キャビノティエ・ウェストミンスター・ソヌリ –ヨハネス フェルメールへ敬意を表して -」のボウにロンドボス技法で吠えるライオンが彫金され、メゾンがすでに表現した動物です。このタイムピースにも、熟練彫刻師の優れた才能により、同様に表現が豊かなライオンが実現しています。』



【技術データ】
レ・キャビノティエ・マルタ・トゥールビヨン - オスマン様式への賛辞 -
リファレンス・ナンバー:30135/000R-089C

ムーブメント:ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造キャリバー2790 SQ(ジュネーブ・シール取得)
・駆動方式:機械式手巻き
・ムーブメント・サイズ:直径29.3mm × 厚さ6.1mm
・パワーリザーブ:約45時間 
・振動数:2.5HZ(毎時1万8000回振動)  
・部品数:246
・石数:27
・トゥールビヨン
表示:時、分。
・トゥールビヨン上のスモールセコンド
・日付
・パワーリザーブ
ケース:18K(5N)ピンクゴールド
・手作業で彫金
・サファイアクリスタルのシースルーケースバック
・ケース・サイズ:41.5mm × 38mm、厚さ12.7mm
文字盤:18K(5N)ピンクゴールド、グレイン仕上げ
ストラップ:ブラウンのミシシッピアリゲーターレザー
・レザーのライナー
・ 手縫いサドルステッチ
・ラージ・スクエア・スケール
クラスプ:18K(5N)ピンクゴールド製フォールディングクラスプ、手作業で彫金
付属ボックス:レ・キャビノティエ・モデル
ユニークピース:時計裏面に《PIÈCE UNIQUE》、《LES CABINOTIERS》の文字と《AC》紋章を刻印




【お問い合わせ】
Vacheron Constantin
0120-63-1755(フリーダイヤル)




[ヴァシュロン・コンスタンタン]
1755年に創業したヴァシュロン・コンスタンタンは、270年近く一度も途切れることなく時計製造を続ける世界最古のマニュファクチュールであり、卓越した時計製造と洗練されたスタイルを何世代にもわたり熟練の職人により継承し、輝かしい遺産を守り続けてきました。メゾンが製造する時計は、控えめで気品豊かなスタイルに高級時計の素晴らしい価値が体現され、その一つ一つに、最高峰の職人技と極めて高度な仕上げを施し、ヴァシュロン・コンスタンタンならではの技法や美意識が表現されています。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、そのコレクションを通じて、比類ない伝統と革新の精神を実現しています。「メティエ・ダール」、「パトリモニー」、」「トラディショナル」、「オーヴァーシーズ」、「フィフティーシックス」、「ヒストリーク」、「エジェリー」はメゾンを代表するコレクションです。さらにメゾンでは、時計に精通した時計愛好家のために「レ・コレクショナー」のヴィンテージウォッチや、「レ・キャビノティエ」部門を通じてユニークピースを提案する貴重な機会を提供しています。
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