International Watch Co

 By : Daiwatokeiten
突然マニアックなアンティークウォッチの話をしてもどうかと思うので
先ずは現行品でも有名なブランドのアンティークウォッチのお話でも。




IWC初の本格的な腕時計用センターセコンドで
最高傑作の名機とも言われるcal.89はアルバート・ペラトンさんが製作したムーブです。
 
Cal.89は1946年~1970年代半ばまで製作され、
イギリス空軍向けに作られたMark11にも搭載されました

穴石は金枠のシャトンで留められおり、
コート・ド・ジュネーブが施されたブリッジが高級ムーブの証です

 
そして特徴的なのがラグの形。

 
 


また、IWCの自動巻き機構を考案したのもペラトンさん。
通称ペラトン機構と言われています。
 
『ペラトン機構』とはローターの中心にハートカムがあり
それが回転することで長短のコハゼにあるロッキングバーに動力を伝えて
ゼンマイを巻き上げる仕組みです。



実はこの機構はとっても巻き上げ効率が良いんです。
1970年代のクオーツショックの時に
一旦IWCは自社ムーブの生産を止めてしまいましたが、
2000年にペラトン式のCal.5000系のムーブを生産し、
今現在でもIWCのCal.5000系ではこの機構が搭載されています。

1964年に開発されたCal.8541にハック機能と日付の早送り機能が付いたものが
ペラトン式自動巻きユニット搭載の最晩期ムーブ、Cal.8541Bです。

cal.89も、ペラトン機構が搭載されたCal.85系もどちらも名機として名高いムーブです。