グルーベル フォルセイ ノベルティ 実機速報

 By : CC Fan
あらゆる意味で妥協のない時計制作を行うグルーベル フォルセイ。
全てに気を配った時計は結果として極めて高価になりますが、個人的には納得感があります。
今回のSIHHでも精力的に新作を発表しました。



お馴染み、ステファン・フォルセイ(Stehpan Forsey)氏。

現代芸術作品としての時計を限界まで追求したアートピース(Art Piece)シリーズの新作、アートピース エディション イストリーク(Art Piece Edition Historique)、グルーベル フォルセイの名前が出た初期の作品で、大きな話題となったハリーウィンストンのOPUS 6のデザインコードを現代的に再解釈しています。



どこにも繋がっていないように見えるミステリアス・ギアトレインで駆動され時計の部品というより動いている"彫刻"のように見えるダブルトゥールビヨン30°、大胆にケースに彫り込まれたレター、矢印型のポインターディスク表示による時間表示、建築物を思わせる立体構造、そして何よりもムーブメント地板に直接色付けした鮮烈なブルー!
OPUS6をほうふつとさせながらも、それぞれの要素の進化と熟成はグルーベル フォルセイが研究開発にかけてきた情熱を感じさせます。



赤い矢印が時間、"ART PIECE"と書かれたウィンドウ内のディスクが分を表示します。
シャッターはリュウズ同軸のプッシャーによって閉じることもでき、控えめな時針と相まって最小限の主張です。
数字としての時間表示よりもパワーリザーブ(残された時間)やダブルトゥールビヨン30°*(時間の経過)を見てほしいという哲学的な問いかけです。



グルーベルフォルセイの哲学を現す単語を並べた"碑文"は立体的なムーブメントサイドにも彫り込まれています。
時計の中に存在しているとはにわかに信じがたい立体感は伝わりますでしょうか…



繊細な動きをずっと眺めていられそうなダブルトゥールビヨン30°。
12時位置の駆動歯車は地板の中に一見してわからないように隠されており、どこにも繋がっていないのに不思議な力が働いた結果、生命が脈動している…というようにも見えます。



対して、ムーブメント側は極めてシンプル、手間が必要でグルーベルフォルセイのアイコン的なサンドブラスト仕上げの文字盤に、創業者二人のサインとグルーベルフォルセイを象徴するもっとも重要なセンテンス、"発明の芸術(ART OF INVENTION)"が刻まれています。
ダブルトゥールビヨン30°の地板はこちらも鮮烈なブルー、これはグルーベルフォルセイが得意とする酸化膜による構造色によるもの、OPUS6はPVDを使っており、それよりも鮮烈なブルーを実現できたそう。

他の色も作れるかという質問については、"色による"とのこと。

芸術品とも呼べる作品ではありますが、実用精度ももちろん妥協なし、"芸術品だから時計としては使いにくくても良い"というエクスキューズ(言い訳)はグルーベル フォルセイには存在しません。

もう一つは、アートピースに対してより実用方向を追求し、大柄な時計が多かったグルーベルフォルセイとしては初めての40mm以下サイズのケースを実現したコンテンポラリーテンプ(Balancier Contemporain)は極めて"実用的"なピースです。



壁に掲げられた"ターニングポイント"、シグニチャー1、グルーベル フォルセイとしては初の自社で製造したテンワを備えます。
18,000振動/時から、21,600振動/時に高められたものがバランシエに使われました。



もう一つは"デザインコード"、ダブルトゥールビヨン30°、コンテンポラリーテンプはこのピースをはじめとするグルーベル フォルセイのデザインコードを"凝縮"したとのこと。



極めてシンプルなデザイン。
ムーブメントの文字盤側をそのまま文字盤として使うグルーベル フォルセイのコードに忠実な構造。
テンワの背景部分はあえて抜かず、ブラックポリッシュで仕上げています。



ケースバック側には"碑文"と大型のルビー、ほとんどの機構はあえて隠されています。



今までに比べ薄いケース。



リストショット。

シンプルな39.6mmケースのほか、ダイヤモンドセッティングで41mmのモデルも同時に発表されています。



メカ要素を強調して文字盤を抜いたノンダイヤのモデルに対し、MOPで塞がれた文字盤。
テンワの背景もサンドブラストで、異なる印象です。
バケッドダイヤが一見して止める爪が見えないインビジブル・セッティング。



ケースサイドにもダイヤをセット。



特色である三次元構造感はこのモデルでも感じることができます。



リストショット。

ダイヤモンド付きの時計はあまり興味がありませんでしたが、これは強く惹かれ、何ならダイヤなしのモデルよりも好きかもしれません。
日常使いしてみたいです!

もちろん日本でのお披露目も予定されているとのこと。
楽しみです!

関連 Web Site

グルーベル フォルセイ
http://www.greubelforsey.com/en/

カミネ旧居留地店
http://kamine.co.jp/shop/maison/