パテック フィリップ「ノーチラス」、オーデマ ピゲ「ロイヤルオーク」等々…ジェラルド・ジェンタのデザインを想う・・・。
By : KIH訂正
* Vacheronの222はジェンタ氏の影響を受けているとはいえ、実際には氏の手によるものではなく、ヨルク・イゼック氏のデザインでした。訂正してお詫び申し上げます。
2019年もあっという間に過ぎていきそうですが、気になっていることがあります。上がり続けている時計の値段です。新品も中古も狂ったように上がってますね、というか上がったままですね。1つには、投資として買う人が増えてしまった、ということがあるでしょうし、「高くないと買わない」人が増えた、ということでしょう。それはそれで時計業界にとってはいいことでしょう。ですので、このトレンドに決して反対するものではありませんが、この価格は今後景気と共にどうなるのかな、ということが気になり、また、ふと、ジェラルド・ジェンタ氏のことを思い出したので、ちょっと書いておこうかな、と。
ご存知のように、ジェンタ氏はご自分のブランドも持っていましたが、その前に、70年代にいくつもの「名作」をデザインしています。読者の皆さんは皆さんご存知の方も多いとは思いますが、例えば:
ご存知、今や大人気の パテックフィリップ ノーチラス
私は持っていませんが、保有されている方に写真をいただきました。
こんなのもありましたね。3711です。総WGでして、重かったのなんのって。手首に悪いんで、さっさとさよならしてしまいましたな・・・。
そしてこちらも今でも大人気の オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク 5402ST
八角形で攻めてますね。クラスプが「AP」だけのもあれば、「Audemars Piguet」と二行に書かれているものもありますね。このタイプ、開き方が小さく、手を通すときに結構きついですが、裏がガラスでないので時計自体を薄くすることができて、腕の細い私にとってはラグのカーブと手首との間がそれほどあかないのでこちらの方がピッタリ来ます。15202では私の手首はちょっと不格好かな、と。
(* ご指摘をいただきました。以下の222は、ジェンタ氏の影響を受けたとはいえ、デザイン自体はヨルク・イゼック氏でした。あいまいな記憶から間違ったことを書いてしまい、大変失礼いたしました。訂正し、お詫び申し上げます。
そして、ヴァシュロン・コンスタンタンの222
懇意にしている中古業者のウェブサイトから写真を借りてきました。
ブレスレットの特徴はジェンタさんですね。これはどうしても手に入りませんでした。。。今でも中古でたまに出たりしますがすでに手の届かない値段になってしまったので・・・。)
そして、IWC インジュニア SL 1832
これも、やはりジェンタ氏、ですよね。これは耐磁性が高く、そのためかずっしりと重く頑丈な感じでした。ダイヤルカラーはこれ以外にもあったようですが、やはりきれいなダイヤルですね。これもがっしり感がすごいいい時計でした。
そして、意外と皆さん知らないかも、がこちら。
オメガ コンステレーション C ライン
これは、今までのとはちょっと違いますが、これもジェンタ氏のデザインで間違いありません。このギザギザのベゼルの部分だけWGです。
最後は、意外と知ってる方は少なそうで多いかも、です。
セイコー クレドール ”ロコモーティブ” GKEH018
これは六角形ですね。そのせいか、やや女性っぽい感じのするデザインですが、ブレスレットはやはりジェンタ氏ですね。ちなみに、クォーツです。クラスプがロイヤルオークと逆に開くタイプでした。きれいなダイヤルですね。たまーに中古市場で出てきます。出てくるたびに上がってますね。ブレスレットと一体型 = ラグスポ?
なぜ、ジェンタ氏のことを思い出したか。この当時、時計のデザイナーは今よりも地位が低く、デザインしたときにちょっとだけお金をもらう、というようなお仕事だったようです。ですので、デザイナーも似たようなデザインを数十分で作っておしまい、みたいな感じだったようです。確かに、ジェンタ氏のデザインはみんな(オメガを除いて)似ていると言えば似ていますね。今でこそジェンタ氏デザインの時計は中古価格も相当上がっていますが、当時はジェンタ氏の仕事はそんなに感謝されるでもなく、安い仕事だったんだなあ、と。要するに時代が変わると、モノの価値も変わるんだなあ、と、今値段が上がっているブランドや時計たちの将来を考えてしまったわけです。ま、ファッションですしね。英語での「ファッション」とは、「流行り」という意味ですから。
そして、時代は流れ、ジェンタ氏のブランドは、LVMHグループに買収されます。ブルガリの一部となり、その名前はなくなり、ブルガリのモデルにジェンタ氏の影響を見ることができる程度になってしまいました。時代の流れ、資本の論理、いろいろと呼び方はあるでしょう。しかし、時計の歴史にこんなにも大きな影響を与えたジェンタ氏の名前を消し去ってしまうという厳しい業界。歴史とはやはり勝者が書きかえるものなのか? 現代の時計に対する価値観は今後どうなるのか? などと思う秋の夜長でありました。たまには、コレクションボックスを見ながら、お持ちの時計の歴史と、それからそれらの将来に思いを巡らすのもいいのではないでしょうか。
* Vacheronの222はジェンタ氏の影響を受けているとはいえ、実際には氏の手によるものではなく、ヨルク・イゼック氏のデザインでした。訂正してお詫び申し上げます。
2019年もあっという間に過ぎていきそうですが、気になっていることがあります。上がり続けている時計の値段です。新品も中古も狂ったように上がってますね、というか上がったままですね。1つには、投資として買う人が増えてしまった、ということがあるでしょうし、「高くないと買わない」人が増えた、ということでしょう。それはそれで時計業界にとってはいいことでしょう。ですので、このトレンドに決して反対するものではありませんが、この価格は今後景気と共にどうなるのかな、ということが気になり、また、ふと、ジェラルド・ジェンタ氏のことを思い出したので、ちょっと書いておこうかな、と。
ご存知のように、ジェンタ氏はご自分のブランドも持っていましたが、その前に、70年代にいくつもの「名作」をデザインしています。読者の皆さんは皆さんご存知の方も多いとは思いますが、例えば:
ご存知、今や大人気の パテックフィリップ ノーチラス
私は持っていませんが、保有されている方に写真をいただきました。
こんなのもありましたね。3711です。総WGでして、重かったのなんのって。手首に悪いんで、さっさとさよならしてしまいましたな・・・。
そしてこちらも今でも大人気の オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク 5402ST
八角形で攻めてますね。クラスプが「AP」だけのもあれば、「Audemars Piguet」と二行に書かれているものもありますね。このタイプ、開き方が小さく、手を通すときに結構きついですが、裏がガラスでないので時計自体を薄くすることができて、腕の細い私にとってはラグのカーブと手首との間がそれほどあかないのでこちらの方がピッタリ来ます。15202では私の手首はちょっと不格好かな、と。
(* ご指摘をいただきました。以下の222は、ジェンタ氏の影響を受けたとはいえ、デザイン自体はヨルク・イゼック氏でした。あいまいな記憶から間違ったことを書いてしまい、大変失礼いたしました。訂正し、お詫び申し上げます。
そして、ヴァシュロン・コンスタンタンの222
懇意にしている中古業者のウェブサイトから写真を借りてきました。
ブレスレットの特徴はジェンタさんですね。これはどうしても手に入りませんでした。。。今でも中古でたまに出たりしますがすでに手の届かない値段になってしまったので・・・。)
そして、IWC インジュニア SL 1832
これも、やはりジェンタ氏、ですよね。これは耐磁性が高く、そのためかずっしりと重く頑丈な感じでした。ダイヤルカラーはこれ以外にもあったようですが、やはりきれいなダイヤルですね。これもがっしり感がすごいいい時計でした。
そして、意外と皆さん知らないかも、がこちら。
オメガ コンステレーション C ライン
これは、今までのとはちょっと違いますが、これもジェンタ氏のデザインで間違いありません。このギザギザのベゼルの部分だけWGです。
最後は、意外と知ってる方は少なそうで多いかも、です。
セイコー クレドール ”ロコモーティブ” GKEH018
これは六角形ですね。そのせいか、やや女性っぽい感じのするデザインですが、ブレスレットはやはりジェンタ氏ですね。ちなみに、クォーツです。クラスプがロイヤルオークと逆に開くタイプでした。きれいなダイヤルですね。たまーに中古市場で出てきます。出てくるたびに上がってますね。ブレスレットと一体型 = ラグスポ?
なぜ、ジェンタ氏のことを思い出したか。この当時、時計のデザイナーは今よりも地位が低く、デザインしたときにちょっとだけお金をもらう、というようなお仕事だったようです。ですので、デザイナーも似たようなデザインを数十分で作っておしまい、みたいな感じだったようです。確かに、ジェンタ氏のデザインはみんな(オメガを除いて)似ていると言えば似ていますね。今でこそジェンタ氏デザインの時計は中古価格も相当上がっていますが、当時はジェンタ氏の仕事はそんなに感謝されるでもなく、安い仕事だったんだなあ、と。要するに時代が変わると、モノの価値も変わるんだなあ、と、今値段が上がっているブランドや時計たちの将来を考えてしまったわけです。ま、ファッションですしね。英語での「ファッション」とは、「流行り」という意味ですから。
そして、時代は流れ、ジェンタ氏のブランドは、LVMHグループに買収されます。ブルガリの一部となり、その名前はなくなり、ブルガリのモデルにジェンタ氏の影響を見ることができる程度になってしまいました。時代の流れ、資本の論理、いろいろと呼び方はあるでしょう。しかし、時計の歴史にこんなにも大きな影響を与えたジェンタ氏の名前を消し去ってしまうという厳しい業界。歴史とはやはり勝者が書きかえるものなのか? 現代の時計に対する価値観は今後どうなるのか? などと思う秋の夜長でありました。たまには、コレクションボックスを見ながら、お持ちの時計の歴史と、それからそれらの将来に思いを巡らすのもいいのではないでしょうか。
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