バーゼルワールドからのコメント~パテック・フィリップ、ロレックスら主要出展者5社の離脱に対して

 By : KITAMURA(a-ls)


パテック・フィリップ、ロレックス、チューダー、ショパール、シャネルという、影響力を持つ5つのスイス・ブランドがバーゼルワールドを離れ、FHHと連動してジュネーヴで新たな展示会の開催を目指すという驚きのニュースに対し、バーゼルワールド側(運営母体であるMCHグループ)が、「MCH GROUP IS SURPRISED AT THE STATEMENTS MADE REGARDING THE BASELWORLD CANCELLATIONS」と題した、以下の正式コメントを発表した。



MCHグループはバーゼルワールドのキャンセルに関して行われた声明に驚いています

MCHグループがバーゼルワールドの主要な出展者のキャンセルをお知らせすることは、大きな驚きであると同時に非常な遺憾であります。
バーゼルワールド2020のやむを得ない延期のための新しい日程は、主要な出展者と共同で決定されました。その目的は、Covid-19関連の(行政政府の)措置を受けて、業界にとって可能な限り早く、かつ最良の日取りを見つけることでした。
現在「移行」を表明しているーロレックスを含む―企業は、2021年1月への延期を支持していました。
これらの企業は出展者委員会にも参加しており、バーゼルワールドの将来的ビジョンについて、折に触れ何度も議論もし、そこでは積極的な反応を示してくれていましたし、数えることができないくらい多くの(5社との)個別のディスカッションにおいても、それは明らかに同様でした。
また、ジュネーブへの移転の意向については、これまで一度も言及されたことがありません。したがって、MCHグループは、関連する計画は以前から準備されていたものであり、現在議論されているバーゼルワールド2020の出展解約に対する資金的な取り決めをめぐる議論はその論点として持ち出されたと結論付けざるを得ません。

昨年MCHグループは出展者(社)、特に時計、宝飾、宝石、サプライヤー業界の中小規模の出展者から寄せられた好意的で支持的なフィードバックを基に、バーゼルワールドのさらなる発展とデジタルプラットフォームの構築に多額の投資を行うことを決定しました。
MCHグループは、物理的なプラットフォームに加えて、年間を通じてコミュニティとのつながりを維持しなければならないと確信しています。これまで以上に、伝統に頼らず、何よりも革新性を重視するブランドのために、時計・宝飾業界における現代的なプラットフォームを開発する機会があると考えています。
今後数週間のうちに、MCHグループは、バーゼルワールドの継続と長期的な発展に向けた投資を決定する予定です。
※( )内の註釈は執筆側による補足。


以上のようにバーセルワールド側は、5社の離脱は寝耳に水の出来事であったことを明らかにし、そのキャンセルを前提としたうえで、数週間内に新たな投資を含む対応策を発表するとしている。