ローマン・ゴティエ: ロジカル・ワン ユニークピース & インサイト上陸!

 By : KIH
先日当サイトで参加者を募集させていただきました、「ローマン・ゴティエさんと集う会」には多くのお申し込みをいただきありがとうございました。いらしていただいた皆様のおかげで大変盛り上がり、二度と見ることができない、「ユニークピース」のロジカル・ワンと、今年のバーゼルで発表されました新作、初めての自動巻きモデル、INSIGHT(インサイト)もやって来ました。

まずは、二度とお目にかかれないロジカル・ワンのユニークピースをご覧ください!


よく見ると、「1/1」となっています。ユニークピースですね!


どこがユニークなのか? 素材はわからないと思いますが、その他のデザインは、以下に別バージョンを載せていますので、比べてみてください。
1.ステンレススティールケース: ローマン・ゴティエは、貴金属ケースにこだわり続けてきました。しかし、オーナーからの熱心な依頼と、真摯な態度(すなわち、すぐに転売したりしないだろう、という信頼感)に負けて、何年もかけて頼み続け、スイスにまで出かけて行って頼みこんでようやく聞いてくれたお願いでした。
2.ローマ数字インデックスが、伝統的なポケットウォッチのようになっている。ベースモデルはアラビア数字ですし、ローマ数字のダイヤルのモデルも、3時が縦向きだったり、4時がIVだったり、ややモダンな感じです。
3.針が、ダフネ針で先端が手曲げしてある。これはオーナーがこだわった点です。そして、分針の先は、文字盤インデックスのドットをピタっと指します。

オーナーは、エンジニアリングにも造詣が深く、デザインをご自分でCADで作られたりして、ゴティエさんも感心していました。そして、このユニークピースの打ち合わせの時にはいつも、あのフィリップ・デュフォー氏がゴティエ氏の隣に座っていたそうです! フィリップ・デュフォー氏が弟子というか、息子のように可愛がっているゴティエ氏。その手作りの完成度はやはりスイス時計作りの伝統を守っています。

私は思わず、「ほんとにステンレスケースはこれ1つなんだよね?」と聞きました。するとゴティエさんは「違うよ」と! なんと! 私とオーナーは「へっ?」。すると、ゴティエさんは笑いながら「もちろん、時計になっているのはこれ1つだよ。だけで、ケースはこの時計がもし落としたりしてケースが直せないくらいの状況になったら、ケースごと変えなきゃならなくなるでしょ。だから、常にスペアとしてもう1つ持っているんだ。」と説明してくれました。さすがです。安心ですね!


では、他のバージョンを見てみましょう。





文字盤と針が違うのがわかりましたか?
これらは、どちらもチタン。すごく軽くスポーティーな感じです。


そして、今年の新作であるINSIGHTがこちらです。ゴティエさんは、ずっと手巻き(というかHMやHMSモデルは時計の裏側にリューズの代わりのものがついていてそれを回して巻いていて、ロジカル・ワンでは左側のボタンを押して巻くタイプ)にこだわっていました。自動巻も作りたいと思っていたのですが、いいデザインが思い浮かばない。しかし、このハーフローターを左に、そして香箱の1つを右に、もう1つの香箱を下に、という配置にした結果、デザイン的に、前からはすっきり、後ろからは意外と複雑な機構になりましたが、分厚くなることなく、完成したのがこちらです。

プラチナモデル
ユニークピース ロジカル・ワンと似ていますが、文字盤のローマ数字が違うのがわかりますね。こちらは3時が縦になっています。そして、リューズはいつもの2時位置に。これも手首にはめた時の装着感のためのこだわりです。

前から見ると、真ん中に一直線にデザインされています。




ブリッジの面取りと磨きが、この角度の曲がり方をされると、機械では絶対にできません。




レッドゴールド
向かって左側にあるマイクロローター、ベアリングなぞ使っておりません。ルビーです。自動巻のベアリング音が嫌だったから、とのこと。さすがです。そして、ローターの巻き上げは両方向。ローターが回る時には、ローターからのパワーを伝達する歯車が2つ用意してあって、ローターが時計回りをするとき、反時計回りをするとき、それぞれの時に、どちらかの歯車がパワーを香箱に伝える次の歯車にはまり込む設計になっています。表からは本当にすっきりとしたデザイン。この「空間」はわざと広めに作りフロスト仕上げにして、マットに磨いたブリッジとの対照性を利用し、立体的に見せるために、とのこと。


そして、後ろ側は結構複雑に細かい部品が配置され、大きめのブリッジで隠されています。そしてそのブリッジの仕上げは先ほどもお伝えした通り、手磨きで仕上げられています。美しい。


そして、こんなところにも細かい工夫が。



気が付きましたか? 前面のサファイアクリスタルの表面が微妙に傾いています。正確には、腕にはめたときに、こちら側に傾いているのです。なぜか?



腕につけて見た時に、少しでも傾いたままでも文字盤・時刻がわかるように、なんです。すごい気配り。


そして、ちょっとキラキラ版がこちら。



こちらは奥様にでもいかがでしょう?




ご自分の哲学から、ロジカル・ワン、そしてインサイトへの進化をレクチャーしてくださった、ゴティエさん。



「時計を買ってくれた人たちとはみな家族のような信頼関係で結ばれる」と語ってくれたゴティエさん、本当にありがとうございました! 


そして、最後にオーナーの手首に輝く、夢のようなユニークピースをお届けいたします。公開に同意していただき、ありがとうございました!




ため息がでるような素晴らしいユニークピース、おめでとうございます!


そして、お集まりいただいた皆様、ありがとうございました。今後もこのようなイベントをやっていきたいと思いますので、奮ってご参加ください! 


ローマン・ゴティエ お問い合わせ先:
スイス・プライム・ブランズ 03-4360-8669