ユリス・ナルダン - 持続可能な社会へ ~ 漁網をリサイクルした初のストラップを開発: R-ストラップ

 From : ULYSSE NARDIN (ユリス・ナルダン )

海から腕へ:リサイクルしよう

ユリス・ナルダン
漁網をリサイクルした初のストラップを開発:
Rストラップ



ユリス・ナルダンは、プラスチックによる海洋汚染に警鐘を鳴らして漁網をアップサイクルし、ダイバーやマリーンコレクションに使える新しいストラップとして再利用することにより、循環型経済に貢献します。


2020年10月21日、ル・ロックル – 持続可能なラグジュアリーと海洋環境の保護への取り組みを確実に実行するため、時計マニュファクチュールであるユリス・ナルダンは漁網をリサイクルした初のストラップを製造し、スイマーで冒険家でもあるベン・ルコントによる海洋汚染の警告に対する意識を促すことを決定しました。最も新しいアンバサダーとして、ベンを「ユリシーズ」ファミリーに迎えることができることは、当社の誇りです。

毎年900万トンものプラスチックが海に流されています。ベン・ルコントはその状況を最前線で目の当たりにしています。「私はプラスチックが海洋環境に与える影響を見てきました。最も小さな生物から最も大きな生物にいたるまで、そのすべてに影響を及ぼしているのです。」ベンは述べました。


          

1998年、ベンは史上初めてビート板を使用せず太西洋横断を成し遂げた人物で、この挑戦はがん研究の資金集めのために行われました。それから20年後の2018年に彼は太平洋横断に挑みました。ところが1,500海里を超え海上で過ごす日々の6カ月目に、彼に伴走したボートに問題が生じたために挑戦を断念しなければなりませんでした。その冒険は終了したものの、彼には海洋汚染に対する恐怖のような気持ちが残ったのです。鯨、イルカ、アホウドリ、美しい海洋生物、そして壮大な自然の力を肌で感じるという忘れがたい165日が過ぎてベンの印象に残ったのは、日々海で出会うプラスチックの量でした。
私はこの壮大でありつつも許しがたい光景に圧倒される思いでした。スポーツとしての挑戦がもはや私にとって目標にはならないことが、このときはっきりとわかったのです。汚染についての意識を高めるという使命が、はるかに重要となりました。

2019年、彼はプラスチックが漂う太平洋の渦への途方もない遠泳に再度出発したのです。1997年にヨットマンのチャールズ・ムーアが発見した「太平洋ゴミベルト」は、海流が渦巻きゴミが集積する領域です。

ゴミに乗ってさまよう小さなカニが、避難しようと浮遊するプラスチックを残して私のところに登ってきました。カニたちはこのプラスチックによって、海岸から遠く離れたこの場所まで運ばれてきたのです。」ベンは渦の中心を泳いでいる時、私たちの日常生活で使用する物を含め1分で3個のプラスチックを見つけました。そのほとんどがボトルのキャップでしたが、中には釣り道具もありました。「網は大抵ボールに絡まっていて、明らかに船外に投げ捨てられたと思われるロープで一つにまとまっています。」廃棄された網によって、毎年約10万頭もの鯨やイルカ、アシカ、アザラシ、カメが死んでいます。

大きな塊に直面する時には、ある種の複雑な心境を覚えます。海の生き物たちが私をそこへ導いてくれるからです。彼らには恐れがなく、それ自体はエキサイティングなことです。


プラスチックは完全に分解することはありません。極めて細かな粒子になるまで小さくなりますが、害を及ぼす可能性が高まります。「私は果てしなく続く大量の紙吹雪のようなものを見つけました。マイクロプラスチックが集積しているところを泳ぐことは、まるで吹雪の中を渡るかのようです。実際この薄片は何百万ものプラスチック粒子なのです。これは大問題だと感じ動揺しました。

「渦を泳ぐ」というこの使命を遂行する間、ベン・ルコントは300海里以上を泳ぎ、毎年3億トン以上も製造されるプラスチックについて警鐘を鳴らしました。彼はプラスチックによる汚染を根本から減らす必要があると確信しています。

ベンのメッセージに応えるため、ユリス・ナルダンは漁網を完全にリサイクルした革新的なポリアミドの糸を採用し、新しいリストストラップを作り上げました。「マリーン トルピユール」、「ダイバー 44mm」、「ダイバー 42mm」、「ダイバー クロノグラフ」、「フリークX」に着けることができます。このストラップはユリス・ナルダン初の100%の防水キャンバス製で、ベン・ルコントが誇りを持ってアンバサダーを務めます。エッジの編み込みは頑丈な造りで、ほつれを防ぎ摩耗に耐えるようになっています(マーチンデール摩耗試験)。(100%漁網製の)YTT 糸を供給するJTTi(企業)による押し出し成形の前に染色を行うことにより、ブラックカラーは均一になり製造中に水を使用しないという、環境保護における大きなメリットも得られます。

ジュエリーウォッチに海用の網を再利用することはユニークであり、素晴らしいコンビネーションと言えます。」と、ベンは熱く語ります。


ユリス・ナルダンは海洋環境に極めて身近な存在であり、私は人々が長年にわたって使用してきたウォッチがどう進化を遂げるのかを興味深く見守りたいと思います。ビジネス全体は変化し、より循環型のモデルで新しい状況や需要に対応しつつあります。この循環型経済の取り組みを高級品に採用するは極めてユニークなことです。この時計のためにプラスチックが新たに製造されることはありません。なぜなら既存のプラスチックが使用されているからです。海中ではプラスチックは汚染物質です。私の手首ではそれは強力な道具となります。

海を泳いで横断する際、また果てしなく続くように思われるごみやくずの渦を冒険する際、ベンにとって時間は最も重要なものとなります。したがって、時計メーカーとの協働は彼にとって一層意味のあることと言えます。というのも彼と時間との関係は、彼が泳ぐ時により際立つからです。「私の心と体は分かれています。体は自動操縦モードで泳いでいます。私は泳ぐ時、時間を圧縮します。時間は分になり、分は秒になります。私は呼吸、心臓、そしてその鼓動に集中します。数時間泳いでいる間私は我に返り、そのたびにその時間をビジュアル化します。そしてその必要を感じれば時計を見て、その時刻を頼りに泳ぎを続けるのです。

1846年にマリンクロノメーターを制作したユリス・ナルダンは、海の世界との深いつながりを築きました。今もなおその歴史的価値を強く継承するユリス・ナルダンが海や海洋生物の保護に向けて、持続可能性に対する取り組みに焦点を当てるのは当然のことです。


驚きの事実

• 毎年、900万トンのプラスチックが海に流されています(科学)
• 1年間に3億5千万トンのプラスチックが製造されています(UNO)
• 1990年代以降に流されたプラスチックのほとんどが、まだ分解を始めていません(科学報告書)
• 毎年、64万トンの漁網が紛失あるいは廃棄されています(UNO)
• 太平洋の渦で見つかったプラスチックの46%が漁網からもたらされたものです(UNO)
• 廃棄された網によって、毎年約10万頭の鯨、イルカ、アシカ、アザラシ、カメが死んでいます(世界動物保護協会)
• この文章を読んでいる間に、80トンのプラスチックが海に流されることになるでしょう



付録

「ベンのがらくた」という名のユーモラスな連続写真では、彼は裸になって水中でプラスチックの日用製品に囲まれています。彼は「プラスチックの下は、まるで水族館のようだ」と述べています。

   

   



Rストラップ動画





技術仕様



素材 :
100%リサイクルした漁網
100% メイド・イン・フランス(ブレスト、マルセイユ)
ポリアミド、YTT

色: ブラック

メタル部品: チタン

開閉方法: ヴェルクロ式

防水: 100%

縫い目: ブラック同色

取付可能モデル:
 マリーン トルピユール
 ダイバー44㎜
 ダイバー42㎜
 ダイバー クロノグラフ
 Freak X

サイズ: S, M, L, XL

サイズ詳細: S (腕回り 140mmから160mm)
M (腕回り 155mmから175mm)
L (wrist size 腕回り170mm から 190mm)
XL (腕回り 185mm から 205mm)












ベン(ブノワ)・ルコント


「海の健康度」を測定し、科学の進歩に貢献するために太平洋を横断するギネス世界記録を持つ英雄的アスリート

次世代への教育的目的で太平洋ゴミベルトに漂流するプラスチックの量を計測するために、
ルコントは危険を恐れず330海里を超える距離を遊泳。

2019年、フランス生まれのマラソンアスリートであったベンことブノワ・ルコントは、世界で初めて太平洋ゴミベルトの330海里を超える距離を80日間かけて泳ぎ、このチャレンジは2020年ギネスブック世界記録として記録されました。これは、データとサンプルの収集を行う市民科学者のクルーが搭乗するヨット「アイ・アム・オーシャン」が伴走し、ルコントの使命は太平洋ゴミベルトを浮遊するプラスチックの量・種類だけでなく、そのプラチックがエコシステムに与える影響を分析するためでした。

2018年には、悪化していく海の状況に関心を集めるため、また活動を共にする科学者たちにとって重要な指標となる貴重なデータとサンプルを収集するために、ベンは東京からアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコまで泳ぐ姿を公開する試みにも挑戦しました。

ルコントの英雄叙事詩的な奮闘は、『The Swim』というタイトルの一連のショートムービーとして記録されました。 ルコントは一日のうち決まって8時間を水中で過ごし、それにより宇宙に滞在する宇宙飛行士と同様の身体への影響を数多く体験しました。科学者チームは彼の身体機能の進捗状況を逐次モニターし、広範囲にわたる心臓血管活動が人間の外観に影響を及ぼす過程を調査するまたとない機会となりました。無重力の環境で生活することによる長期的な影響を解明する大変貴重な情報です。

また、ルコントと彼のクルーは海中の鯨やイルカが発する音声を3,000時間にわたり録音し、太平洋に浮かぶ1.8トンのプラスティック汚染と同様、海洋世界での人間による「騒音公害」の影響を取り除く対策を研究しています。

ルコントが泳いだ距離は、洋上に滞在した165日間で1,500海里にも及びました。この冒険は、伴走したヨットが嵐の際に受けた損傷が原因で途中で断念する結果となりました。

ルコントは、これまで常識を越えたチャレンジを自身に課してきました。彼は世界で初めて、キックボードを使わずに泳いで大西洋横断に成功しました。この挑戦はがんの研究の資金を募るために行ったもので、ルコントは水中の冒険に挑む際には明確な目標を持っているのです。

まず何よりも私は一人の父親であり、父親として自分の子供達の将来を憂慮せざるを得ないのです。なぜなら皆さんご存じのように、現在の私達の生活スタイルは持続可能ではないからです。自然環境と自分たちのエコロジカル・フットプリントをより良い形で守り、日常に適度な変化をもたらし、他人にもその輪を広げていく方法を見つけることができれば、誰もがより良い明日をつくっていくことができるのです。

ルコントは1967年フランスに生まれました。国際水泳殿堂(IMSHOF)入りの候補で今はギネス世界記録保持者であるルコントは、海、自身の子供達、そして次世代への代弁者としてその情熱を傾けています。





ユリス・ナルダンについて - 自由を尊ぶマニュファクチュール

ユリス・ナルダンは海の世界からインスピレーションを得て、自由な精神を尊ぶ方々のために革新的なタイムピースを製作する先駆的なマニュファクチュールです。
1846年に自身の工房を創業。2014年11月からは世界的なラグジュアリーグループ、ケリングの一員として名を連ねています。ユリス・ナルダンは高級時計の歴史にいくつもの優れた功績を残しており、極めて早い時期から海の世界とのつながりで名を馳せていました。当時制作したマリンクロノメーターはこれまで作られたものの中でも最も信頼性が高く、現在でも世界中のコレクターたちから求められる製品です。最先端技術のパイオニアであり、シリコンなどの革新的な素材を積極的に利用するユリス・ナルダンは、自社で高精度部品およびムーブメントを製造できる技術力を備えた数少ない時計ブランドの1つです。このたぐい稀なる時計製造レベルの卓越性によって、ユリス・ナルダンはスイス時計製造業の中でも最も権威ある団体、高級時計財団(FHH)のメンバーに選ばれています。現在スイスのル・ロックルおよびラ・ショー・ド・フォンに工場を構えるユリス・ナルダンは、マリーン、ダイバー、クラシコ、エグゼクティブ、フリークの5つのコレクションで高級時計製造を探求し続けています。2020年、ユリス・ナルダンはXtreames(極限の)eXplores(探求で)時計にX-factor(未知の要素)を導入しています。www.ulysse-nardin.com

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ユリス・ナルダンと持続可能な開発目標

ユリス・ナルダンの環境に対する取り組みは、国連のガイドラインおよび同機関が定めた17の「持続可能な開発目標(SDG)」に従っており、この目標は2030年までに達成されるよう定められています。ユリス・ナルダンが、その主要分野である海の世界に焦点を当てるのは当然の流れであり、SDG 14への取り組みに注力することにしました。SDG 14には、海の持続可能な管理を実現するために優先して行うべき行動が定められています。

ユリス・ナルダンは漁網などのプラスチックごみ問題に対する新たな解決策を見出すとともに、科学者や海中環境の問題に警鐘を鳴らしてくれる人々を支援することにより、SDG 14における2つの優先事項、すなわち海洋汚染の削減と海洋学に関するさらに深い知識の獲得に取り組んでいます。世界は「国連持続可能な開発のための海洋科学の10年」(2021~2030年)に突入しました。この10年間は海に注力して海洋汚染問題に対して取り組み、積極的に関与する絶好の機会と言えます。