ユリス・ナルダンが世界最軽量の機械式ダイバーズウォッチDIVER[AIR] ~時計ヘッド部分は46g以下
From : ULYSSE NARDIN (ユリス・ナルダン )DIVER[AIR]~世界最軽量の機械式ダイバーズウォッチ
スイスの独立系時計マニュファクチュールであるユリス・ナルダンにとって、限界とは常に打ち破るべきものなのです。我々は秘められていた時計製造の可能性を実現し、新たなる挑戦に挑みました。それが、世界最軽量の機械式ダイバーズウォッチ「Diver [AIR](ダイバー エアー)」です。
“IF IT’S POSSIBLE, IT’S DONE. IF IT’S IMPOSSIBLE, IT WILL BE DONE.”[PAUL-DAVID NARDIN)
ハイテクノロジーでハイパフォーマンスな時計製造術
最初のダイバーズウォッチは1950年代に遡り、今日となっては革新性、技術的創造性、性能の面で、もはや可能性の限界に達してしまっていると思われる方もいるかもしれません。
しかし、限界に挑戦することがあなたのDNAの一部であったらどうでしょうか。
ハイホロロジー。ハイテクノロジー。ハイパフォーマンス。
これらは、ダイバー エアーを物語る3つの特長です。すでに強烈な印象を放つ3つの強みが、この度、史上初めて1つにまとめられました。ダイバー エアーは、不可能を可能にした時計なのです。

「可能なことは、もちろん実現する。不可能なことも、必ず成し遂げるだろう。」ポール=ダヴィッド・ナルダン、1876
HIGH HOROLOGY~スケルトンウォッチとスポーツウォッチのハイブリッド
ユリス・ナルダンは、他の時計メーカーに先駆けて早くからダイビングシーンに参入し、1893年にブランド初の防水計器、1964年にブランド初のダイバーズウォッチ、そして2001年には永久カレンダーを搭載し、200メートル防水の世界初にして唯一のダイバーズモデルであるアクア・パーペチュアルを世に送り出しました。
さらに、2021年、ユリス・ナルダンはダイバーズウォッチにスケルトン構造を組み合わせることで業界に革命をもたらしたタイムピース、ダイバーXスケルトンを発表しました。実際、今日では多くのコレクターが、衝撃に耐えられる頑丈な日常使いの時計としてダイバーズウォッチを購入し、また、大切に身につける貴重な宝石として高級時計をコレクションに加えることもあります。ユリス・ナルダンは両方の最高の要素をシームレスに兼ね備える時計を構想しました。

画期的な躍進を遂げてもなお、栄誉にあぐらをかくことなく前進し続けるのがユリス・ナルダンです。究極のスポーツウォッチを実現するには、さらに改良の余地もありました。より強く、より洗練され、そして何よりも軽量でなければなりません。
極限の環境にも耐えるよう設計されたスケルトン構造のスポーツウォッチ「ダイバー エアー」をご紹介します。従来の半分の重量まで軽量化を実現したのです。
HIGH PERFORMANCE~世界最軽量の機械式ダイバーズウォッチ
参考までに、2019年に発売されたユリス・ナルダンのダイバー44mmの重量は120.5gで、丈夫で堅牢なダイバーズウォッチとしては想定内の重さです。2021年のダイバーXスケルトンは、その重量を15gも削減し、総重量は105.8gとなっています。スケルトンキャリバーの内部にどれほどの余白があるかを考慮すると、軽量化がいかに困難な課題であるかがわかります。
それでも、ダイバー エアーは、ダイバー 44mmから68.6gもの重量を削減することに成功し、ダイバーXスケルトンの半分以下の重量を実現しています。これは、率直に言って、非現実的と思えるほどです。
その方法をみていきましょう。
ダイバーXスケルトンのUN-372 ムーブメントを基盤として、全体的に再設計し、ユリス・ナルダンの新しい革新的なハイテクキャリバーUN-374を開発しました。ストラップ込みでわずか52g、ストラップを外すと46gというダイバー エアーの驚異的な軽さを実現するために、ダイバーXスケルトンのキャリバーから素材を取り除く必要がありました。その一方で、時計の信頼性と性能は妥協することなく維持しなければなりません。
そのために、ユリス・ナルダンのデザイナーたちはムーブメントの素材を削り、その一方で、なんとかしてさらに強固なものにしようと努めました。より堅牢でなければなりません。質量が減るにつれ、残った部分も再構成され、構造にさらなる弾力性がもたらされました。これは、細長いブリッジを使用して三角形を形成することで実現しました。三角形は、曲げやゆがみに抵抗するために、工学や建築分野で見られる堅固な形状です。この技術は、ユリス・ナルダンが最初のスケルトンウォッチを製作して以来、30年以上にわたって培ってきたものです。
時計内部の空間は80%が空気で、素材(時計のムーブメント)はわずか20%であるにもかかわらず、高度にスケルトナイズされたキャリバーUN-374は、5,000gという強烈な衝撃にも耐えることができます。また、一般的な衝撃や振動に対する耐久性もテストされ、数日間にわたって数千の衝撃を繰り返し、ラボ内だけにとどまらず、実際の環境下でも性能が試され、ユリス・ナルダンの名にふさわしい時計であることが証明されました。
新しいキャリバーをよく見ると、ユリス・ナルダンが性能を妥協することなく、いかにして大幅な軽量を実現したかが分かります。ブリッジは幅がわずか数ミリで、さらなる軽量化を実現するために空洞になっており、一方、巻き上げローターは必要最小限のサイズに抑えられています。動力を蓄える主ゼンマイの香箱は、トップブリッジの重量を減らすためにフライング構造に再設計されました。さらに軽量化を図るため、香箱自体の素材も取り除かれ、キャリバーの総重量はわずか7gという、すでに軽量であったダイバーXスケルトンムーブメントの半分以下の重さまで減少しました。いくつかの部品も再設計され、最適なパフォーマンスを実現するだけでなく、全体の魅力を向上させる視覚的なバランスも追求されています。結局のところ、性能と同じくらい見た目も魅力的な時計を好まない人はいないでしょう。
なぜユリス・ナルダンがダイバー エアーから自動巻き機構を取り除いてさらなる軽量化を図らなかったのか、不思議に思われるかもしれません。その答えは、ダイバーズウォッチが満たさなければならない厳格な公式基準にあり、自動巻き機構はその必須条件のひとつだからです。さらに、キャリバーUN-374は、革新的なフライングバレルのおかげで、実に90時間のパワーリザーブを誇ります。ダイバー エアーには、快適な着け心地を追求したホワイトとオレンジの超軽量伸縮性ストラップが2本付属しており、スクラッチクロージング留め具を採用。実用性も抜群です。 これらのストラップは工具を使わずに簡単に交換でき、時計の機能性だけでなく使い勝手の良さも魅力となっています。
HIGH TECHNOLOGY~ダイバー エアー: イノベーションラボ
最も軽い機械式ダイバーズウォッチを製作するには、金属を取り除くだけでは十分ではありません。これを実現するために、ユリス・ナルダンは元素周期表に目を向け、ハイテク素材に関する20年以上の専門知識を活かし、キャリバーUN-374を前人未到の超軽量領域まで押し上げました。
次世代素材
一般的に、時計のムーブメントは真鍮から作られており、その密度は8.7g/cm³と比較的重量があります。アルミニウムは2.7g/cm³と軽量ですが、柔らかいため、時計のムーブメントの厳しい要求には適していません。チタンは4.5g/cm³で、スティールよりも45%も強度があるという点でバランスが取れていますが、加工が非常に難しいことで知られています。また、製造中に発火する傾向があり、非常に慎重かつ時間をかけて加工する必要があるため、時計のムーブメントにはほとんど使用されていません。こうした課題があるにもかかわらず、ユリス・ナルダンは耐久性と軽さを兼ね備えたチタンを初めて採用し、ブランドにとって画期的な革新を成し遂げました。
ユリス・ナルダンは、時計の正確な計時を担う重要部品である脱進機に、耐磁性に優れ、かつ軽量なシリコン製脱進機を採用しました。この脱進機は、標準的なテンプの半分の重量しかありません。
しかし、それはキャリバーだけではありません。新しい44mmケースも、可能な限りのグラム単位の軽量化を実現するために素材の全面的な見直しが必要でした。そこで、チタンとカーボンファイバーからなるモジュール構造が採用されました。モータースポーツや航空宇宙の最高峰で十分通用する素材であれば、ユリス・ナルダンの時計にも適しているからです。
なぜモジュールなのでしょうか? カーボンファイバーは外観が美しいだけでなく、密度が1.8g/cm³と非常に低く、スティールの4分の1以下、チタンの半分以下です。耐水性に特に優れているわけではないため、ムーブメントはチタン製のミドルケースに収められ、200mの防水性を実現しています。さらに、カーボンファイバー製のサイドパーツにより、防水性はさらに高まります。この深さでは、サファイアガラスは170kgの重量が真上からかかっているのとほぼ同じ状態に置かれます。
革新的エコシステム
ユリス・ナルダンは、チタンやカーボンファイバーのサプライヤーに頼るのではなく、さらに踏み込んで、市場のリーダー企業やスタートアップ企業とパートナーシップを結び、革新的な素材をダイバー エアープロジェクトに取り入れました。この時計製造における最先端のアプローチは、2020年にユリス・ナルダンのコンセプトウォッチ、ダイバーネットで初めて導入しました。
ダイバー エアーのムーブメントとミドルケースに使用されているチタンは、高価で希少な素材ですが、その90%にリサイクルされたものを使用しています。この主要なハイテク素材に関して、ユリス・ナルダンはチタン製造のトップ企業であるTiFast社と、自動車技術、マテリアルサービス、マリンシステムに精通し、素材、エンジニアリング、テクノロジーソリューション分野の世界的リーダーであるThyssenkrupp社と提携しました。TiFast社はまず、スイスのバイオメディカル産業からチタンを回収し、トスカーナでリサイクル処理をします。その後Thyssenkrupp社が、そのリサイクルチタンをトップクラスの技術と熱処理によって加工し、機械加工と変形特性を向上させます。
ケースのサイド部分は、60%のNylo®と40%のカーボンファイバーを独自に配合したNylo®-Foilで作られており、従来のカーボンファイバーよりもさらに軽量に仕上がっています。Nylo®は、海洋ネットから採取された素材で、フランスのリサイクル関連スタートアップ企業であるFil & Fabが供給しています。また、カーボンファイバーは、CDK Technologies社が製造した世界最速のIMOCAセーリングボートから回収され、サーキュラーエコノミーに尽力するExtracthive社によって、元の繊維の状態まで丹念にリサイクルされました。その後、Nylo®とカーボンファイバーは、Lavoisier Composites社によって加工され、Nylo®-Foilとして知られるハイテク素材が生まれます。
発光ベゼルインサートは、IMOCAヨットの炭素繊維を100%アップサイクルしたCarbonFoilから鍛造され、大理石のようなパターンに刻み、圧縮されます。
最後に、脱進機はSigatec社が供給するアップサイクルされたシリコンウェハーから製造されており、この革新的なアプローチの重要な役割を担っています。

1. サイドパーツ:Nylo®-Foil
60%リサイクル漁網Nylo®
40%アップサイクルカーボンファイバー
2. ベゼル:CarbonFoil
100%アップサイクルカーボンファイバー
3. ブリッジ&メインプレート
90%リサイクルチタン
4. 脱進機
アップサイクルシリコンウェハー
5. ミドルケース
90%リサイクルチタン
【技術仕様】
ダイバー エアー
Diver [AIR]
品番:3743-170-2A/0A
価格:6,006,000円(税込)

ムーブメント&機能
・新マニュファクチュールキャリバーUN-374
・スケルトン自動巻きムーブメント
・時、分、秒
・自動巻きシステム
・オープンバレル
・90%リサイクルチタン製ブリッジとメインプレート(Thyssenkrupp社とTiFast社)
・シリコン製特大テンプとヒゲゼンマイ
・アップサイクルシリコン製ガンギ車とアンクル
・部品数199 / 石数21
・振動数3 Hz / 21,600 V/H
ケース
・径44 mm/厚 14.7 mm
・ミドルケース: 90%リサイクルチタン(Thyssenkrupp社とTiFast社)
・サイドパーツ: Nylo®-Foil (Fil & Fab社製のリサイクル漁網Nylo®を60%
・CDK Technologies社製のアップサイクルカーボンファイバーを40%配合)
・コンケーブ回転ベゼル: CarbonFoil (CDK Technologies社製のアップサイクルカーボンファイバー100%) とドーム型サファイアガラス
・ケースバック:90%リサイクルチタン(Thyssenkrupp社とTiFast社)
・チタン製オープンミネラルガラスケースバック
・防水性:200 m
文字盤
・ミニマルスケルトンダイヤル
・ホワイトのスーパールミノバ® を塗布したブラックのインデックスと針
ストラップ:ダイバー エアーには、2本の交換可能なストラップが付属しています:
・オレンジの伸縮性ファブリックストラップ (スクラッチクロージング式)
・ホワイトの伸縮性ファブリックストラップ (スクラッチクロージング式)
・Rストラップおよびラバーストラップと互換性あり
重量
・ダイバー エアーの重さは52g以下
・時計のヘッド部分の重さは46g以下
・ストラップの重さは6g以下
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[ULYSSE NARDIN]
1846年創業の時計師と職人からなるスイスのメゾン、ユリス・ナルダンは、その大胆で型破りなデザイン、先駆的なテクノロジー、そして比類なきクラフトマンシップによって、オート・オルロジュリーの常識を打ち破ってきました。型破りな発想、先見の明、パイオニア。マニュファクチュールの創始者ユリス・ナルダンはこの3つを体現していました。
マニュファクチュールが今日も錨をおろすル・ロックルの山中で、ユリス・ナルダンは海洋探検と卓越した時計製造への情熱をかけ合わせ、世界で最も受賞歴を持つ精密なマリンクロノメーターを製作しました。
しかし、これはほんの始まりに過ぎません。
「可能なことは、もちろん実現する。不可能なことも、必ず成し遂げる」。自身もパイオニアであるポール=ダヴィッド・ナルダンのこれらの言葉は、単なる美辞ではなく父親の不朽のレガシーを反映しています。革新的な技術と画期的な素材によって時計製造の限界に新しい風を吹き込み、時計製造の常識に抗い、クリエイティブな試みと機械的な実験を組み合わせていくこと。こうした不可能の追求こそが、過去から現在までユリス・ナルダンの核心なのです。オート・オルロジュリーにおけるこの特異な表現は、2001年に発表された、文字盤もリューズも針もない最初で唯一の時計、まさに「フリーク」と名付けられたその時計に象徴されます。この革命的なアイコンは時計製造にシリコンを導入し、業界全体にわたり驚異的な精度と信頼性への道を切り開きました。この創造的な自由は、ユリス・ナルダンの職人によって支えられています。彼らは、約180年にわたり培われた自社内の機械的および芸術的ノウハウを融合しながら、彼らの技術の独自性を体現し、サステナブルな価値を守り続けています。この揺るぎない伝統は「フリーク」「ブラスト」「マリーン」「ダイバー」の4つのコレクションに息づいています。
ユリス・ナルダンは、姉妹メゾンのジラール・ペルゴとともに、初の独立系時計マニュファクチュール集団の一員として、オート・オルロジュリーの独自のビジョンで時計業界全体に新しい地平を切り開いています。
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Watches & Wondersで実機を拝見しました

限界を超えるために構造を見直したムーブメント。
強度に優れたチタンで作られています。

構造について説明する3Dプリントパーツ。
「地板」に相当する部分は外周のドーナッツ状の部分で、そこからブリッジが伸びている様子が分かります。

こちらは文字盤側、日の裏車などが収まるスペースが伺えます。

再生素材のストラップはベルクロ(マジックテープ)止めで無段階調整可能。
最近流行りを見せている方式ですが、バックルがないというのは思った以上に快適です。

12時側は固定、6時側で折り返してベルクロで止めます。
スケルトンによってむこう側が透けています。

解除状態でもスッポ抜けないように抜け止めがあり、使い勝手も考えられています。
日常的にアクティブに使えそうです。
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