ユリス・ナルダンが、海から誕生したコンセプトウォッチを通じて、ヴァンデ・グローブの開催を記念するとともに、プラスチックによる海洋汚染に取り組む

 From : ULYSSE NARDIN (ユリス・ナルダン )


 
ユリス・ナルダンが、海から誕生したコンセプトウォッチを通じて、ヴァンデ・グローブの開催を記念するとともに、プラスチックによる海洋汚染に取り組む


“How inappropriate to call this planet Earth when it is quite clearly ocean.(明らかに「海球」と呼ぶべきこの惑星を、「地球」と呼ぶのはあまりに不適当だ。)”– アーサー・C・クラーク


ダイバー ネット:海から腕へ
海に感謝のメッセージを伝えるべく、ユリス・ナルダンは、リサイクル可能な素材を海から回収する調査に全力を注ぎます。

海から腕へ。「ダイバー ネット」は革新的なソリューション、すなわち、環境への影響を抑え、極めて高いレベルで持続可能性を推進するために設計されたコンセプトウォッチです。


9回目を迎える極めて過酷な無寄港無補給世界一周ヨットレース、ヴァンデ・グローブ。
11月8日(日)、約30名の冒険家たちがスタートの地であるレ・サーブル・ドロンヌを出港します。このレースの周航距離は40,075キロメートル(21,638海里)で、4年に1度だけ開催されます。ユリス・ナルダンは、このイベントの公式タイムキーパーを務めることを誇りに思います。

ユリス・ナルダンは、1846年から比類なき信頼性を誇るマリンクロノメーターを製造し、ヴァンデ・グローブを支援することでこの伝統を継続しています。今年セイラーたちはゴールの地、レ・サーブル・ドロンヌに帰港するまで、最短でも70日間を海で過ごすことになります。この長期にわたる冒険で、海を汚染する5兆個もの浮遊プラスチック片にスキッパー達が直面することは避けられません。

ユリス・ナルダンは、私たちの海においてプラスチックによる汚染の危機が高まっていることに対し、その解決策の研究、開発に向けた取り組みを行っています。海から得られる素材の研究に専念する研究部門を立ち上げ、特に牡蠣の殻、藻類、海洋PET(プラスチックボトル)、ポリアミド製漁網の特性の研究に力を入れています。同部門は現在、今後の時計製造プロジェクトに向けて、持続可能なイノベーションのさまざまな方法を研究しています。

2020年10月、ユリス・ナルダンは新しい「R-ストラップ」を発表し、海洋循環型経済への取り組みにおける第一歩を踏み出しました。このストラップは、「ダイバー」、「マリーン」、「フリーク X」に対応するもので、プラスチックによる海洋汚染の主な原因のひとつである漁網をリサイクルした素材で製作しています。

今回、コンセプトウォッチ「ダイバー ネット」を発表することにより、その取り組みをさらに促進します。この時計の各装飾は、可能な限り環境に配慮しデザインしています。これは、本当に革新的な「アップサイクル」ウォッチであり、製作には素材を手がけるサプライヤーが鍵となりました。

「ダイバー ネット」のケース、ミドルケース、裏蓋、ベゼルの装飾については、フランスで初めて漁網リサイクル分野を創出したブルターニュの若手デザイナー3名に任せました。FIL&FABは使用されなくなった網を港から回収し、その網を耐摩擦性に非常に優れた素材であるポリアミドペレットに変えます。このパートナーは工業デザインと変成についての専門家なので、製品に細心の注意を払っています。

「設計目標の一つは、環境を破壊することなくその機能を果たすために、徹頭徹尾考え抜かれた設計対象を製作することです」と、FIL&FABの創業者3名のうちの一人であるヤン・ルブタン氏は強調します。「私たちとユリス・ナルダンとの連携は自然な流れといえます。というのは、何よりもまずブランドがユリシーズ、オデッセイ、冒険、探検、爆風、海水など海洋と深い関係にあるからです。私たちはまた、環境への負荷を減らしつつ、耐久性に優れた信頼できる製品を作りたいという熱意も共有しています。現在、私たちは環境問題に歯止めをかけることに全力を注いでおり、どのような取り組みをも過少評価してはなりません。リサイクル素材は未来に不可欠なものです。」

漁網をリサイクルしたプラスチックのサプライヤーであるFIL&FABの創業者3名のうちの一人、ヤン・ルブタン氏

「ダイバー ネット」については、関連の研究として装飾部分のデザイン変更を行いました。採用したストラップは海を浮遊していたPETプラスチックを、スイス企業TIDEが糸にしたものを使用しています。このサプライヤーは素材としてバージンプラスチックの製造をやめ、すでに存在する莫大な資源を再利用する取り組みも行っています。環境に配慮した解決策を模索する中、ユリス・ナルダンも、時計に使用するガラスを従来のサファイアガラスから、スイスのジュラ地方で機械加工された透明なセラミックガラスに変更しました。この透明なセラミックガラスは、製造時のエネルギー使用を抑えることで環境負荷を減らす目的で使用されている素材です。こうしてイノベーション部門はさまざまな解決策を評価、検証してきました。これらの解決策は他の製品にもその用途を広げる可能性があります。


「ダイバー ネット」は、環境に優しい重要なイノベーションを模索しつつも、ユリス・ナルダンの歴史ある時計製造の伝統を受け継ぐコンセプトウォッチです。実際直径44mmの時計ケース裏側からUN-118ムーブメントのシリシウム テクノロジーを見ることができます。このコンセプトダイバーズウォッチは、コンケイブ一方向回転ベゼルを搭載。こちらにもリサイクルの漁網を使用し、さらにガラスは従来のサファイアガラスではなく、透明なセラミックガラスを採用しました。ホワイトの「UN」の文字をあしらったホワイト、グレー、グリーンの文字盤には、ブランドの特徴的な機構を配置しています。アワーマーカーと針に塗布したアシッドグリーンのスーパールミノバにより、暗闇でも時刻を確認しやすくなっています。文字盤、ベゼル、リューズプロテクター、さらにリサイクルPETストラップのステッチに自然をイメージするグリーンカラーを至るところに取り入れています。文字盤は12時位置にパワーリザーブ表示、6時位置にカレンダーとスモールセコンドを備えています。

「海は常に私たちのブランドのDNAであり、探検は常に私たちの原動力です」と、ユリス・ナルダンCEO、パトリック・プルニエは強調します。「スタッフはすべてにおいて強い意志と関心を持っており、ユリス・ナルダンの環境パフォーマンスを改善する取り組みを積極的に支援しています。私たちの目的は、単に持続可能な素材を使い率先して革新を行うということではなく、たとえ高価な製品であってもお客様にリサイクル素材へのご理解をいただくことができるということを、時計業界に証明することにあります。私たちは、自分たちのイノベーションが何らかの形で「オープンソース」になることを期待しています。」



この革新的なウォッチのメッセージを伝えるため、ユリス・ナルダンは、同社の「ユリシーズ」であるマシュー・クレペルをアンバサダーとして迎えました。スノーボードの世界チャンピオン兼オリンピックのメダリストでサーファーでもある彼は、雪上も海上も本能の赴くままに滑走し、水資源の保護と地球環境の保全についての教育に取り組んでいる組織、ウォーターファミリーに大きく貢献しています。

「サーフィンをする時、浜辺や海中などでプラスチックの問題に直面します。実際海の動植物に悪影響を及ぼしています。私はリサイクル素材の使用をリードするユリス・ナルダンをサポートすることを誇りに思います。ユリス・ナルダンは、最も高品質で耐久性に優れた素材の研究の最前線に立っています。この再生プラスチックが類まれな製品に使用できる素材になるのです。これは重要なブランドステートメントです。つまり、ラグジュアリー製品の製造も、今や地球規模の配慮が必要であるということです。このウォッチのスポークスマンであることで、私は人々の環境保護に取り組む動機や意欲をさらに引き出したいと思います。これはひとつの挑戦と言えます」と、マシュー・クレペルは語りました。










マシュー・クレペルはヴァンデ・グローブの開催に先立ち、彼の活動を象徴する意味でアルプスにあるピク・デュ・ミディの頂上に氷を取りに行き、レ・サーブル・ドロンヌに持ち帰る予定です。マイクロプラスチックは今高くそびえる山の頂でも見られること、そしてそれが自然のサイクルに入ってしまったこと、つまり、マイクロプラスチックのナノ粒子が雲の中で蒸発してプラスチックの雪を降らせることを証明します。マシューの目標は、この陸と海の関係がいかに重要であるのか、さらに雪と氷がもはや純粋なものでないという事実を明らかにすることです。


マシューに加えて、もう一人のユリシーズがヴァンデ・グローブに参加します。二度目の「海のエベレスト登頂」に挑む著名なヨットマン、セバスティアン・デストレモウです。前回は、124日間に及ぶダンテの旅を経て、彼は熱烈な歓迎を受けました。「私はてっきり誰も残っていないだろうと思っていたのですが、皆そこにいて、私を声援し、拍手してくれたのです。何千人もの人々が!私はあの瞬間を一度たりとも忘れたことはありません。そこで、彼らに感謝の気持ちを伝えるため、2020年のヴァンデ・グローブに参加することにしたのです」と、セバスティアン・デストレモウは語ります。今年、彼は単胴船「メルシー(ありがとうの意味)」号に乗って出発します。

「このメルシー号は私の感謝の気持ちです。私の母親から、地球に至るまで、あらゆることへの感謝を表す、プロとしての、また地球全体に向けた、個人的なメッセージを表すものです。」彼のプロジェクトはすべて、カーボンニュートラルであり、彼は海の大冒険でもこれに挑戦する予定です。「私はこの冒険に意義と感動を与えたいのです。」この現代のユリシーズによるセーリングの新たな偉業は、感動に溢れたものになること間違いありません。長期に及ぶ冒険の間、彼は「ダイバーX ポイント・ネモ」、「ダイバーX ケープホーン」、「ダイバーX アンタークティカ」を交互に装着する予定です。 彼は、「たとえどんな嵐が襲って来ようとも、勇気を与えてくれる時計を身に付けていることが、最も重要である」 と語ります。


驚きの事実

• 海流は大きなベルトコンベアのように海を横断しており、1滴の水が元の場所に戻るのに1000年かかる(米国海洋大気庁)
• 毎年、900万トンのプラスチックが海に流されている(サイエンス)
• 毎年、3億5千万トンのプラスチックが製造されている(国連)
• 毎年、64万トンの漁網が紛失あるいは廃棄されている(国連)
• 毎年、廃棄された網によって、約10万頭の鯨、イルカ、アシカ、アザラシ、カメが死んでいる(世界動物保護協会)
• カメがポリ袋をクラゲと間違えて飲み込んでいる (Indicit)
• 80%の海鳥がプラスチックを飲み込んでいる(米国科学アカデミー紀要)
• マイクロプラスチックが高くそびえる山の頂で見られるということは、この素材が自然のサイクルに入ってしまった、つまり、マイクロプラスチックのナノ粒子が雲の中で蒸発し、プラスチックの雪を降らせることを証明している(ネイチャー ジオサイエンス)
• 1950年代以降に海に排出されたプラスチックの2/3が海岸に流れ着いており、1/3がマイクロプラスチックに分解されている(サイエンティフィック リポーツ)
• 海に浮遊している5兆個ものプラスチックの90%をマイクロプラスチックが占めている(タラ オセアン)
• 1992年に太平洋で行方不明になった積み荷のプラスチック製アヒル29,000個は、25年にわたって海洋学者の追跡調査を受け、有益な情報をもたらした(フレンドリー フローティーズ)


ヴァンデ・グローブについて
今日、ヴァンデ・グローブは単独、無支援、無寄港、無補給という条件で競う世界唯一のセーリングレースです。このレースは1968年に3つの岬(グッドホープ、ルーイン、ホーン)を経由するゴールデングローブ航路に沿って始まりました。20年後、BOCチャレンジ(経由する単独航海)を2度優勝したナビゲーターのフィリップ・ジャントが、世界中を無寄港で行うレースを発案しました。これがヴァンデ・グローブ レースの始まりです。1989年13人のセイラーが3か月にわたる初のレースを行いました。その時はたった7人だけがサーブル・ドロンヌに戻りました。
前回第8回めのレースでは「海のエベレスト」と呼ばれ、167の挑戦者がこのとてつもないレースに参加し、そのうち89隻がフィニッシュラインを超えています。この数字から、南極の凍えるほど寒く押し寄せる大波や荒れ狂う天候の下、この単独のレースがいかに難しいことかがわかります!ヴァンデ・グローブは海と自分に向き合う旅であることは間違いありません。その偉大なるセイラー達: 1990年Titouan Lamazou、1993年 Alain Gautier、1997年Christophe Auguin、2005年 Vincent Riou、2013年François Gabart、2017年は Armel LeCléac'h 。Finistère からのスキッパーはレース期間74日間という新記録を達成しました。唯一Michel Desjoyeaux だけ2001年と2009年に2度ゴールしています。第9回ヴァンデ・グローブ レースは2020年11月8日にレ・サーブル・ドロンヌを出航します。


マシュー・クレペルをフォロー
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仕様



リファレンス: 1183-170/90-PLAST

ムーブメント:
自社製UN-118 自動巻きムーブメント
シリシウム テクノロジー&ダイアモンシルを採用した脱進機

機能:
時/分/スモールセコンド
カレンダー、パワーリザーブインジケーター

パワーリザーブ: 約60時間

ケース&ミドルケース: 44 mm, 100%リサイクルした漁網

ベゼル:
100%リサイクルした漁網
コンケイブ、一方向回転式

文字盤:
ホワイトの大きなUNロゴ
インデックスにグリーンのスーパールミノバ

ガラス: 透明なドーム型セラミック

ストラップ:
ヴェルクロ式ファブリックのR-ストラップ
100%リサイクルした海から拾ったペットボトル
ブラック、グリーンステッチ

防水: 300m

価格: コンセプトウォッチのため未定






ユリス・ナルダンについて - 自由を尊ぶマニュファクチュール

ユリス・ナルダンは海の世界からインスピレーションを得て、自由な精神を尊ぶ方々のために革新的なタイムピースを製作する先駆的なマニュファクチュールです。

1846年に自身の工房を創業。2014年11月からは世界的なラグジュアリーグループ、ケリングの一員として名を連ねています。ユリス・ナルダンは高級時計の歴史にいくつもの優れた功績を残しており、極めて早い時期から海の世界とのつながりで名を馳せていました。当時制作したマリンクロノメーターはこれまで作られたものの中でも最も信頼性が高く、現在でも世界中のコレクターたちから求められる製品です。最先端技術のパイオニアであり、シリコンなどの革新的な素材を積極的に利用するユリス・ナルダンは、自社で高精度部品およびムーブメントを製造できる技術力を備えた数少ない時計ブランドの1つです。このたぐい稀なる時計製造レベルの卓越性によって、ユリス・ナルダンはスイス時計製造業の中でも最も権威ある団体、高級時計財団(FHH)のメンバーに選ばれています。現在スイスのル・ロックルおよびラ・ショー・ド・フォンに工場を構えるユリス・ナルダンは、マリーン、ダイバー、クラシコ、エグゼクティブ、フリークの5つのコレクションで高級時計製造を探求し続けています。2020年、ユリス・ナルダンはXtreames(極限の)eXplores(探求で)時計にX-factor(未知の要素)を導入しています。www.ulysse-nardin.com


ユリス・ナルダンと持続可能な開発目標

ユリス・ナルダンの環境に対する取り組みは、国連のガイドラインおよび同機関が定めた17の「持続可能な開発目標(SDG)」に従っており、この目標は2030年までに達成されるよう定められています。ユリス・ナルダンが、その主要分野である海の世界に焦点を当てるのは当然の流れであり、SDG 14への取り組みに注力することにしました。SDG 14には、海の持続可能な管理を実現するために優先して行うべき行動が定められています。

ユリス・ナルダンは漁網などのプラスチックごみ問題に対する新たな解決策を見出すとともに、科学者や海中環境の問題に警鐘を鳴らしてくれる人々を支援することにより、SDG 14における2つの優先事項、すなわち海洋汚染の削減と海洋学に関するさらに深い知識の獲得に取り組んでいます。世界は「国連持続可能な開発のための海洋科学の10年」(2021~2030年)に突入しました。この10年間は海に注力して海洋汚染問題に対して取り組み、積極的に関与する絶好の機会と言えます。


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