AKRIVIA 10TH Anniversary In 2022

 From : AKRIVIA (アクリヴィア)


AKRIVIAが10周年を迎えるにあたり、レジェップ・レジェピは、クロノメトル・コンテンポラン II (RRCC II)を発表します。数々の賞を受賞した2018年発表のクロノメトル・コンテンポラン Iに続くモデルとして、RRCC IIは全く新しいモデルでありながら、安心できる親しみやすさを兼ね備えています。
先代のスタイルを受け継いだRRCC IIは、その特徴的で、今やAKRIVIAのシグネチャーとなった美学を受け継いでいます。RRCC IIの特徴は新開発のキャリバーRRCC IIに象徴されています。



シンメトリーに構成され、ファーストエディションと同様に「高級時計」としてのスタンダードで仕上げられたRRCC IIは、3年にわたる開発の集大成です。一目でAKRIVIAのムーブメントであると判別できる一方(一目見ただけではファーストエディションと間違ってしまう方もいるかもしれません)、RRCC IIは、ハッキング機能とゼロリセット機能を誇る、独立駆動のジャンピングセコンド機構に加え、二つのバレル(香箱)と輪列を搭載しており、これらはすべてオリジナルモデルにはなかった機能です。

起源

AKRIVIAは、スイス時計製造の壮大な伝統(特にジュネーブに長く拠点を置いてきたオートオルロジュリーブランドの高級時計製造の伝統)に根差した良質な時計をプロデュースするために設立されました。その野望は、2018年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリでメンズ・ウォッチ賞を受賞した最初のクロノメトル・コンテンポラン(RRCC I)によって具体化されています。



創業者レジェップ・レジェピの長年の願望の結晶であるRRCC Iは、スイス時計製造の歴史的な過去と彼の未来へのビジョンが融合された芸術的な作品です。RRCC Iは、クラシカルなデザインと仕上げが施されていますが、現代的な装飾がさりげなく加えられています。例えば文字盤は、19世紀の高級懐中時計の文字盤の標準的な素材であるグラン・フー・エナメルですが、1930年代から1940年代にかけての伝統的な「セクター」文字盤を現代風にアレンジしたデザインが施されています。

RRCC II は、同じ原理で作られていますが、より高い次元へ昇華されています。


なじみのある文字盤


RRCC IIのフロントには、ファーストエディションの洗練された装いをそのままに、再びグラン・フー・エナメルが採用されています。
文字盤には、ローマ数字が交互に配されたチャプターリングが残されています。
ガラス質のエナメルの文字盤は、熟練した職人の手と細い絵筆で昔ながらの方法で製作され、オーブンで焼成されます。この工程を何度も繰り返すことで、本物のエナメルの特徴である光沢のある、ガラスのような滑らかさに仕上げられます。一旦完全になったら、エナメルダイヤルは研磨ペーストで包まれ、ガラスに近い滑らかな表面になるまで磨き上げられます。



忍耐が必要なのは、文字盤は凹んだスモールセコンドとメインの文字盤の2つの部品がロウ付けされているため、この工程を何度も繰り返さなければならないことです。初代から第二世代の文字盤の微妙な改良のひとつは、文字通りこの2つのパーツの間にあるのです。サブダイヤルは、文字盤のメインセクションとシームレスに結合され、秒単位を囲むゴールドの止め輪がなくなったため、サブダイヤルとメインダイヤルの一体化を実現しました。



文字盤のマークも焼成エナメルで、まず液状エナメルで印刷した後、もう一度焼成してマークを定着させています。RRCC IIを特徴づける丁寧な仕上げを踏襲し、マーキングも微妙に変更されています - アワーマーカーはより重厚なフォントで表現され、より存在感を増しています。

それぞれのケース素材は、それぞれの為に特別にデザインされた文字盤と組み合わされています。



プラチナ製ケースには、ピアノブラックの焼成エナメル文字盤が組み合わされ、光沢のある深い黒色で、すべてのマークがアイヴォリーのエナメルで描かれています。遠目には単色にしか見えないブラックの文字盤には、近くでしか見えない装飾が施されています - セコンド文字盤は手彫りのグラヴェ・グラテが施され、半透明のグレーエナメルがそれを覆っています。



ローズゴールドモデルのアイヴォリーエナメルダイヤルは、色彩的に正反対です。ほのかに半透明で、繊細な色合いのアイヴォリーの文字盤には、コントラストと視認性を高めるためにブラックのエナメルのマークが施されています。この文字盤にもまた、近くでしか見えない装飾が施されています - 針は、手作業で約800℃の熱処理が施され、豊かな紫色を呈しています。



時計を裏返すと、RRCC IIのムーブメントは一見すると、前作と同じに見えるのに、よく見ると別物のような、明晰な夢の後のデジャヴのような不思議な雰囲気を持っています。全く新しい構造を持ち、異なる機構と機能を持つこの新キャリバーは、ファーストエディションとこだまする様なデザインに慎重に考案されました。



RRCC IIのアウトラインは、アクリビアの真髄を表しています。左右対称のバレルブリッジは、2つのメインスプリングを固定し、それぞれが個別の機能を駆動します。

1つの香箱は、時計の心臓部であるテンプにエネルギーを供給し、時を刻みます。もう1つの香箱はデッドビートセコンドを駆動し、ムーブメントの精度に影響を与えることなく、秒針を1秒単位で素早く進めることを可能にします。この二重の輪列構造は斬新であり、ファーストエディションの従来のシングルの輪列とは対照的です。

JUMP、HACK、RESET

スモールセコンドダイヤルの下には、ハッキング&リセット機能を搭載しています。リュウズを引くと秒針が瞬時に12時位置に戻り、停止します。この便利な機能により、正確な時刻合わせが可能になります。秒針が瞬時に止まり、リセットされるというエレガントでシンプルな機能ですが、その複雑さには驚かされます。

リュウズを引くと、文字盤の裏側で機械的なバレエが繰り広げられます。まず、ハッキングレバーと呼ばれる長いアームがテンプの縁に触れ、振動を止め、ムーブメントを停止させます。



このレバーは秒針のブレーキにもなり、秒針をゼロリセットする最後のステップを安全に行うために、その動きを停止させるのです。
ハート型のカムとリセットハンマーによるリセット機構は、クロノグラフと全く同じものです。ハンマーが落下するとカムが回転し、カムの輪郭の最下点にハンマーがくることで秒針が12時位置に戻ります。

しかし、RRCC IIの複雑な機構は、単に知的好奇心を満たすために考案されたものではありません。

文字板下のキーレスワーク、すなわちムーブメントの巻き上げとセッティングを行う機構は、堅牢性と触感の良さを両立するよう設計され、リュウズ操作で味わうことのできる、キレのあるアクションを実現しています。

技術的な工夫



RRCC IIは、新しい複雑機構だけでなく、"クロノメトル "の称号にふさわしい、目に見えて改良されたタイムピースです。キャリバーには新設計のテンプが搭載され、円形ウェイトの代わりに調整ネジが使用されています。その結果、ファーストエディションのテンプに比べ、慣性が60%も向上しています。さらにトルクが40%向上した主ゼンマイと組み合わせることで、RRCC Ⅱは長時間にわたってより安定した計時を可能にしました。


ケース製作

RRCC IIのケースは、著名なケースメーカーのジャン・ピエール・ハグマン氏が監修する工房で、AKRIVIAが自社生産しています。それぞれケースの中央にロウ付けされたラグを含む15個のパーツで構成されるこのケースは、ファーストエディションに比べて重要かつ微妙な改良が施されています。

デザイン変更の目的は、全体的なプロポーションを完成させ、様々な要素のバランスをより調和させることでした。そのため、ケースのあらゆる面に手を加え、美観を継承しながらも全く新しいケースに仕上げています。



改良点のひとつは、サファイアクリスタルのドームがより強調されたことです。また、ファーストエディションの特徴であったラグの形状も変更されています。20世紀半ばの紳士用時計、特に著名なケースメーカーであったエミール・ヴィシェのケースをモデルに、優雅なアーチを描くラグが採用されています。RRCC IIではこのラグを細長くし、下に向かってより優雅に広げています。

細部に至るまで使いやすさを追求したケース。リューズの直径をわずかに大きくすることで、握りやすく、巻き上げやすくしています。

キャリバーRRCC II


Movement
キャリバーRRCC II、ハッキングとゼロリセット付きデッドビートセコンド機能

Technical features
RRCC IIは、二つの輪列と香箱を左右対称に配置し、デッドビートセコンド針の一貫した 正確な動きを実現する独自の構造を備えています。デッドビート、つまりジャンピングセコンドは、スターとフラーによって駆動され、独自の歯車列によって動きます。秒針が独自のエネルギー源を持つため、この構造によってムーブメントの調整器官へのエネルギー消耗がなくなり、優れたクロノメトリーが実現されるのです。

香箱のストップワーク機構は、ツインバレルに隣接して配置され、ブラックポリッシュ仕上げのバー型スプリングと一体化した爪で構成されています。この構造は、メインスプリングの過度の張力とバックラッシュを防ぐと同時に、ムーブメントの顕著な対称性を維持するために設計されたものです。

部品の製造には、旋盤や精密フライス盤などの伝統的な設備が使われ、かなりの手作業を要します。

Finishing
地板とブリッジには、環境に優しい無鉛の洋白、通称メレコルトという合金が使用されており、機能的安定性と装飾処理に最適な素材と言えます。

ムーブメントの装飾は、すべて手作業で、ジュネーブの伝統的な時計製造の最高水準で行われています。その技法は以下の通りです。コート・ド・ジュネーブ仕上げ、ペルラージュ、サーキュラー・グレイン仕上げ、内側を研磨したアングラージュ、石やネジの研磨カウンターシンク、ネジやテンプを含むブラックポリッシュ仕上げのスチール部品などです。

例えば、輪列の車輪は、スポークと内側のエッジに手作業でポリッシュ仕上げが施され、両輪列の車輪の内側に140の角度がつけられています。ムーブメントのブリッジにあるすべてのマークは、セリフ体のフォントで手作業でエングレーヴィングされています。

関連 Web Site

Akrivia
https://www.akrivia.com/



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