GPHG2018 アクリヴィア クロノメーター コンテンポラン がメンズ ウォッチプライズを受賞！

最も信頼度の高い「年間ベスト時計賞」とされるGPHG2018、今年も各賞に素晴らしい時計が選ばれました。
個人的に注目した時計の三つ目はアクリヴィア(Akrivia)のクロノメーター コンテンポラン(Chronomètre Contemporain)です。

KIHさんの紹介で、今年のバーゼルワールドにて時計師ご本人と会社経営を行うCEO(KIHさんのお知り合い)にお会いし、作品も拝見していたのですが、なんとなくタイミングを逃してしまい記事にできていませんでした。
良い機会なので改めてご紹介いたします。

恒例の集合写真から。



時計師で創業者のレジェップ・レジェピ(Rexhep Rexhepi)氏が並んでいます。
どなたでしょう…？



お若い！
時計学校を卒業後、大手メゾンで経験を積み独立、現在はジュネーブ市内に工房を構え、手作りのユニークな時計作りを行っています。
出身はコソボだそうで、名前の読み方がわからずに識者に確認しましたが、カタカナで適正かは自信がありません…



かっこいいですな。

動画もどうぞ。







SIHHの後にジュネーブを彷徨っていたら偶然工房の前にたどり着いたことも。





古き良き時計工房といった面構え。
ちなみに土曜日だったので当然ながら誰も居ませんでした。

さて、バーゼルで拝見したピースと今回の受賞作クロノメーターコンテンポランについて。

アクリヴィアと言えば、どちらかというと個性的かつ現代的なデザインが特徴的です。



トゥールビヨンを備えたレギュレーター。



パワーリザーブインジケーターに焦点を当て、レバーを可視化したピース。

どちらも文字盤・ケース共に伝統的というより現代的で、個性を押し出しているように感じます。

ムーブメントもこだわっています。





お分かりになりますでしょうか…？
そう、輪列が左右対称に見えるようにユニークな構造になっています。
これはレジェピ氏の美意識から生まれたこだわりです。

対して、クロノメーター コンテンポランはコンテンポラン(フランス語で現代的)という名前に反し、外見は一見して伝統的です。



"クロノメーター"という名前が表すように、天文台クロノメーターや時計学校の卒業制作時計(天文台クロノメーター検定を通していた)をイメージしたという伝統的な文字盤、しかし、古典一辺倒ではなく細部にユニークさが潜んでいます。
スモールセコンドは高精度機であることを主張するギリギリまで広げられた大口径なもの。
また、アクリヴィア銘ではなく、レジェップ・レジェピ(Rexhep Rexhepi)銘の下にクロノメーターと記され、これも伝統的なクロノメーターの文法です。
あえて時計師銘にし、卒業制作時計のような初心に帰る作品にしたそうです。



丸みを帯びた伝統的なケース。



対して、ムーブメントは左右対称の"アクリヴィアらしい"左右対称のユニークな構成。



時計学校の卒業制作で製作した"リアル"スクールウォッチも拝見させていただきました。





過去と現在の邂逅。



古典的な外観に素晴らしいムーブメント、食指が動く方もいらっしゃるのではないでしょうか？

KIHさんが伺ったところによると、現在はレジェピ氏の生産能力に対し、引き合いの方が多いような状態で"手が回らない"という嬉しい状態のようです。
そのような状態ではありますが、ご興味のある方はKIHさんにコンタクトしてみてください。

関連 Web Site
Akrivia
https://www.akrivia.com/