弱点

 By : Daiwatokeiten
時計の心臓部分と言えば、テンプ。
そのテンプの軸を天真と言います。

天真はとっても細い為、衝撃が加わった時に折れやすいんです。
落とそうものなら、こんな顔になっちゃうわけですよ。



そこで、その衝撃を逃がしてあげるために
現行の時計ではキフブロックとインカブロックという耐震装置が主に使われています。

ちなみにこれがキフグロックで



こっちがインカブロックです。





このキフブロックは



R社なんかが代表的ですが、何故か外れやすいんです。
外れると穴石・受石が機械内に迷い込み、OHが必要になります。
運が悪いとヒゲを散らして修正に手間がかかることも・・・。

多分ですが、キフブロックはインカブロックに比べ細いので
外れやすいのではないかと。
今までインカブロックが外れたという不具合はほとんど経験がありませんので。

じゃ、なぜキフなのか?
分かりません
天真の保護率が高いのでしょうか???

ちなみに穴石のブロックの違いはご覧の通り。



左がキフで、右インカ。

現行品からアンティークウォッチまで、色々な時計の修理をしているからこそ、
いろ~んな発見があったり、違いを知ることが出来るのは
時計修理師ならではの楽しみです。