ボヴェ: ヴィルトゥオーソ VIII フライングトゥールビヨン ビッグデイト

 By : KAIROS
VIRTUOSO VIII Flying Tourbillon Big Date
ヴィルトゥオーソ VIII フライングトゥールビヨン ビッグデイト

ボヴェの195周年を祝う時計として、ビッグデイト付きトゥールビヨンよりもふさわしいものがあるでしょうか?ヴィルトゥオーソ VIIIは歴史の絶妙な引用の域を超えて、パスカル・ラフィが自ら定義するフルリエ・グランド・コンプリケーションの真髄を体現しています。ディミエ・コレクションが最新の進歩および開発や技術における革新を誇示するためにデザインされる一方で、フルリエ・グランド・コンプリケーション・コレクションは、伝統的な職人技を用いた時計製造手法を絶えず新たな高みへと導くことに注力しています。

ヴィルトゥオーソ VIIIは、2016年発表のリサイタル 18 シューティングスターや今年の新作リサイタル20 アステリウムの革新的なケースと同様の、12時位置と6時位置を結ぶ軸に沿って傾斜したクリスタル風防を、フルリエ・コレクションでは初めて採用しています。この非常に革新的なコンセプトは、キャリバー構造や装飾、そして機能の表示方法と言ったことにも新しい視点を与えます。コレクションの新しい顔となるこの新作が搭載するムーブメントもまた、数々の重要な新機軸を打ち出しており、さらにはブレイブハート トゥールビヨンが2015年に発表された際に取得した3つの特許技術も採用しています。しかしながら何よりも重要な事は、このヴィルトゥオーソ VIIIが、ボヴェが1822年から維持してきた職人技を用いた時計製造の伝統を、究極な形で象徴しているということです。

ボヴェの工匠たちは、ひとつひとつの時計の開発および製作を司る3つのキーワードを、心から理解しています。

信頼性
計時精度
装飾芸術

さらに、複雑機構を加えることで表示情報を増やす際には、次の合言葉も追加されます。

日常使用を目的とした、使い易く機能的な追加情報表示

ヴィルトゥオーソ VIIIの開発および製作に注ぎ込まれた、ボヴェの工匠たちに宿る情熱と才能は、この4つの重要な基準のそれぞれにおいて絶賛を浴びるほど優れたものです。

信頼性

この新キャリバーは、ボヴェ 1822の時計師たちが有するあらゆるノウハウから恩恵を受けています。広範囲におよぶ検査によって、このキャリバーはすでにその信頼性および様々な付加機構を駆動するキャパシティにおいて、揺るぎない評価を得ていることが証明されています。ヴィルトゥオーソ VIIIが搭載するキャリバーは、一つの香箱からエネルギーを得ており、毎時18,000回の振動数を維持しながら10日間超のパワーリザーブを実現しています。フライングトゥールビヨンの画期的な構造もまた、信頼性および計時性能の観点からこの時計の真価を明確にしています。しかし、パスカル・ラフィはこのヴィルトゥオーソ VIIIで、19世紀に製作されていた時計の典型的な構造を採用することにしました。地板全体とブリッジが、いくつもの渦巻き模様を描くようにくり貫かれているのです。

計時精度

特許取得済みのこの両面トゥールビヨン機構は、すでにその計時性能の潜在能力を十分に立証済みです。脱進機とヒゲゼンマイを両面に共通する固定点に設置し、それらをキャリバーのどちらの面でも明確に露わにすることで、レバーアーム効果およびピボット点での摩耗を大幅に縮小できる均衡がもたらされました。

このトゥールビヨンの性能をさらに高めるため、新たな調速機構がボヴェ 1822の職人たちによって開発・製造されました。新しいキャリバーのペースは、可変慣性テンプによって設定されています。テン輪の外縁部に配された6つのコレットが、最高の精度を誇る動力バランスおよび調整を実現しています。ヒゲゼンマイに関しても、このキャリバーのテン輪に相応しいものが、ボヴェ 1822の優れた職人たちによって特別につくられました。このヒゲゼンマイは、正確な計時性能を確保するため、両頭の可動ひげ持ち受けによってトゥールビヨンのブリッジに固定されています。手仕上げされたホイール、伝統的な方法でつややかに磨き上げられたピボット、そして伝統的な職人技法による歯付け作業も、キャリバーの計時性能の向上に寄与しています。

装飾芸術

1822年、ボヴェ兄弟は装飾を施す時計製造技術を最高峰の地位へと押し上げました。2001年からは、この伝統を永続させるため、そして絶えず再定義される卓越性を追求し続けるボヴェ 1822の職人たちを支援するために、パスカル・ラフィが立ち上がりました。ヴィルトゥオーソ VIIIのキャリバーのデザインおよび装飾は、職人たちが追い求める卓越性を体現しています。例えば地板の両面には、ボヴェの歴史的なポケットウォッチを彷彿とさせるブリッジがあしらわれています。スティールは面取りされ、研磨されています。ディスクプレートは窪みがつけられ、面取りされています。プレートの両面には、メゾンのエングレーバーたちの最高の熟練作業による、非常に繊細なパターンの彫刻があしらわれ、象徴的なフルリザン装飾が施された壮麗なブリッジと調和の取れたコントラストを成しています。面取りおよび研磨されたブリッジの輪郭は、フルリザン装飾を芸術的に縁取り、二つの異なる装飾技法を明確にしています。一方で、トゥールビヨン・キャリッジのブリッジは、軽量化および磁気帯び防止のためチタン製となっています。フライングトゥールビヨンの上に広がる羽根のような二つの優美なアームは、高級時計製造の伝統に則って、丸みをつけられた後磨き上げられています。言うまでも無く、これらの数々の作業のすべては、ボヴェ 1822の装飾工房の工匠たちの手によって行われています。

ダイヤル職人たちは、ムーブメントに施された装飾を最大限見せるため、ハーモニーを成すようレイアウトされた二つのダイヤルを製作しました。一つ目はパワーリザーブを表示する一方で、二つ目には時分表示および堂々としたビッグデイト表示窓が配されています。時計の視認性を損ねる恐れのある機械部分のみを隠すために、ダイヤルの面積は最小限まで減らされた一方で、贅沢な丸みを帯びたハンドポリッシュ済みのアタッチメントはブリッジ同士をまたいでムーブメントに固定されています。アイボリーカラー、ブラックラッカー、またはブルーアヴェンチュリンから選択できるダイヤルにはどれも、ボヴェ 1822が誇る歴史的コレクションのポケットウォッチから直接インスピレーションを得たアラビア数字、目盛、そして針の形状が採用されています。

メゾンの職人たちの才能、情熱、そして経験は、このヴィルトゥオーソ VIIIを舞台に、ハーモニーを奏でながら存分かつ真摯に表現されています。この作品にもたらされた多角的な輝きは、人々の注目を集め、見る者を虜にせずにはいられません。

日常使用を目的とした、使い易く機能的な追加情報表示

ヴィルトゥオーソ VIIIにおけるこの基本的価値観は、メインの付加機能であるビッグデイトが主な対象となります。この機能は、できる限り大型のデイト表示を最小限の専有面積で実現できるよう設計されました。この二つの対立する制約が、この作品では見事に解決しています。ビッグデイト用の2枚のディスクを覆うダイヤルのサイズを考えると、ここまで大きなデイト表示ができるようには見えません。1の位を表示するディスクと10の位を表示するディスクとの間の空間を徹底的に限界まで減らすことで、視認性の最適化を図り、また二つの数字を離すことなく一つの窓で表示することが可能になりました。いずれのダイヤルを選択しても、ビッグデイトの視認性は驚くほど優れており、高く評価されています。時計師たちは日付修正に関しても忘れていません。リューズを押すだけで、素早く日付が修正されます。つまり、着用者は時計を手首に装着したまま修正を行えるのです。ボヴェならではの12時位置のリューズとボウ、そしてクイック日付コレクターの位置関係のお陰で、誤って日付コレクターボタンが押されることもありません。

秒表示に関しても、同様の注意が払われました。高い視認性確保を考慮し、キャリッジのホイールにスクリュー留めされたアワーマーカーが活用されています。アワーマーカーの矢印が、60秒分の目盛が刻まれたリングダイヤルを指し示すようになっています。この表示がつくり出す視認性の精度は、息をのむほどのものです。これを実現するためには、秒表示ダイヤルがアセンブリー作業の第一段階で設置されていなければなりません。すなわち、時計の購入者がダイヤルを選択するまで作業を進めることができないため、時計師の仕事をますます複雑なものにしているということです。これが、ボヴェが卓越した視認性のために払う代償なのです。

一つの香箱によってもたらされる10日間超のパワーリザーブは、球状のディファレンシャル機構を採用していなければ、極めて注意深い巻き上げを要したはずです。この創意に満ちたメカニズムと、立体的なトゥーシング(歯付け)を施したピニオン歯車を用いた多重歯車構造の適用は、いずれも特許の対象となっています。このディファレンシャル機構を採用することで、歯車に余分な摩擦や負担をかけることなく、完全に主ぜんまいを巻き上げる際のリューズ回転数が半減されます。これは、信頼性と使い易さの両方を確保した、本物の偉業と言えるでしょう。

ヴィルトゥオーソ VIII:職人技による高級時計製造の195年におよぶ伝統の現代的な祝賀

ボヴェの195年にわたる時計製造の歴史の真の証となるヴィルトゥオーソ VIIIは、ブランドの真価の本質を体現すると同時に、絶えず進化する調和のセンスによってその価値をさらに新たな高みへと導いています。80個のみ製作されるムーブメントは、顧客の要望に応じてボヴェ 1822の工匠がカスタマイズすることも可能の、レッドゴールド、ホワイトゴールド、またはプラチナ製ケースに収められます。
T10GD001
28,000,000円(税抜き・予価)


ケースタイプ          FLEURIER
径               44mm
厚さ              風防あり13.45mm 風防なし7.00-9.40mm
重量              レッドゴールド57.60g
素材              18K レッドゴールド
ストラップ           フルスキン・アリゲーター
バックル            18K レッドゴールド
防水              30m
ムーブメントキャリバー     手巻17BM03-GD
径               17’’’
振動数             18’000 vph
パワーリザーブ         10日間
ダイアル            ブラック・ラッカー
機能              時分表示、秒表示、ビッグデイト、パワーリザーブ表示
特許              球状巻き上げ
                両面トゥールビヨン
                立体的なトゥーシング(歯付け)による多重歯車構造

【お問い合わせ先】
DKSHジャパン株式会社
TEL: 03-5441-4515