SIHH 2018 速報: ユリス・ナルダン - 海へ、フリークへ、エナメルへ、そしてXXXへ

 By : KIH
ブースに置かれていた現代アート - いかにも、数百年も海中に眠っていたかのようなディズニーキャラクター。創作の世界で、船が難破しそれを現代になって発見した、という設定のブースデザイン。



今年もユリス・ナルダンは海を中心に据え、フリーク シリーズの最新作、新たな方向としてのエナメルダイヤルモデルの数々、そしてXXX指定の赤い部屋、というラインアップ。

筆者個人的には、フリーク、エナメルモデル、そしてダイバーの順に興味を惹かれたので、その順番で見ていきたい。ライブ写真意外に、公式写真、プレスリリースの文章も途中で入れ込むのでご容赦願います。

また、エナメルモデルについては、別途続報を出す予定なので、ご期待ください。

1.フリーク













「想像を超えたものとの出会い。ユリス・ナルダンは殻を破り、従来の常識に挑戦、大海から宝を探し出します。鳥の中にも、籠に囚われることのないものがいます。それこそが自由であり、自由は大胆であることの中に見つけられるのです。共に世界を眺め、時間を旅し、新しい「フリーク」をぜひ見出してください。想像を超えたものと出会う準備はよろしいでしょうか。

フリーク コレクション初の自動巻きウォッチ、「フリーク ビジョン」。この奇跡的な高級時計は、SIHH 2017に登場したユリス・ナルダンのコンセプトウォッチ、「InnoVision 2」とともに発表された画期的な革新を取り入れています。ニッケル製エレメントと安定化マイクロブレードを備えた超軽量シリシウム製テン輪と、ボックスドーム型のクリスタルによってさらに薄くなった新しいケースのデザインが、大きな変革をもたらします。
時刻表示は、今回もコレクションを際立たせる「フリーク」方式を採用しており、バゲットムーブメントによって「フライングカルーセル」が自らの軸を中心に回転します。デザインのパーツは完全に異なっていて、立体的な曲線を描く新しい上部のブリッジは、ボートの船体からインスピレーションを得ています。また、新しいボックスドーム型サファイヤを採用することにより、中央部とベゼルをさらに薄くすることが可能になりました。その他、ラグ、ベゼル、側面のラバーなど、ケース全体も新しいもので、よりオープンでワイドな印象を与えます。

ユリス・ナルダンは、計時における革新のパイオニアです。特に、シリシウム加工技術はこれまでにないもので、2001年に最初の「フリーク」で採用されたことで高級時計に導入されるようになりました。今では、シリシウムと固体ニッケル製エレメントを溶接することで、驚くべき軽さのテン輪を製造し、独創的な技術推進を図っています。この技術についても、ユリス・ナルダンが初めて特許を取得しています。その後、シリシウム製マイクロブレードを追加、振幅を安定化して精度の大幅な向上を実現しています。

その他の業界初の技術:
「グラインダー」自動巻きシステム:エネルギーの伝達を完全に変革した機構で、既存のシステムの2倍の効率性をもたらします。「グラインダー」はわずかな腕の動きも逃さずに活用します。ローターを、4本のアームで構成されるフレームとリンクさせることで、まるでペダルが4つある自転車のように、通常の倍のトルクを持つ自動巻きシステムを実現しています。同時に、柔軟性に優れたガイダンス機構が摩擦を大幅に抑えます。
ユリス・ナルダン アンカー脱進機は、柔軟性に優れた機構の原理をベースとし、薄板ばねの弾性を利用しています。100%シリシウム製のコンスタントフォース脱進機で、摩擦なしで動くアンクルを備えた円形のフレームが特徴です。アンクルは中央で固定され、2つの極めて小さな板ばねに支えられています。互いに垂直に取り付けられた2つの板ばねが、曲げ力を受けることにより、曲がったり、双安定状態に保持されたりします。こうして、エネルギーバランスがプラスになり、主ゼンマイのトルク変動の影響を受けることなく、一定の歩度でテン輪の往復振動を維持することが可能になります。」

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フリークは常に、ユリスナルダンを代表するモデルでありながら、なぜか「異端児」扱いされてきたと思います。確かに、機構を理解するのは難しく、操作性や視認性も、慣れないといけないという部分がありました。しかし、今回は従来に比べ、かなりすっきりした感じです。視認性もかなり向上していますし、操作性もシンプルです。フリーク初の自動巻きとなっていますが、単純な「ペリフェラルローター」ではありません、あらゆる方向への動きを巻き上げエネルギーに変換する機構となっています。

では、ライブ写真をご覧ください。

赤サンゴバージョン。
















2. ダイバー ディープ ダイブ

今回のダイバーは、シュモクザメ(Hammer Shark)をモチーフに使い、より精悍な、かつ、獲物を遠くからでも匂いで探し出すという、サバイバル能力=男らしさを追求。1000m防水。ヘリウムリリースバルブ、チタンケース。ダイヤルには計15匹のシュモクザメの装飾がほどこされている。







「卓越した耐久性、機能性、技術性、スポーツ性。ユリス・ナルダンの象徴である「ダイバー」コレクションから、驚異のニューヒーローが誕生しました。揺るぎない男性らしさと極めて高い信頼性を実現したプロ仕様のダイビング計器で、同時にこの上なく大胆なスポーツウォッチでもあります。ヘリウムエスケープバルブ、1,000m防水など、これまでにない技術仕様を備えています。
ユリス・ナルダンと海の関係は非常に深いものです。1846年以来革新的な時計製造のパイオニアとして広く評価されているユリス・ナルダンが最初にその名を知られるようになったのは、比類なき精度と信頼性を誇る自社製マリーンクロノメーターを誕生させたことによります。マリーンクロノメーターは、船員が天文航法を利用して経度を算出する際に不可欠な航法計器です。ユリス・ナルダンは、水中の世界で成し遂げた偉業、すなわち、頑強な設計と力強い男性らしさを誇る「ダイバー」コレクションを誕生させたことでも有名です。
前回のモデルと同様、「ダイバーディープダイブ」にも自社製キャリバーUN-320を搭載。このキャリバーは、特許を取得したシリシウム製のレバーとガンギ車を備えています。ひげゼンマイにも使用されているシリシウムは、ユリス・ナルダンが高級時計に初めて導入した素材です。
傑作と言えるこの300本の限定モデルの特筆すべき新しい機能は1kmの防水性(世界潜水記録は701m)に加え、長時間の深海潜水や飽和潜水にも対応できる、2時位置のチタン製リューズガードと9時位置のヘリウムリリースバルブなどがあります。付属のラバーストラップは拡張可能で、ダイビング中にネオプレンのダイビングスーツが圧縮することによって生じる、リストサイズの変化に合わせて調節することができます。丈夫で角張った形状のケースはチタン製で、ラグの縁はカットされています。大型のベゼルには12個の刻み目が入っているので、ダイビンググローブを着用していても操作が簡単です。
荒涼とした深海にサメが出現したようなデザインで、文字盤には15匹のシュモクザメの装飾が施され、ケースバックにもシュモクザメが刻印されています。鮮やかなレッドのシュモクザメがリューズガードの側面を泳ぎ、別の1匹は文字盤のカウンターに描かれています。アクティブレジャーやウォータースポーツをこよなく愛する方にぴったりの「ダイバーディープダイブ」は、印象的な外観でありながらも耐久性に優れ、また極めて過酷な状況でも着用できるタイムピースをお探しの男性にとって、この上なく魅力的なモデルです。」

ユリス・ナルダンといえば、海とは切っても切り離せないブランド。昔からヨット大会関連でのモデルや、魅力的、かつプロが実際に使うダイバーウォッチを発表してきました。今回は、ヘリウムエスケープバルブや1000m防水を備えた、かなりの高性能のものを出してきました。

ライブ写真:









15匹のシュモクザメがいます。






深い溝の入ったベゼルはダイバースーツの手袋でも操作しやすいように設計されています。








このストラップは4㎜伸縮します。気圧、水圧、あるいはスーツの厚さによる変化にもバックル位置を変えることなく対応します。




では、そのほかの定番「マリン」関係+エナメルモデルを紹介しましょう。昨年と変わってはいません。








では、ここで他のエナメルも見てみましょう。



スモセコ サブダイヤルに注目。


今年は黒エナメルも登場。





昨年発表された美しい青エナメル。


お気付きでしょうか? 白は2枚(メイン部分とスモセコ部分別個に作られています)ですが、黒と青は1枚焼きです。それだけ、白に比べて黒と青は製作・加工が難しいということでしょうか。


そして、この手の込んだ作品。今年は戌年ですし。柴犬ですかね?





3. クラシコ ジェイド
「美しきフリーク」と銘打って発表されたレディースモデル。37㎜。ものによっては男性でも着けられそうなモデルです。








「新しい37 mmのタイムピース「クラシコ ジェイド」は、女王のような風格の、非常に魅力的な5本のスティール製ウォッチです。控えめなサイズのブルー、グレー、レッドのモデルに、渦を巻く波を表現するダイヤモンドをあしらった、魅惑的なマザーオブパールの文字盤を備えます。
2013年、ユリス・ナルダンは中国の宮殿で、天国と地球をつなぐ「魔法の石」と考えられ崇拝された宝石(翡翠)へのオマージュとして「ジェイド(翡翠)」を発表しました。それから5年が経った今、女性のための新しい5本のタイムピース「ジェイド」が、さらに希少なダイヤモンドへオマージュを捧げます。
新しいラウンドケースを備えた優美なジェイドが、クラシック コレクションへ新たに追加されました。クラシックな時針、分針、秒針が美しく配され、クラシック コレクション専用でこれまでにない高い信頼性を誇る自動巻きキャリバーUN-815を搭載した今回の主力モデルでは、ハイジュエリーの技術と素材が最先端の革新、伝統的なクラフツマンシップと融合し、魅惑的な女性らしさを演出しています。
その新しいスタイルに思わず息をのむことでしょう。ラウンド型のマザーオブパール文字盤の左下には、ダイヤモンド10個でリーフを模した繊細な波模様があしらわれ、魅力溢れるステンレススティール製のベゼルには、さらに76個のダイヤモンドが輝きます。
ブルーのレザーストラップにブルーの大きなアラビックインデックス、ホワイトのレザーストラップにグレーの数字、またはガーネットレッドのレザーストラップにレッドの数字という、マザーオブパールの豪奢な色合いやダイヤモンドのまばゆい輝きと見事にマッチする、とても女性らしいカラーからお選びいただけます。シンプルなステンレススティール製で控えめな雰囲気のベゼルを備えた、ブルーとグレーのモデルもございます。
5年の時を経て発表された、誇り高き女王の貫録を醸し出す5本の新しいタイムピースは、いずれも時代を超越した女性らしい気品を体現しています。お手頃な価格でお求めやすく、ジーンズでも、レッドカーペットの祭典でも、昼夜を問わず華やかさを添えます。コンテンポラリーとクラシックが融合したこの新作モデルは、現代の女性たちが出会うどんなシーンにも最適です。」











4.XXXの世界。。。
ここは、あまり映像は載せられませんがご容赦ください(汗)。とにかく、ご覧ください。






ここでお見せできるのは以上です。2枚目は絵ですが、その中に描かれている時計を目を凝らせてみてご納得いただければ幸いです(汗汗)。。。


ことしも、ユリス・ナルダン ブースは豊作と言ってもいいでしょう。いろいろな方向にばらばらと飛んで行っているように見えますが、根底にあるのは、「フリーク ミー アウト」という、今年のテーマ。すなわち、「私をビビらせてくれ!」。まさにそんなコレクションだと思います。しかし、これだけのモデルを用意できるとは、製造キャパシティーは相当なものですね。。。

#freakmeout