グランドセイコー・セイコー 2020新作 実機レポート その2~GSとプロスペックスのダイバーモデル

 By : KIH

その1に引き続き、今回はグランドセイコーと、セイコー プロスペックスのダイバーモデルをレビューしたい。そうなのである。スポーツモデルと言ってもダイバーだけなのである。すなわち、ダイバーは大人気らしいのだ。プロスペックスやグランドセイコーのダイバーが大人気なのか、世界的な流行なのかわからないが、確かにセイコーのダイバーは歴史もある名機が多い。今もそれが大人気なのはよくわかる。

1.グランドセイコー 次世代のムーブメント「スプリングドライブ 5days」搭載のダイバー2モデル。
ニュースも再度読んでいただきたいが、新開発の自動巻きスプリングドライブ 「キャリバー 9RA5」は120時間のパワーリザーブと、月差10秒(従来は15秒)を達成した。サイズの異なる大小2つの香箱「デュアルサイズバレル」や、動力ゼンマイ、輪列、部品加工精度向上等々、かなりの部分を新開発したものだ。詳しくはWMO テクニカルディレクターのccfanさんが解説してくれると思うが(ですよね?)、そちらも是非読んで理解を深めていただきたい。

今回、このキャリバーを使い、2つの限定モデルが出された。1つは日本国内のみ!といううれしい話だ。最近は、世界でも人気が出てきて、なぜか日本の外の人の方が新作情報をよく知っていたり、日本の外の方が手に入りやすいモデルもあったり、なんとなく昔ながらのグランドセイコー + セイコー ファンとしてはひじょーに寂しく思っていたものだ。今回の国内限定!というのはたまにはあってもいいと思う。と言っても、きっと外国の時計友達が「買って送ってくれ!」って言ってくるだろう。。

ということで、まずは全世界モデルから。
SLGA001




ちょっといい色が出ていなくて申し訳ないが、文字盤は「グランドセイコーブルー」。深い海の色のようでダイバーとしてもとてもいい色だと思う。両モデル共通で、ケース・ブレス素材はブライトチタンであり、堅牢で分厚い筐体の割には、かなり軽く、手首の負担にはならない。1,150,000円 + 税。こちらは、世界限定 700本。8月1日発売なので、まだまだ時間はあるものの、世界限定にしても比較的数が少ないので、急いだほうがいいかも。。。


そして、日本国内限定モデル。なんと、限定60本のみ!
SLGA003






文字盤の色は「ネイチャーグリーン」。青緑、って感じですね。ミニッツトラックが黄色いのが目立つ特徴。お値段は同じ。限定60本のみ。しかも、グランドセイコーブティックのみでの販売。リストショットがなくて申し訳ないが、外径46.9mm、厚さ16.0㎜。600m 飽和潜水用防水。両モデルともブレスが標準だが、付け替え用の強化シリコンストラップも付属してくる。ケース素材、価格はSLGA001と共通。もう売り切れちゃってるかな・・・。



2.セイコー プロスペックス - セイコーダイバーズ55周年記念 復刻三部作
セイコーは、ほんとに昔からダイバーズを作っていましたね。これもニュースを再度見ていただきたいが、国産初のダイバーを1965年に、そしてそれが1966年から4回にわたり、南極観測越冬隊の装備品として使われた。そして、1968年に世界最高水準のハイビート300m空気潜水モデルと、1975年、世界初のチタンケースを採用した600m飽和潜水モデルと出してきた。誕生から55周年を迎える今年、1965年から1975年までの3つの歴史的モデルをベースに3部作が作られたわけだ。

まずは、1965メカニカルダイバーズ復刻デザインから。
SBEX009








色は全体が「ブルーグレー」。10振動(ハイビート)の8L55を搭載。ケースは、「エバーブリリアントスチール」という、世界最高水準の耐食性を備えた素材を採用。水の中で使いまくっても頼りがいがあるケースだろう。2017年のバーゼルで出て、そのあと限定版だったために大人気になったモデルほうふつさせる(SBDX019)。39.9㎜。大きさもちょうどいい。これも大人気になるかもしれない。限定1100本。650,000円 + 税。6月6日発売。


1968メカニカルダイバーズ 復刻デザイン
SBEX011










こちらは、ムーブは同じ8L55でハイビートながら、300m飽和潜水用のワンピースケース。ケースも同じくエバーブリリアントスチール。44.8㎜。防水を強くするために、ケースもでかい。限定1100本。700,000円 + 税。7月10日発売。

しかし、同じムーブながら、機能によってここまでケースが変わるか、と思った。上が200㎜空気潜水用SBEX009、下が300㎜飽和潜水用SBEX011。普通の人は上かな・・・。



1975メカニカルダイバーズ 復刻デザイン
SBDX035




これはご存知「ツナ缶」ケース。1000m飽和潜水用で、耐磁性能も40,000A/mと高い。ただし、外径は52.4㎜、厚さが17.2㎜。こちらも限定1100本。400,000円 + 税。8月8日発売だ。また、ムーブメントも上の2つとは違い、ハイビートではない8L35。


3部作ショット




さて、今年のセイコー、グランドセイコーのダイバーズはいかがだっただろうか。個人的には、1965の復刻(SBEX009)かな、と・・・。ハイビートの自動巻きでなかなか面白いと思う。2017年発表の限定モデルでは、8L35を使っていたので、今回はハイビートでいい感じだと思う。

その他まだまだたくさん見せていただいたが、続々と実機レビューが上がってくるのでご期待ください。