クリストフ・クラーレ X-TREM-1 「侍」 ダマスカスを活かした日本向けモデル

 By : CC Fan
ステンレススティールを使ったダマスカス鋼にブルーコーティングを加えたクリストフ・クラーレの2020年の新作、X-TREM-1のブルーダマスカスバージョン、更にダマスカス鋼の表現を活かした「日本向け」作品が発表されました。

今回は画像オンリーなのでやはりブログと言う形で掲載します。

それがこの…



「侍」バージョン!!

ノーマルのX-TREM-1では巻き上げ輪列が可視化されている部分にド迫力の兜飾りを配したモデルになります。
ダマスカス鋼自体がもともと刀剣に使われていた硬さとしなやかさを両立した金属製法をルーツに持っていることから、刀を使う侍をイメージにしたようです。
また、ダマスカス鋼は2種類の金属が織りなす層状の模様が木目のようなイメージを生み出すので、こうやって見ると和風にも見えます。

ステンレス鋼、316Lと304Lを重ねた金属を鍛造しては折りたたむことを繰り返し、数百層の構造を持つダマスカス鋼素材が完成します、この素材は優れた耐腐食性と耐衝撃性を持ちます。
素材が完成した後、新しく開発されたダマスカス鋼専用刃物によって削り出され、X-TREM-1の複雑な形状のケースが完成します。



クラーレが得意とする超高分子ポリエチレンワイヤー「ダイマーニ」を活かしたリニアレトログラードによる時刻システムはケース内に納められており、ケースサイドに配置された表示用ボールは強力な磁石を使った磁気結合で駆動されています。
強力な磁石を使ってはいますが、磁性体による磁気回路によって磁気を閉じ込め、更に地板に非磁性のグレード5チタンを使うことでトゥールビヨンに磁気の影響が及ばないようになっています。



ケースバックは通常のX-TREM-1と同様にグラスバックで内部機構が見えています。
レトログラードを制御するスネイルカムが時用と分用がそれぞれ独立に設けられており、レバーも独立に読み取っていることが分かります。

ケースサイドに時刻表示が配置されているため、通常のリュウズが使えないため、Bow(弓)と呼ばれるセッティング用ダイヤルがケースバックに設けられており、巻き上げ用と時刻調整用が独立しています。
それぞれに一種のワンウェイクラッチが入っており、矢印の方向に回した時だけ内部機構に噛み合い巻き上げと時刻調整(進み方向のみ)を行います。
時刻調整はBowによる分単位の設定のほか、表側のプッシャー(12時位置にある四角い部分)を押すことで1時間ずつ進めることもできます、これは利便性とタイムゾーンを頻繁に移動するジェットセッターに向けた機能です。

例によって、テクニカルな情報は過去の記事もご覧ください。

内部構造も分かりやすいオフィシャル動画もどうぞ。

いているところを見た方が分かりやすいかと思いますので、公式の動画(過去のモデル)を最後に掲載します。



もちろんアニメーション向けモデルではありますが、かなり正確に動いていると思います。

関連 Web Site (メーカー・代理店)

CHRISTOPHE CLARET
http://www.christopheclaret.com/

Noble Styling Inc.
http://noblestyling.com/