YOSUKE SEKIGUCHI 関口陽介氏 ル・ロックル ワークショップ再訪ジュネーヴ・レポート、ご自宅も

 By : CC Fan

2024年9月26日追記:制作状況が間違っていたので修正しました。

個人的にはこっちがメインだった感もあるジュネーブウォッチデイズの追加日程、チャペックから1日遡り、今回はル・ロックル在住の関口陽介氏のワークショップを再訪します。

午前中の「別の取材」が終わってル・ロックルで待ち合わせ。
クリストフ・クラーレの時も訪れたことのあるレストランの前で、午前中からサプライヤー訪問をしている関口氏一行に合流するために待ちます。



レストランの前にちょうどいい公園があったのでベンチでボーっと…



ル・ロックルを拠点にしているユリス ナルダンがあるな…と眺めたり、



空が綺麗だな、と眺めたり、しばし時間を潰していると、関口氏に同行している小柳時計店の小柳さんから連絡があり「レストランの裏が関口さんのアトリエです」とのこと。
以前訪問しているものの、車移動で土地勘が全くなかったので近くまで来ていることに気が付きませんでした。



無事合流しました。
私以外はケースメーカーや文字盤メーカーを見学してきていて、それを踏まえ今までの作品と文字盤の試作を見ながら関口氏が理想とするアンティークのエナメルに如何に近づけるか?という事を話し合っています。



関口氏がバザーなどで購入してはレストアした工具のコレクション。
これはヒゲをつまむ位置を変えながら固有振動数を調整する工具(Hairspring Vibrating Tool)です。



ル・ロックルの街並みを。
ボーっとしていた公園も見えます。



買っては直している、というアンティークの懐中群が披露されます。

冗談めかして、時計作りの息抜きに時計を直す、というのがありましたが、現在は「プリムヴェール」の制作に集中しているためあまり直していないとのこと。
修復は懐中時計だけではなく、掛け時計や置時計も手掛け、アトリエにはアンティークの時計が並びます。

2022年ファーストロットの10本は去年完成し、現在仕上げを行っているのは2023年の20本、同時に2024年の15本の準備も進めており、この記事が公開される頃にはすべての部品が揃い、そこから熱処理や仕上げを行っていくそうです。



組立を行う作業机。



ご一緒した媒体さんが、作業風景の再現をお願いしているのに便乗します。



仕上げを行って歯を切った各種歯車。



歯車は古典的な1歯ずつ割り出し治具とカッターを使って切っていく方式で作られており、「一つ前の取材」でも見かけたウォッチメイキングを支えるLUC MONNET氏印の歯切り工具が。



関口氏のアトリエで撮影し忘れたので、「一つ前の取材」から。
時計旋盤に取り付けた均等に分割された点が打たれた割り出し治具で歯車のブランクを回転させ、回転するカッターを水平移動させてあてることで歯を切っていきます。
使いこなせれば最新のホブ盤より高精度に切れる、とのこと。



テンワのブリッジも仕上げられ、組み立てを待っています。



ペルラージュやコート・ド・ジュネーブも手作業で入れており、昔の工具をレストアしたものが使われています。



使い方を説明する関口氏。



ル・ロックルの街並みと…



前回と違ってこういうポートレートもちゃんと撮りました…



「腕化」ヤーゲンセンと「プリムヴェール」。



ジュネーブでも拝見した高温焼成エナメルの技法でアベンチュリン(ガラスの中に金属粒子を混ぜ合わせる)ガラスを作り出したダイヤルを自然光で拝見。
ガラスを作ってから切り出したものに比べると控えめで一見するとブラックエナメルに見えます。







写真は難しいですね…



ウッ、となった取り置きをお願いしているものの、コロナ禍で引き取れなかったパテック フィリップのナビクオーツ。
最初期のトランジスタクオーツ時計です。

そろそろ向き合います…



取材の後、関口さんの新しい自宅も訪問させていただきましたが、こちらあくまで「自宅」なので関口さんが気に入っているという自室の1枚だけで…
非常に温かく迎えて下さり、ありがとうございました!

居心地がよく、つい長居してしまい、ザビエルごめんなさいに繋がります。

公式サイト
https://yosuke-sekiguchi.com/index.html