MB&F オンリーウォッチ出品作品 「TOM & T-REX」

 From : MB&F (エムビー アンド エフ )

「TOM & T-REX」

MB&FとL’EPEE 1839がオンリーウォッチのために製作


世界で最も有名な時計専門チャリティオークション「オンリーウォッチ」が今年2019年に再び開催されます。8回目となる今回も、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに関する認知度向上と、主に男児に影響を及ぼすこの遺伝性疾患の治療研究の支援を目的としています。MB&Fがオンリーウォッチに参加するのは5回目で、モナコ筋ジストロフィー障害協会の支援のため、MB&Fの時計の1つを同オークションに寄付します。



オンリーウォッチのためにこれまでに製作されたMB&Fのマシンはすべて、オークションに関連するビジュアル要素を加えた、既存コレクションからのユニークピースでした。一方、2019年のオンリーウォッチでは、MB&FとL’Epéeは初の試みとして、このオークションの特別な性質を重視し、未発表のクロックを出品することにしました。

「Tom & T-Rex」は、MB&FとL’Epée 1839が共同製作した初めての、かつユニークな「T-Rex」クロックであり、一般販売は、2019年8月末を予定しています。

「Tom & T-Rex」と、のちに発表されるT-Rexメインコレクションとの違いとは?それは、この恐竜のような姿のロボットの上に配された、幼い子どもの存在です。T-Rexに乗る少年は、この恐竜に守られている存在であり、友達でもあります。MB&FとL’Epéeはこの少年をトムと名付けました。



トムは、歩行などの基本的な運動機能が徐々に失われていく変性疾患、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを患う子どもを表しています。毎日辛い現実に向き合うトムは、想像したこともないような素晴らしいアドベンチャーへと連れて行ってくれるT-Rexに友情を感じています。高さ4.3cmのこの少年は、26.5cmのT-Rexの5分の1以下の大きさです。実寸で考えると、平均的なマンションの2階の高さに座っていることになります。あどけなく、か弱い姿で静かにあぐらをかいているトムは、手の中にある透き通った青色のムラーノガラスを見つめています。きっと別の世界を想像しているのでしょう・・・



子どもたちには豊かな想像力があります。病気や障がいによって生活が制限されている子どもたちは、なおさらです。T-Rexは、すべてを見通すサイボーグの目でしっかりと見守りながら、大地を揺るがす恐竜のような歩みで、空想の世界へと少年を連れ出し、この小さな友達に、自由になれる場所を提供しているのです。ムラーノ手吹きガラスで作られた「目玉」は、時計のダイアルにもなっていて、ドーナツ状のパーツの中央から伸びる、曲線を描く2つの針が時間と分を示します。



T-Rexは、病を患う子どもの日常を支える要素を表すメタファーです。つまり、元気をもたらす想像力や、いつの日か待望の治療法をもたらす科学的進歩を表しています。これらの象徴的な要素は、最初に目を引く印象的なパーツであると同時に、その背後には、最高品質の時計製造の伝統にのっとった、確かな機械機構を備えています。精緻に仕上げられた201点の構成部品からなる機械式手巻きムーブメントはすべてL’Epée 1839の社内で考案・製造されたもので、2.5Hz(18,000vph)で振動するテンプが正確に時を刻み、パワーリザーブ8日間を実現するシングルバレルによって駆動しています。時刻を設定する際は、鍵をムラーノガラスのダイアルの中央に差し込んで行い、パワーリザーブの巻き上げは、同じ鍵を、ムーブメントの背面に差し込んで行います。



T-Rexの素材は主に、パラジウムコーティングの真鍮、ブロンズ、ステンレススチールとムラーノガラス。強い材質と壊れやすい材質を組み合わせているため、この大胆なデザインの実現には強度バランスという課題がありました。T-Rexの脚は、しっかりと固定されているにもかかわらず、エネルギーと動きを感じさせるデザインとなっています。サンドブラストとポリッシュを組み合わせた表面仕上げによって生まれるT-Rexのボディのメリハリある輝きが、軽さと俊敏さを演出。小さなパッセンジャーを乗せて、病のない世界へと今にも走り出しそうな躍動感が表現されています。

Tom & T-Rex詳細

Tom & T-Rexは、オンリーウォッチのために作られたユニークピース。2019年秋に発表されるT-Rexメインコレクションから(デザインにアレンジを加えた上で)出品される初めての例となります。



MB&Fのすべてのクロックと同様、T-Rexはスイスの一流クロックメーカー、L’Epée 1839とのコラボレーションにより生まれた時計です。T-Rexのデザインは、MB&FとL’Epéeがこれまでに共同製作した10点のクロックの中でも、Octopod(オクトポッド)やArachnophobia(アラクノフォビア)といった生物界からインスピレーションを受けたクロックのデザインに近いものとなっています。色付きのムラーノガラスのような素材を使用している点は、Medusa(メデューサ)のデザインを思わせます。知覚を司る「目玉」がメインボディになっているT-Rexは、概念上は、Balthazar(バルタザール)、Melchior(メルヒオール)、Sherman(シャーマン)などのロボット型置時計のグループに属します。

T-Rexの脚は、ティラノサウルス・レックスの実際の骨をモデルにしたもので、恐竜の化石の3Dスキャンを参照するなど、最終デザインでのリアルさを追求しています。



MB&Fのその他のオンリーウォッチ向けクロックと同様、Tom & T-Rexのデザインには、このチャリティおよびその理由と深い関わりのある特別なパーツが追加されています。それは、T-Rexに乗り、ムラーノガラス製の神秘的なライトブルーのガラス玉を持つ、のパラジウムコーティングのブロンズ製の幼い少年です。

またT-Rexの「目玉」を表すドーナツ型のダイアルにも、同じく手吹きのムラーノガラスが使用されています。この「オンリーウォッチ」向けのユニークピースには、ライトブルーに彩色されたムラーノガラスが使われていますが、後日発表されるコレクションでは、レッド、ディープブルー、グリーンのムラーノガラスが使用されます。

T-Rexの中心部で時を刻むのは、2.5Hz(18,000vph)のテンプをはじめとする、138点の部品で構成されたムーブメントです。時刻の設定は、鍵をムラーノガラスのダイアルの中央に差し込んで行い、8日間のパワーリザーブの巻き上げは、同じ鍵を、ムーブメントの背面に差し込んで行います。

オンリーウォッチ

2005年に創設され、モナコ筋ジストロフィー協会が主催し、モナコ公国アルベール2世大公殿下の後援のもとに開催される「オンリーウォッチ」は、隔年実施の時計専門オークションで、ユニークピースのみが出品されます。落札で得られた収益は、神経筋疾患、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療・研究のために寄付されます。このオークションは、これまでに7回開催され、合計4,000万ユーロを超える収益をあげています。

2019年のオンリーウォッチはジュネーブで開催される予定で、このオークションが同市で実施されるのは2回目。オークションに出品される時計は、モナコ・ヨットショー(2019年9月25日–28日)で披露された後、アジア、中東、米国、ヨーロッパの順に世界各地で巡回展示されます。

オンリーウォッチ 2019は、11月9日(土)に開催が予定。この世界初の時計専門チャリティオークションは、2回目となる今回も、豊かな経験と専門知識を誇るオークションハウス「クリスティーズ」の協力を得て実施されます。

Tom & T-Rex:技術仕様

「Tom & T-Rex」は2019年オンリーウォッチ・チャリティオークションのために製作されたユニークピース。
T-Rex限定コレクションは2019年8月後半に発表予定。

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時と分

寸法
サイズ:308 mm(高) x 258 mm x 178 mm
部品総数(ムーブメント ボディ)201
重さ:約2kg

ボディ/フレーム
ダイアルとガラス玉:ムラーノ手吹きガラス
素材:ステンレススティール、パラジウムコーティングの真鍮、ブロンズ
手仕上げ:ポリッシュ、サテン仕上げ、サンドブラスト
ボディ構成部品:63

エンジン
L’Epée 1839による自社設計・自社製造の空中ムーブメント
テンプの振動数:2.5Hz(18,000vph)
パワーリザーブ:8日間
ムーブメント構成部品: 138
石数:17
時刻合わせ:同じ巻き鍵を、時刻の設定(ダイアルの中央)とムーブメントの巻き上げ(背面のバレル軸)に使用

L’EPEE 1839 –スイス第一級の時計製造所


L'Epéeは175年以上、置時計製造の最前線を歩んでいます。今日、高級置時計製造に特化したスイス唯一の専門メーカーとなっています。Auguste L’Epée(オーギュスト・レペ)がブザンソン近郊で1839年に創業したL'Epéeは当初、オルゴールと腕時計の構成部品製造に携わっていました。L’Epéeの顕著な特徴は、全ての部分が手作りであることです。



1850年以来、製造所は目覚まし時計、置時計、ミュージカルウォッチに特化したレギュレーターのメーカーとなり、「プラットフォーム」エスケープメント生産においてリーダーシップを発揮しました。1877年までに、年間24000点のプラットフォームエスケープメントを製造していました。同製造所は、アンチノッキング、オートスタートそしてコンスタントフォースエスケープメントなど特殊なエスケープメントの特許を多数保有する著名な専門メーカーであり、また現在世に知られている複数の腕時計メーカーへのエスケープメントのサプライヤーでもあります。L'Epéeは、国際展示会において数々の金賞を獲得しています。

20世紀には、L'Epéeは最高級旅行用携帯時計でその評判を高めましたが、多くの人にとってL'Epéeは影響力と権力を持った人が所有する時計であり、フランス政府関係者から上流階級ゲストへの贈与品としても選定されていました。 1976年にコンコルドが超音速航空機として商業就航した際には、L'Epéeの柱時計が客室の装備時計として選定され、乗客への時間の視覚的フィードバックに使われていました。 1994年には、L'Epéeはチャレンジ精神に突き動かされ、調整された振り子が付いた世界最大の時計Giant Regulator (ジャイアント・レギュレーター)を構築しました。 高さ2.2メートル、重さ1.2トン、機械式ムーブメントだけでも120キロの重さがあるこの時計製造には、2800人時の作業を要しました。

L'Epéeは現在、スイス、ジュラ山脈のドレモンに拠点を置いています。L’Epée1839は CEOのアルノー・ニコラス主導の下、洗練されたクラシックな旅行用時計、現代のデザインクロック(Le Duel)、およびアバンギャルドなミニマリスト時計(La Tour)ラインナップを含む、最高級置時計のコレクションを展開しました。 L’Epéeの時計は、レトログラード・セコンド、パワーリザーブインジケーター、万年カレンダー、トゥールビヨン、および打鈴機構を含むコンプリケーションを特徴としており、すべてが社内でデザイン・製造されています。 超長時間のパワーリザーブは、最高水準の仕上げと共にブランドのシグネチャーとなっています。

MB&F – コンセプトラボの誕生

2019年、世界初の時計製作専門コンセプトラボとして傑出した創造性を誇るMB&Fは、設立から14年目を迎えた。ブランドはこれまでに16種類の秀逸なキャリバーを開発し、それらをベースにして製作されたオロロジカルマシンとレガシー・マシンは高い評価を得てきた。そして現在も、創業者でありクリエイティブディレクターでもあるマキシミリアン・ブッサーのビジョンに基づき、従来の時計作りの殻を破ってキネティックアートを思わせる立体感豊かな作品を生み出し続けている。

マキシミリアン・ブッサーは高級腕時計ブランドで15年管理職を務めた後、2005年ハリー・ウィンストンのマネージングディレクターを辞任、MB&F(マキシミリアン・ブッサー&フレンズ)を創立。MB&Fは、ブッサーが尊敬し、働く喜びを分かち合うことのできる才能あるオロロジカル職人を集め、先鋭的なコンセプト・ウォッチのデザインと小規模生産を行う芸術的なマイクロエンジニアリング・ラボなのである。

2007年、MB&Fは初のオロロジカルマシンHM1を世に送り出した。HM1の彫刻のような立体的なケースと美しく仕上げたエンジン(ムーブメント)は、同社の風変わりなオロロジカルマシンの基準となり、その後、時を告げるためというより、「時を語る」マシンが数多く生み出されていく。こうして製作されたオロロジカルマシンでは、宇宙(HM2、HM3、HM6)や大空(HM4、HM9)、道(HM5、HMX、HM8)、水中世界(HM7)を探索するマシンがイメージされている。

2011年には、MB&Fはラウンドケースのレガシー・マシン コレクションを発表。これらはMB&Fにとってよりクラシカルなもので、現代的な芸術品を創作するために往年の偉大な時計製造革新者とは異なる視点で複雑機構を解釈し、19世紀の腕時計製造の卓越性への敬意を払っている。LM1及びLM2に続いて発表されたLM101は、全て自社開発したムーブメントを搭載する初のMB&Fマシン。そして、コレクションの幅をさらに広げるレガシー・マシン・パーペチュアルとレガシー・マシン・ スプリットエスケープメントの登場。MB&Fは現代的で型破りのオロロジカルマシンと、歴史からインスパイアしたレガシー・マシンを交互に発表している。2019年は史上初のレディース用MB&Fマシン「LM フライングT」の制作によりターニングポイントを迎えた。

MB&Fの「F」が「フレンズ」(Friends)を表していることから分かるように、優れたアーティストや時計職人、デザイナー、様々な分野の製造業者をブランドにとっての「フレンド」と考え、協力関係を築くことはごく自然な成り行きだった。
そうした姿勢がブランドにもたらしたのが、パフォーマンスアートとコラボレーション作品という新たな2つのジャンルだった。パフォーマンスアート・モデルは、創造性豊かな社外のフレンドがMB&Fのマシンをベースにしてアレンジを加え、新たな形で表現した作品だ。一方、コラボレーション作品は、腕時計ではなく別のタイプのマシンで、MB&Fのアイデアとデザインに基づいて独創的なスイスのマニュファクチュールが設計、製造する。レペ1839と共同で製作されたクロックなど、コラボレーション作品の多くは時を告げるマシンだが、リュージュやカランダッシュとのコラボレーションでは別の種類のメカニカル・アートが創作された。

ブッサーは、こうして誕生したあらゆるマシンに、その魅力を発揮できる舞台を与えるため、従来型のブティックに陳列するのではなく、他のアーティストによる多彩なメカニカル・アートとともにアートギャラリーに展示することを思いついた。このアイデアにより、ジュネーブに最初のMB&F M.A.D.ギャラリーが設立され(「M.A.D.」はMechanical Art Devices:メカニカル・アート・デバイスの略)、その後台北、ドバイ、香港にもM.A.D.ギャラリーがオープンする。

MB&Fがこれまでに成し遂げた革新的な成果に対しては、いくつもの権威ある賞が与えられてきた。全てを網羅することはできないが、名高い「ジュネーブ時計グランプリ」においては4つもグランプリを獲得している。2016年にはレガシー・マシン・パーペチュアルが「ベストカレンダー ウォッチ賞」を受賞。2012年にはレガシー・マシン No.1が「パブリック賞(時計ファンによる投票)」と「最優秀メンズウォッチ賞(プロの審査員による投票)」をダブル受賞。また2010年の同グランプリでは、HM4サンダーボルトで、「最優秀コンセプト&デザインウォッチ賞」を受賞。そして2015年には、HM6スペースパイレートが、国際的な「レッドドット・デザイン賞」において最優秀賞である「レッドドット:ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞した。

詳細についてはこちらまでお問い合わせください:
Charris Yadigaroglou, MB&F SA, Rue Verdaine 11, CH-1204 Genève, Switzerland
Eメール:cy@mbandf.com 電話:41 22 508 10 33