グルーベル フォルセイ ハンドメイド 1 完全な手作業による時計製造の頂点

 From : Greubel Forsey (グルーベル フォルセイ )
グルーベル フォルセイの「ハンドメイド 1」は、ひげゼンマイを含む95%の部品が手持工具を使って作られています。一つのタイムピースの制作には6,000時間に及ぶ膨大な作業が必要であり、これは1人の職人が3年間かけて成し遂げる仕事量に相当します。「ハンドメイド 1」は、伝統的な時計製造をかつてない新たな頂点へと押し上げます。手作業で制作されたタイムピースで、これほどまでにレベルの高い職人技と精度を達成したものは前例がありません。時計製造の歴史の中でも唯一の存在であるこのタイムピースには、技術的な挑戦と職人たちの研鑽が最高のバランスで結実しています。様々な才能が一つになり、未来への道筋を示す傑作です。


   
産業革命を経て大量生産が普及するまでは、時計の部品は一つひとつ手仕事で制作されていました。この作業には、極めて特殊な技巧、道具、そしてすべて手動で操作する機械が必要でした。工業化が進んだ現在、手作業による熟達の職人技はほぼ姿を消し、これらの技巧は学校で教えられることすらなくなっています。ロベール・グルーベルとステファン・フォルセイは、それぞれの職業訓練と経歴の中で、試作品および修復のための交換部品という両方の分野において、手仕事による職人技巧を使って幅広い経験を積んできました。時計製造におけるかけがえのない豊かな遺産の中核には、古来から伝わるこれらの技巧が深く根付いています。Time Æon財団による冒険的なプロジェクト「Naissance d’une Montre 1」への参加、そして自らのノウハウを未来の世代に引き継ぐという決意をもって、ロベール・グルーベルとステファン・フォルセイは徹底的なこだわりを形にした「ハンドメイド 1」を創作し、前人未踏の高みに到達しました。

驚くべき挑戦

グルーベル フォルセイは、研究と創作の限界を押し広げ、かつて想像だにしなかった達成を実現するブランドとして知られています。ロベール・グルーベルとステファン・フォルセイは、すでにまったく新しい世代のトゥールビヨン「トゥールビヨン 24セコンズ」、「ダブル トゥールビヨン 30°」、「クアドラプル トゥールビヨン」を発明して完璧に磨き上げ、その才能を世間に知らしめました。これらの製品は、今では機械式時計製造における基準となっています。グルーベルとフォルセイの2人は、ナノテクノロジー分野におけるエネルギーと空間という点でも新たな展望を拓き、その創意工夫の才を証明しました。



数年にわたる「ハンドメイド 1」プロジェクトの原動力となったのが、卓越性を追求する姿勢、そして野心的な各事業でその可能性を隅々まで模索するという強い信念でした。グルーベル フォルセイが目指すのは、古くから伝わる技術や、忘れられた技巧とスキルの復興だけではありません。その目標は、これらのスキルとノウハウをかつてない至高の域へと高め、究極の精度を実現することです。それにより、発明の才に富むこの2人の時計職人を常に導いてきた不変の精神、すなわち継続的な向上を目指す姿勢を持ちながら、さらに先に進むことができるからです。彼らのゴールは、手仕事の職人技という古来の技術を蘇らせ、近代的な製造機器にも匹敵するよう、製造と精度における基準を設けて強化することです。この非凡な挑戦を果たし、古くから伝わる工具を用いてごく微細なスケールでの精度を達成するために、職人たちは伝統的な機器の力だけでは容易に実現しえない正確な技巧を会得する必要があります。こうした工具には、「手先の知性」とも言うべき精緻な感覚が不可欠です。少しでも理想に近づき、求められる品質を達成し、完璧かつ不備のない作動を確保するために、ごく些細なディテールを絶えず修正しなくてはなりません。こうした作業においては、時間の経過はそれほど問題になりません。



このように規模の大きいプロジェクトでは、既存の構造を単純に当てはめることはできず、また1、2名の時計職人では手が足りません。この壮大な試みを完遂するために、グルーベル フォルセイは自らの工房から最も高いスキルを持つ職人を集め、さらに外部からも有能な人材を募り、専門チームを構築しました。まさしく家族のようなこのチームが、完璧なチームワークで共に制作を手がけたのです。

「ハンドメイド 1」 - 時計製造の歴史に名を残す逸品

グルーベル フォルセイが、こうした未曾有の時計製造工程から生まれた結果を発表します:「ハンドメイド 1」 - トゥールビヨンを備え、時、分、秒を示すタイムピースです。この作品は、先例のない工程を辿って完成しました。手作業で制作された既存のキャリバーを、そのまま複製するという方法は問題外でした。そのため、「ハンドメイド 1」はすべてがゼロから創作されています。ムーブメントの構造、そして専門家による伝統的な機械加工と手仕上げを施した272個のムーブメント部品および36個のケース部品の一つひとつに、手作業による制作工程で使うことのできる技巧、そしてその効果を最大限に生かすための知識と努力が反映されています。どの段階でも、同じ質問が繰り返されました。それは「伝統的な工具、またはジグボーラーや旋盤のような機械を使ってこの部品をデザインするにはどうしたらよいだろうか?また、職人たちが繊細な感覚を駆使して手を動かし、卓越した精度と最高級の技巧を達成できるようにするには、どのような形状にすべきだろうか?」というものです。 



つまり、「ハンドメイド 1」のために、ごく最初の段階から、各部品の制作および装飾に携わる人々を含め、制作工程を完全に見直す必要がありました。この大胆なプロジェクトに合わせ、創造性と発明の才を活かし、新しい技術的な解決策も考案しなければなりませんでした。ムーブメントの部品の中には、こうした技術面での課題を簡便化するために、新たに設計されたものもあります。一方、トゥールビヨンなどその他の機構では、各部品を手作業で制作できるように部品の数を増やさなければなりませんでした。このタイムピースは直径43.5mm、厚さ13.5mmという比較的小さめのサイズのため、制作の難易度がさらに上がりました。

想像を超えた偉業

こうした作業を経て、ムーブメントからケース、レザーストラップ、文字盤、そして針までがすべて手仕事で制作されたタイムピースが完成しました。ただし、サファイアクリスタル、ケースのガスケット、石、主ゼンマイは例外です。95%の部品を手仕事によって制作し、これほど高水準の品質を実現するために、1本のタイムピースにつき6,000時間という驚くべき時間が費やされました。これは、1人の職人が3年間かけて成し遂げる仕事量に相当します。この合計は制作時間のみのものであり、開発工程は含まれていません。「ハンドメイド 1」 を構成する308個の部品を確保するために、グルーベル フォルセイはブランドの基準に従い、800個以上の部品を制作する必要がありました。また、トゥールビヨンキャリッジの制作には、標準的な高級トゥールビヨンに比べ35倍も長い時間が費やされました。また、「ハンドメイド 1」の歯車を1個完成させるには、工業生産の高級歯車に比べて600倍も余計に時間がかかります。



グルーベル フォルセイによるディテールへの配慮には、当然ながらタイムピースの性能も含まれます。この「ハンドメイド 1」は手作業で制作された腕時計の中でも比類のない高性能を発揮し、グルーベル フォルセイによる性能認定を取得しています。

ハンドメイドの美しさ

手作業の製造技術を極めるというグルーベル フォルセイのユニークな取り組みを経て、一つひとつの部品が物語を伝えます。それぞれに長時間におよぶ独自の開発プロセスと制作工程があり、そのすべてが、人間の目と手だけを頼りに原材料を切り出すことろから始まっています。「ハンドメイド 1」の技術的および美的な完成度の高さは一目見るだけで明らかであり、そこにはグルーベル フォルセイに特有のスタイルが表現されています。この完璧な仕上がりには、目に見える部分と同じように、ケース内部に隠された目に見えない全部品の美しさも貢献しています。



制作工程は、グルーベル フォルセイの工房で、合金を用いて、ひげゼンマイを含む調速機構を手作業で創作することから始まります。ひげゼンマイは、コンピュータによる補助のない手動の圧延装置で延ばされます。この工程には、今では間違いなく絶滅の危機にあるノウハウが必要とされます。近代的な工業生産では、数百、あるいは数千本のひげゼンマイを自動的に製造することが可能ですが、この方法では一度にわずか数本が限界です。テン輪もまた、極めて高水準の精度と仕上げを駆使し、すべて手作業で制作されます。20個の歯を一つずつカットした後、それぞれの4ヶ所の表面を研磨して作られるガンギ車は、まさに芸術的な傑作です。一方、脱進機のアンクルの機械加工および仕上げには、それだけで1ヶ月半もの作業が必要となります。



部品数69個、合計重量0.521gのトゥールビヨンキャリッジを手仕事で完成させるという作業もまた、それ自体が非常に厳しい挑戦です。伝統的なジグボーラーに備わるCNCマシンと同じ形状を複製するわけにはいかないからです。このように精巧な、まるで宙に浮いているかのようなメカニズムを構築するために、結果的に部品数を増やす必要がありました。



もちろん、ムーブメントの全部品には、最高級時計製造の伝統を忠実に継承した手作業による仕上げが施されています。これには、内側と外側の垂直面を磨き上げたブリッジ、独自のグラッテ(Gratté)装飾を施した地板、そして上下の斜面に手仕上げのポリッシュ加工を施した歯車も含まれます。



印象的なオープンダイヤルは手作業でエナメルを塗布したチャプターリングを備え、精密に成形された優雅なブルースティール針が組み合わされています。



自動旋盤を使えば、わずか十数回の工程で簡単に500個ものネジを生産できますが、「ハンドメイド 1」に使われているネジを1本作るには、その小ささにも関わらず、最大で12段階もの独立した工程が必要です。



当然ながら、18Kホワイトゴールド製ケースも、旋削工具を取り付けたパンタグラフ式機械旋盤を使って手仕事で制作されたものです。このケースには、側面の一部にサテン仕上げ、上面にポリッシュ仕上げが施されています。



年間わずか2~3本の限定生産となるこの「ハンドメイド 1」は、時計製造の歴史に名を刻む新たな傑作として、過去と未来を結び付けます。文字盤の6時位置には、“SWISS MADE(スイス製)”という通常の記述に代わり、“HAND MADE(ハンドメイド)”の文字が記されています。これは、極上のクラフツマンシップの頂点を目指し、新たな一歩を踏み出したことの証です。

価格:POR(Price On Request)


関連 Web Site

グルーベル フォルセイ
http://www.greubelforsey.com/en/

カミネ旧居留地店
http://kamine.co.jp/shop/maison/