CZAPEK QUAD DES BERGUES 定期観測(温度と精度の関係)

 By : CC Fan
私のコレクションはあまり多くありませんが、その中では屈指に気難しいクリストフ・クラーレ(CHRISTOPHE CLARET)のカンタロス(Kantharos)が里帰り中のため、最近は平日はもっぱら去年末に加わったチャペック(CZAPEK Geneve)のケ・デ・ベルク(QUAI DES BERGUES)を常用しています。


再掲:カンタロス(左)とケ・デ・ベルク(右)

カンタロスで学んだことの一つ、"積極的に使って保証が効く間に問題を炙りだす"を実践しているわけですが、新規に作られたムーブメントとは言ってもシンプルな構造のためか、特に問題も発生していません。
念のため、一日ごとにおおまかな精度を測っていますが、おおむね±5秒/日ぐらいに収まっているようです。

ケ・デ・ベルクは以前、パワーリザーブの残量によって精度が変化すると仮説を立てましたが、観察の結果、どうやら温度の影響の方が大きいようです。
腕にずっとつけて体温で温められていた日は遅れ傾向、ずっとトレイに置いて冷えた日は進み傾向でした。
また、ゼンマイの巻き方のパターンをいくつか変えて試してみましたが、パワーリザーブ切れ直前以外は特に巻き方によって精度が変わると言う事はなく、温度が支配的なようです。

カンタロスは2年間観察してムーブメントが正常に動いていれば精度はパワーリザーブ残量・装着・温度に関係なく 8秒/日程度で、月曜日朝にストップセコンドで1分程度停止させて時間を合わせるという使い方でした。
カンタロスのみの時は日差が(大きめとはいえ)変化しないのが当たり前だったのですが、今回ケ・デ・ベルクと比べたことで、もしかしてこれがコンスタントフォース機構の"ご利益"ではないかという事に思い至りました。

ケ・デ・ベルク、発注はほぼインスピレーションで、不安になったこともありましたが、使ってみて直観に従ってよかったと思える満足度です。

今月末のバーゼルワールドではジュネーブのイベントで先行公開した38.5mm版のケ・デ・ベルクが正式発表されるとともに、コンプリケーションピースのバレス・ヴァンドーム(Place Vendôme)が初公開されます。



こちらは同じデザインコードを使いながらガラッと印象を変えたピースのようです。
日本的には38.5mmの方が注目度が高そうですが。

関連 Web Site

CHRISTOPHE CLARET
http://www.christopheclaret.com/

CZAPEK Geneve
https://czapek.com/

Noble Styling
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