デュアルタイム・レゾナンス サファイア : 最高のウォッチメイキング、完璧な透明性

 From : Armin Strom (アーミン・シュトローム )


デュアルタイム・レゾナンス サファイア

最高のウォッチメイキング、完璧な透明性



Armin Stromのデュアルタイム・レゾナンス サファイアは、時計製作におけるマスターピース。2つの独立した共振するムーブメントによる精度の向上と、完全に独立した2つの時刻表示を融合させた傑作です。そして、そのムーブメントを360度露わにする華やかな透明のサファイア・クリスタル製のケース。Armin Stromのタイムピースは、ムーブメントを強調するために、それをダイアルで隠さないことで知られていますが、このサファイア・クリスタル製のケースは、まったく新しい次元への透明性をもたらせます。



Armin Stromの細やかな手作業で作られる独創的なムーブメントが全方向に露出されたデュアルタイム・レゾナンスを身につけるということは、ムーブメントを手首に乗せているようなものです。

「この新しいサファイア・ケースは、デュアルタイム・レゾナンスに注ぎ込んだ細部にいたるまでの作業や、それにかける情熱を表現する完璧な舞台になります。完全な透明性では、いかなるミスも許されませんし、私たちのフィロソフィに沿った最高級のレベルでの仕上げが求められます。」と、共同創業者であるClaude Greisler(クロード・グライスラー)は語ります。

Armin Strom社は次の2つの主な目的で、共振という現象をリストウォッチに採り入れることに関する研究開発を始めました。まず、共振を採用したコンプリケーションは、計時精度を明らかに向上させるものであるということ。そしてもうひとつは、共振現象が起きているということを視覚的に理解できるということです。

デュアルタイム・レゾナンスは、2つの独立したムーブメントが並列にセットされているのが特徴であり、共振という現象により別々のムーブメントがシンクロしているという事実をさらに強調しています。デュアルタイム・レゾナンス サファイアは、共振現象を極限までわかりやすくハイライトし、クリアなサファイア・クリスタル製のケースは、あらゆるアングルからのムーブメントの姿を明らかにします。

3年間にわたる集中的な研究開発期間の成果である、特許取得済みのレゾナンス・クラッチ・スプリングが、並列にセットされた独立したムーブメントを接続し、2つのタイムゾーンを表示することはもちろん、共振により互いの計時精度を向上させます。

独立したムーブメントにより、デュアルタイム・レゾナンス サファイアはGMT、セカンドタイムゾーン、タイマーまたはカウントダウンとしての機能を有しています。それぞれのムーブメントのパワーリザーブ表示、24時間が備わっています。

CSEM (Centre Suisse d'Electronique et de Microtechnique ? スイス電子工学・マイクロ技術研究センター)は、Armin Stromのレゾナンス・クラッチ・システムを正真正銘の共振システムであることを認定しました。Armin Stromのラボでは、共振状態に置かれた2つのCOSC級に調整されたムーブメントにおいて、15~20%の精度の向上が明らかになりました。

スクラッチ防止がなされたArmin Stromのデュアルタイム・レゾナンス サファイアは、8本の限定生産です。

デュアルタイム・レゾナンス : クリア・クリスタルの革命

ミラード・フォース・レゾナンスを導入することで、Armin Stromは、リストウォッチに共振の物理的性質を利用することの実用的で審美的な利点の両方に革命をもたらせました。ミラード・フォース・レゾナンスは、特許取得済みのレゾナンス・クラッチ・スプリングを介して共振する2つのオシレーターをダイアル側にもってくることで、共振の仕組みを分かりやすくしました。このモデルでは、ダイアルと2つのレギュレーターは、垂直にセットされた独立した2つのムーブメントの上に配置されています。



最高レベルの時計製作とマイクロ・エンジニアリングを強調するために、デュアルタイム・レゾナンスでは、垂直方向に取り付けられたムーブメント構造を、水平方向に置き換えることによって、2つの独立したムーブメントの二重性をハイライトします。それに加え、申し分のない仕上げがなされたムーブメントを鑑賞できるという魅力もあります。

Armin Stromのテクニカル・ディレクターであるClaude Greisler(クロード・グライスラー)は、こう説明します。「レゾナンス・クラッチ・スプリングを開発するにあたっての計算、その検証に要した年数を考えると、永久カレンダーやトゥールビヨンを開発するほうがより簡単だったでしょう。なぜなら、それが未知の領域だったからです。」

デュアルタイム・レゾナンス サファイアは、タイムピース鑑賞に対するあらゆる障害を取り除きました。まるで「消えて」いるかのように見えるケースの内部では、信頼性の高い共振ムーブメント、キャリバーARF17が浮遊しているかのようです。デュアルタイム・レゾナンスの透明なケースは、機能はフォルムに従うという原則に基づく水平構造のムーブメント、キャリバーARF17をハイライトします。

「透明ケースは、スイスを拠点とするサプライヤーとともに製作されました。私たちは自分たちが何をしているのかを示しています。そしてそれは完璧性ということに基づいたものです。」と創業者であるSerge Michelは語ります。「手作業でなければならないことはたくさんあります。特にこのモデルでは顕著ですが、すべてのArmin Stromのタイムピースにおける装飾を360度見せるという可能性を探りました」と続けました。

デュアルタイム・レゾナンス サファイア : サファイア・クリスタル

サファイア・クリスタル製ケースの魅力(透明性)は明らかですが、このモデルの場合、サイズが59mmと比較的大きいので、コンポーネントの切削、研磨、そしてそれらを組み上げるには困難を伴いました。



サファイア・クリスタルは、モース硬度計スケールでは、ダイアモンドの10、モアッサン石の9.5に次ぐ、9.0です。ダイアモンド・コーティングされた工具で、サファイア・クリスタルのブロックを何日もかけて切削し、コンポーネントのフライス加工がなされます。次にこれらを数日間放置し、加工の際に発生する熱による張力を結晶全体に均等に分散させます。そして、時間をかけて研磨され、くすんだ状態のものをクリアなクリスタルに仕上げていきます。

サファイア・クリスタルの最大の課題は、その極度の硬さです。あまり魅力的ではありませんが、現代的なセラミック・ケースのように、硬さは、欠け、割れ、あるいは粉々になってしまいやすい要因でもあります。サファイア・クリスタルは壊れやすいものです。そしてこれが、数多くの破損を繰り返しながらの製造プロセスを長くしてしまいます。

レゾナンスとは

動いている物体はその周囲に振動を起こします。ひとつの共振周波数と同様の固定共振周波数を有する別の物体が、これらの振動を受けると、それからエネルギーを吸収し、同じ周波数で振動を開始します。たとえば、訓練された歌手は、同じ周波数にチューニングされた音叉を振動させる声を保持することができます。

オシレーターが互いに同期できるようにするには、オシレーターを厳密に調整する必要があります。大人とステップを同期させようとする小さな子供は、そのシステムが共振するのと似ていないため、わずかなステップでシンクロすることはありません。

子供をブランコに乗せて揺らしてやることを想像してみてください。子供とブランコは、固有の振動数(前後のスイング速度)をもつ自然な振り子となります。もしあなたが間違った周波数(あまりにも早すぎる、あるいは遅すぎる)でブランコを押すと、ブランコの動きをブロックしスイングを遅くさせる可能性があります。しかしブランコが揺れている振動数(幅)またはその付近で押すと、子供とブランコの振幅(振動が動く距離)が増します。

時計学では、同期運動の現象は、Christiaan Huygens(クリスティアン・ホイヘンス 1629 - 1695)の時代からウォッチメーカーたちを魅了してきました。振り子時計の発明者であるホイヘンスは、論理的に推測される2つの別々の振り子時計の共振を最初に発見しました。共通の梁に吊り下げると、隣接する振り子は同期します、後続の研究者は、共通の木製の梁が振動を結合し、共振を生じさせることを確認しました。2つの振り子が同期したひとつの振り子として機能したのです。18世紀、Abraham Louis Breguet(アブラアム=ルイ・ブレゲ)は、二重振り子の共振クロックで物理学における優越性を実証しました。

一方を減速させる外部からの衝撃は、同じ量だけ他方の速度を増加させます。そしてやがて共振状態に戻り、お互いのリズムを見つけるように外的影響からの平均化と最小化を図ります。ホイヘンスとブレゲのクロックと同様のことがArmin Stromの腕時計にも当てはまります。

レゾナンスの利点は3つあります。
1) 計時に対する安定効果(精度の向上)。
2) エネルギーの節約(レース状況によっては他のサイクリストの影に隠れて走っている、プロのサイクリストのことを考えてみてください)。
3) テンプへのショックなどに起因する計時精度への悪影響の低減により、歩度が安定して(より正確に)維持される。

レゾナンスの長所は何世紀にもわたって知られていますが、Antide Janvier(アンティド・ジャンヴィエ、1751 - 1855)やAbraham Louis-Breguet(1747 - 1823)など、共振現象を意図的かつうまく利用したウォッチメーカーはほんの一握りです。そして今、Armin Stromがそれを実現しました。

テクニカル・インフォメーション :

デュアルタイム・レゾナンス RGMT.11.AL.L.14.FC

表示 
ムーブメント1 : 時・分表示 24時間表示 パワーリザーブ表示
ムーブメント2 : 時・分表示 24時間表示 パワーリザーブ表示

ムーブメント : Armin Storm製キャリバー ARF17
手巻き 特許取得済みレゾナンス・クラッチ・スプリング デュアル・オフセンターの時刻表示 4つの香箱
レギュレーティング・システム : レゾナンス・クラッチ・スプリングで繋がれた2つの独立したシステム
パワーリザーブ : 各ダイアル上に表示 それぞれ約110時間
サイズ : 52.55 x 39.95 x 11.67 mm
振動数 : 3.5 Hz (25,200 vph)
仕上げ : 地板とブリッジは、ファイン・ウォッチメイキングに則った仕上げ
石数 : 70
コンポーネント総数 : 419

ケース : サファイア・クリスタル
トップ、ボトムとも無反射コーティングがなされたサファイア・クリスタル
サイズ : 59 x 43.4 mm(ラグを含む)
厚さ : 13 mm
防水性 : 5気圧防水

ダイアル : ブルー ハンド・ギョーシェ

針 : ポリッシュ仕上げのステンレススティール

ストラップ : ブルーのアリゲーター ステンレススティール製のダブル・フォールディング・クラスプ





今日のArmin Strom :

Serge Michel(サージュ・ミシェル)とClaude Greisler(クロード・グライスラー)のパートナーシップ
人口15,000人のBurgdorf(ブルクドルフ)のような町で生まれ育った同じ年に生まれた子供たちは、学校、家族、共通の友人のいずれかを通じて、お互い知り合っている可能性は往々にしてあります。そのようなことが、有名なスケルトン技術をもったArmin Strom氏が、時計店とワークショップを構えていたこの町Burgdorfで育ったSerge Michel(サージュ・ミシェル)とClaude Greisler(クロード・グライスラー)にもあてはまります。この町の近郊のBienne(ビエンヌ)という街で開発製造されたSwatchブランドの時計が発表されたとき、Sergeは、ウォッチ・コレクターであった父親の影響もあり、Swatchの時計を集め始めました。それは、彼の生涯を通じて継続していくであろうと思われるものでした。Sergeがマーケティングを学び続けていたとき、Claudeはウォッチメーカーになることを決心し、最初にSolothurn(ゾロトゥルン)の時計学校に通い、LeLocleのCIFOM技術学校では、ヴィンテージやコンプリケーション・ムーブメントの修復に特化しました。そして、ムーブメント開発に特化した研究を修めました。

SergeとClaudeは若い頃からウォッチメーカーであるArmin Strom氏のことを知っていました。Sergeは彼の店の窓越しに時計を眺めていたことだけではなく、彼が、時計を顧客に届けるため遠くまで旅行をしていることで知られている地元の有名人であった事実も覚えています。Claudeも、両親がBurdorf(ブルクドルフ)の歴史的中心地であるArmin Strom氏のショップのすぐ隣で眼鏡店を経営していたため、幼い頃から彼のことを知っていました。SergeはArmin Strom氏と家族づきあいをするようになり、ディナーの場でも、話題が時計やウォッチメイキングのことになっていくこともしばしばありました。したがって、Armin Strom氏が、どのようにしてその名声と評判を確かなものにすることを考えていたことからも、家族的な付き合いから、ビジネス関係に発展していったことは、驚くことではありません。

Sergeは、「私は、これが、時計をスケルトン化するという伝統を維持し、将来に向けてそれを発展させる素晴らしい機会であると確信しました。2006年に話は戻りますが、その当時私たちにはウォッチメイキングについての知識はほとんどありませんでした。私たちは情熱を持っていましたが、時計製作における専門家が必要でした。それがClaudeでした。彼は2007年、チームに加わりました、そしてブランドとしてのArmin Stromの立ち上げ、ハンドメイドのスケルトン・ウォッチ製作から、今日の私たちの姿である、完全な設備の整ったマニュファクチュールへの方向転換へのチャレンジを始めました。」

二人のビジョンの中核となる要素は、常にムーブメントを時計の心臓部として考えることであり、それは、ブランドが独自のムーブメントを開発、製造する必要があることを意味していました。「これは、ムーブメントを設計するだけの問題ではありませんでした。」とClaudeは説明します。「私たちは、私たちが望む真鍮と、可能な限り最高のプレート、ブリッジ、ピニオンのためのスティールを加工し、電解メッキと仕上げ、そして組み立てをすべて社内で行うことができるのです。」

今日のArmin Strom : 完全に統合されたマニュファクチュール

Armin Stromは、垂直統合された完全なマニュファクチュールです。革命的なMirrored Force Resonance(ミラード・フォース・レゾナンス)のムーブメントであっても、最初はアイデアを紙に書き、それらがコンピュータ制御の設計プログラムに移されモデル化が始まります。このようにArmin Strom社では、数多くのことが社内で行われ、最終的に最小の部品を製造するために、寸法が1ミクロンの精度まで計算されたものが工作機械にインプットされます。

Armin Strom社では、エスケープメントとバランス・スプリングを除いて、大半のコンポーネントが社内で製作されています。スクリュー、ピニオン、歯車などの小さな丸い部品は、長尺のスティールや真鍮の棒を側面から歯や軸に削り落とす旋盤で製造されています。ベースプレートやブリッジのような大きめのコンポーネントは、ロボットアームでコンポーネントを移動させながら、異なる工程のためのさまざまなツールを用い、複数の軸に沿って連続的に機械加工するCNCマシーンで作られています。

より小さいブリッジ、レバーおよびスプリングのような特に小さくて繊細な部品の製作には、放電加工が用いられます。これは、ワイヤーを金属の細い小さな穴に通すことを含みます。ワイヤーを通って流れる電流は、プレート全体が浸された溶液と反応し、その結果、極少量の金属を「侵食」します。これにより、金属の構造的完全性を維持しながら、特に繊細な操作を行うことができます。実際、Armin Stromは、金属の表面にかかる応力のことを考慮して、スタンピングによる部品の製造はしていません。

仕上げ前のコンポーネントが製造されると、それらはエングレーブ、面取り、ポリッシュ、そしてサーキュラー・グレインまたはコート・ド・ジュネーブ装飾が手作業でなされ、社内にある電解メッキ部署に移されます。ここでは腐食を防止し、表面を硬化させるために、ニッケルのレイヤーを追加する前に、すべてのスティールと真鍮製のコンポーネントにゴールド・プレイトが施されます。洗浄後、部品を他の電解溶液にて、ロジウム、ルテニウムまたはローズゴールドなどの最終的な色を与えます。Armin Storm社は、独自のワークショップの中に電解メッキ部署があるおかげで、お客様は異なるコンポーネントにお好みの色をコーティングすることができます。

こうして、ムーブメントの構成するコンポーネントは、それらを組み上げるためウォッチメーカーに渡されます。石をベースプレートとブリッジにセットした後、ウォッチメーカーは輪列とゼンマイを追加します。エスケープメントとテンプが配置され、ムーブメントが動き始めます。そうしてまた完全に分解して、洗浄、乾燥させた後、再び組み上げ、潤滑します。精度のテストを数日行った後、時計が完成します。

関連 Web Site

Armin Strom
https://www.arminstrom.com/

Armin Strom YouTube Channel
https://www.youtube.com/user/arminstrom

Noble Styling
http://noblestyling.com/