レベルソ・トリビュート・ ジオグラフィーク 伝統的な複雑機構を再解釈した2つの新しいタイムピース

 From : JAEGER-LECOULTRE (ジャガー・ルクルト )




レベルソ・トリビュート・ ジオグラフィーク~伝統的な複雑機構を再解釈した2つの新しいタイムピース


ワールドタイムおよび特許取得済みの日付表示ディスクによるグランドデイト表示という、特筆すべき2つの複雑機構を統合した「レベルソ・トリビュート・ ジオグラフィーク」は、209個の部品、42時間のパワーリザーブからなる 新しい自社製キャリバー834を搭載。レーザーでカットした141個のくぼみに、手作業でラッカーを充填する洗練された職人技が可能としたマップディスクなど、卓越した時計製造技術が伝統的な複雑機構を再解釈します。


ジャガー・ルクルトは、新たに開発した自社製ムーブメント、キャリバー834を搭載したレベルソ・トリビュート・ジオグラフィークを発表します。典型的なトラベルタイム コンプリケーションの 新しい解釈であるこのモデルには、裏ダイヤルにワールドタイムを表示。ステンレススチール製ケースと18Kピンクゴールド製ケースのモデルがあり、後者は150本の限定生産です。1931年にユニークな反転式ケースが発明されて以来、90年以上にわたり革新の推進力としてレベルソが果たしてきた役割を強調したのが、この新しいタイムピースです。



スポーツウォッチからハイコンプリケーションまで – 革新は続く
1931年に制作されたレベルソは、ファッショナブルな「スポーツ・ジェントルマン」の要望を満たすようにデザインされました。1858年から1947年までのイギリス統治時代に、インドでポロ競技に興じていた軍将校らによって、ポロ競技の過酷さに耐えられる時計を制作してほしいという要望が 出されました。その答えが、デザイン性と機能性を巧みに組み合わせたレベルソでした。レベルソは、まもなく多種多様な職業のお洒落好きな人たちに愛用されるようになり、男性用および女性用の新しいバリエーションの登場によって、すぐに当初のスポーツモデルとしての用途を超えるようになりました。そのアイコニックな反転式ケース(歴史的特許CH159982)と特徴的なアールデコ調のラインは決して変わることはなく、レベルソは世界で最も有名な腕時計の1つとなりました。

レベルソは、スタイルと機能が巧みに融合したモデルとして誕生しました。アールデコの美学に根ざしたレベルソはまた、ジャガー・ルクルトの専門技術による機械的革新を体現しています。製造当初からレベルソのキャリバーは長方形のケースの曲線に沿うように設計されており、スペースを十分に活用することは、キャリバーの精度を最大限に高めるための画期的なアプローチでした。1931年、レベルソは独特な長方形のケースで、高級時計における革新と評価されました。ケースの形状に合わせたキャリバーを搭載し、衝撃や湿度、経年劣化からキャリバーを保護するために専用のケースリングがセットされていました。

技術的挑戦を乗り越えたマニュファクチュールは、1990年代初頭に再び技術的挑戦に積極的に取り組み、レベルソにハイコンプリケーションを搭載しました。1991年からマニュファクチュールは、技術的革新と美的革新の両方に対する取り組みを強調する6つの新しいレベルソ キャリバーを開発しました。いずれもケース形状に合わせたキャリバーであり、伝統的な複雑機構の一つを搭載しています。これらの複雑機構を動作させる機構は、レベルソのケースに収まるように全く新たにデザインする必要があり、また、様々な検討を行った結果、長方形ダイヤル上でバランスが良く、調和がとれ、読み取りやすい表示を新たに考案しました。1994年にはデュオ(両面ダイヤル)で革新をさらに推し進めました。デュオ(両面ダイヤル)は、裏側にもう一つのダイヤルを備えた初のレベルソです。
単なるスタイルのコントラストにとどまらず、それぞれのダイヤルが異なる機能を搭載することによって2つのフェイスが新たなクリエイティブの可能性を開き、美的表現および時計製造の独創性において、レベルソを真のキャンバスに変えました。


手首で楽しむ世界の時間
ワールドタイムウォッチは、24の主要タイムゾーンの時刻を同時に表示する実用的価値に加え、 ロマンや現実逃避の魅力を醸し出します。複雑機構の起源は、1884年にロンドンのグリニッジ子午線を基準または本初子午線として、標準化された世界時間を確立したことにあります。


初期のワールドタイムコンプリケーションでは様々な試みが行われ、1931年にジュネーブの時計技師であった ルイ・コティエが「ユニバーサル時間」機構を発明しました。
現代のワールドタイマー機構の多くは彼の発明に由来します。ジャガー・ルクルトの時計職人たちは、1958年にメモボックス・ワールドタイムで初めてこの複雑機構を制作し、メモボックス、ジオグラフィーク、ポラリス、デュオメトルなど、複数のモデルにワールドタイマーを導入しました。1998年、ジャガー・ルクルトは初めて レベルソをトラベルウォッチとして解釈したレベルソ・ジオグラフィークを発表しました。このタイムピースは、1990年代に500本の限定生産で発売された複雑機構を搭載した6つのレベルソの1つでした。2025年、ジャガー・ルクルトはレベルソ・トリビュート シリーズに初めて複雑機構を搭載します。キャリバー834のワールドタイムコンプリケーションは読み取りやすく、設定も簡単です。
ケース上部に隠されたプッシュボタンは、ケースをクレードルから取り外したときにアクセスでき、簡単に調整できます。クリック感のあるプッシュボタンによって、針を1時間単位で素早くジャンプさせて表示を修正できます。


印象的な複雑機構を引き立てる洗練された職人技と時代を超越した美意識
レベルソ・トリビュート・ジオグラフィークのダイヤルは、それ自体が傑作であり、魅力的で独特なアイデンティティを放ちます。控えめな表ダイヤルは、深みのあるブルー(ステンレススチール製 ケースモデル)またはチョコレート(ピンクゴールド製ケースモデル)のサンレイ仕上げがレベルソ・トリビュートの象徴的なデザインを引き立てます。グランドデイト表示は、ケースに調和する ポリッシュ仕上げのメタルフレームで囲まれており、そのフレームがケースと調和してケースの長方形のラインを際立たせます。円形のスモールセコンド表示は直線的なデザインと対照を成しており、ケースを反転させると現れる円形のワールドタイム表示と呼応しています。



裏側では、ワールドタイム表示がポリッシュ仕上げのケースバックにセットされています。ステンレススチール製モデルでは、ブルーの色合いのディテールがメタルのクールなトーンとコントラストを生み出します。ピンクゴールド製モデルは、ブラックとグレーのディテールが温かみを引き立てます。三層構造の表示が、視覚的な深みの効果を見事に生み出しています。都市名はケースバックに直接 エングレービングされており、開口部の内側にセットされた24時間回転リングが昼と夜を示します。センターの世界地図には経度が記されており、タイムゾーンに関する視覚的な位置関係を示します。



ジャガー・ルクルトのマニュファクチュールで自社製造される世界地図は、ラッカー仕上げとレーザーエングレービングが施されています。ステンレススチールの滑らかなディスクに陸地と経度線を残して海洋エリアをレーザーでくり抜き、海洋エリアにラッカーを充填します。地図の形が複雑で、経度線が非常に細いため、シリンジで充填量を調整しながら手作業で慎重にラッカーを入れていかなければなりません。仕上がったディスクに何度もポリッシュ仕上げを施し、完璧に均一に仕上げます。
その結果、ラッカーとメタルが光を様々に反射して繊細な立体的感を生み出します。

新しいレベルソ・トリビュート・ジオグラフィークには、ポロと乗馬用ブーツで世界的に有名なアルゼンチンのメーカー、カーサ・ファリアーノがデザインを手がけた2種類の交換可能なストラップが付属しています。ステンレススチール製モデルには、カーサ・ファリアーノが夏のポロ用に作るキャンバスとレザーのブーツにインスパイアされた、レザーとキャンバスを組み合わせたストラップが 付属します。もう1本はカーフレザーのみを使用しています。ピンクゴールド製モデルには、ゴールデンタン カーフスキンストラップとブラックアリゲーターストラップが付属します。

すべて自社で設計、製造、組立てした新しい一体型ムーブメント
レベルソ・トリビュート・ジオグラフィークのために特別に開発されたキャリバー834は、すべて 自社で設計、製造、組立てを行いました。ジャガー・ルクルトのこれまでのムーブメントと同様に、このキャリバーはモジュールの追加ではなく、完全一体型キャリバーです。ケースの輪郭に合わせてムーブメントの形を設計するというジャガー・ルクルトの哲学を考えると、これまで円形ムーブメントのために考案されていた複雑機構を長方形のレベルソのために設計することは特別な挑戦でした。



一体化されたワールドタイムコンプリケーションは、世界地図をセンターに配し、伝統的な24時間のタイムゾーンを表示します。しかし、その動作は大きく異なります。多くのワールドタイマーでは、基準都市を12時位置に設定し、24時間表示は動かず、都市ディスクが回転します。ジャガー・ルクルトはこの関係を反転させました。都市名の表示は動かず、24時間リングが回転します。複雑機構の視認性をより高め、唯一無二の機能表示を提供するために選択したデザインです。正確に時刻を 設定するため、24時間リングは1時間単位でジャンプします。時間はケース上部のラグの間に隠された控えめなプッシュボタンを使用してセットします。

グランドデイト表示は、2021年にジャガー・ルクルトのエンジニアが長方形のレベルソケース (特許CH715152)の限られたスペースに収められる新しい形の日付ディスクを開発し、特許を取得しました。このディスクは、よくある2枚の「重なる」ディスクではなく、小さな2枚の隣り合うディスク(1枚は1~9の単位用、もう1枚は10、20、30の単位用)で構成されています。1桁の日付が終わるとき、単位用ディスクの小さなフックがもう1枚のディスクに引っ掛かり、それを回転させて2桁の数字(10、11、12など)を作り出します。これにより、一方が他方より低くなることがなく、同じ平面で両方の桁を表示するため、視覚的な調和が生まれるメリットがあります。



ジャガー・ルクルトの完全一体型マニュファクチュールのひとつ屋根の下に集結された180種類の技術の真骨頂であるレベルソ・トリビュート・ジオグラフィークは、レベルソのデザインの汎用性と時代を超えた現代性を称え、ジャガー・ルクルトの計時の機械的性能と美しさの両方に革新を起こすために絶え間なく探求する姿勢を強調します。

ノナンティエム・コレクターズボックス
レベルソ・トリビュート・ジオグラフィークの限定モデルの発表とともに、ジャガー・ルクルトは、アイコニックなレベルソの誕生90周年を記念する特別なコレクターズボックスを発表します。丁寧に仕上げられたケースは、レベルソの6つの限定モデルを収納するためにデザインされ、いずれのモデルも技術革新と芸術性の頂点を体現しています。

1991年にレベルソの誕生60周年を記念して作られたコレクターズボックスからからインスピレーションを得たこの新しいボックスは、洗練されたコレクターに時計の歴史に残るアイテムを所有するという特別な機会を提供します。ボックスの6つに区切られた各コンパートメントは、独特なレベルソモデル専用であり、タイムピースの不朽の伝統と有名な複雑機構の進化を披露します。ボックス自体が、ラグジュアリー、機能性、そして時代を超越した美しさが融合した、卓越した職人技に取り組むジャガー・ルクルトの姿勢の証です。


【技術仕様】
レベルソ・トリビュート・ジオグラフィーク – ステンレススチール
リファレンス: Q714845J
税込価格:¥3,300,000


ケース:ステンレススチール
・ケースサイズ:49.4×29.9mm、厚さ 11.14mm
・防水性:3気圧
キャリバー:ジャガー・ルクルト製キャリバー834(手巻き)
・機能:時、分、スモールセコンド
・グランドデイト表示(表)
・ワールドタイム表示(裏)
・パワーリザーブ:42時間
ダイヤル
・表ダイヤル:ブルーサンレイ仕上げ
・裏ダイヤル:ブルーラッカー

ストラップ:カーサ・ファリアーノがデザインした交換可能なストラップ2本:ブルーキャンバス&カーフスキン、ブルーカーフレザー
バックル:交換可能なダブルフォールディングクラスプ


レベルソ・トリビュート・ジオグラフィーク – ピンクゴールド
リファレンス: Q714256J
150本限定モデル
税込価格:¥ 5,456,000



ケース:18Kピンクゴールド
・ケースサイズ:49.4×29.9mm、厚さ 11.14mm
・防水性:3気圧
キャリバー:手巻ジャガー・ルクルト製キャリバー834(手巻き)
・機能:時、分、スモールセコンド
・グランドデイト表示(表)
・ワールドタイム表示(裏)
・パワーリザーブ:42時間
ダイヤル
・表ダイヤル:チョコレートブラウンサンレイ仕上げ
・裏ダイヤル:ブラックラッカー仕上げ
ストラップ:交換可能なストラップ2本、ゴールデンタン カーフレザー、ブラックアリゲーター
・バックル:交換可能なピンバックル

[レベルソ]
1931年、ジャガー・ルクルトは、20世紀のデザインのクラシックとなるタイムピース、レベルソを発表しました。ポロの激しい試合にも耐えられるように作られており、すっきりとしたアールデコ調のラインと特徴的な 反転式ケースを備えたこの時計は、瞬時に識別することができます。誕生から90年間、レベルソはアイデンティティに妥協することなく自らの存在を常に変化させてきました。79種類以上のキャリバーに加え、39件の 特許を取得。何も描かれていないメタルの裏面はクリエイティブな表現のためのキャンバスとなり、エナメル、エングレービング、ジェムストーンなどで装飾が施されました。レベルソ誕生から90年以上経った今日でも、変わることなく、その誕生にインスピレーションを与えた現代の精神を象徴し続けています。



【お問い合せ】
ジャガー・ルクルト コンタクトセンター
TEL:0120-79-1833
営業時間:平日の月曜から金曜 11:00~19:00


[ジャガー・ルクルト – ウォッチメーカーの中のウォッチメーカーTM]
1833年以来、ジャガー・ルクルトは、革新性と創造性への抑えきれない渇望に導かれ、故郷ジュウ渓谷の平穏な自然環境からインスピレーションを得て、複雑機構への熟練した技術とその精度で際立った存在となっています。ウォッチメーカーTMの中のウォッチメーカーとして知られるマニュファクチュールは、1,400を超えるキャリバーの制作と430以上の特許を通して、その絶え間ない革新の精神を表現してきました。ジャガー・ルクルトの時計職人たちは、190年以上にわたる蓄積された専門知識を駆使して、最先端の精密なメカニズムの設計、 製造、仕上げ、装飾を行い、何世紀にもわたるノウハウと情熱を融合させ、過去と未来をつないでいます。時代を超え、常に時と共にあります。180種類もの専門技術がひとつ屋根の下に集結したマニュファクチュールは、その技巧に、デザインの美しさと独特で控え目な洗練とを組み合わせ、高級時計に息吹を吹き込んでいます。

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開催中のWatches & Wondersにて実機を拝見いたしました。



反転ケースの構造を活かして裏面に大きなルイ・コテェエ様式のワールドタイマーを配置。
両面文字盤のおかげで、センターに通常の12時間文字盤を配置しなくもよくなるため、よりシンプルな外観を実現できています。



ケース反転時のみ現れる12時位置に配置された大型スイッチによって1時間ごとの修正が可能です。
特殊な工具なしで操作でき、誤って操作しにくく、構造を活かしていると思います。



放射線の装飾が施されたケースと…



「なるほど!」と驚いた月末処理を実現した大型デイト表示。
詳細を解説したいですね…