チャペック 新作発表イベント

 By : CC Fan
当サイトでも何度告知していた、チャペック(Czapek)の新作発表会に参加したレポートです。
CEOのザビエル・デ・ロックモーレル(Xavier de Roquemaurel)氏をはじめとする方々の時計作りの姿勢に共感し、初作ケ・デ・ベルク(QUAI DES BERGEUS)のオーナーになり、さらには工房を訪ねたり、何度も取り上げたおかげか、知名度も上がっており、WMOを見ていらっしゃったという読者の方も参加され、ありがたい限りです。

今回は本業がおしてしまったため、プレゼンテーションには間に合わず、少し遅めに参加です。
最も尊敬し見習いたいと思っているジャーナリスト氏とは入れ替わりになってしまいました。

プレゼンテーションの様子はa-lsさん撮影の写真を。







波紋の干渉の様子を表現した、リコッシェ(Ricochet)ギロッシェ、(初代)チャペックの作品からインスピレーションを得て作られました。



a-lsさん曰く、"いつも楽しいおじさん"ことザビエル氏です。
スペシャルピースのオーナー氏と談笑中…
スペシャルピースの"12時赤のエナメルダイヤル ブルースチールのアローハンド"という意匠は新作のクロノでも使われています。

新作の前に"一夜限り"で登場したある意味一番貴重なピースを。



(初代)チャペックの懐中時計、オークションで落札し、ぎりぎりで手元に届いたためザビエル氏がハンドキャリーしたそうです。
ちゃんと動かされていました。



パテック・チャペック社(Patek, Czapek & Cie.)時代のもので、現在も残っている当時の台帳の記録を基に本物であるという証明書が発行されています…



パテック・フィリップ社から!
プレス資料では時計で隠されていましたが、パテック・フィリップ社プレジデントのティエリー・スターン氏のサインも入っています。
ムーブやケースの情報、いつ売られたかという情報がちゃんと台帳として残っているのは、流石の老舗です。
本物のGPHGのトロフィー同様、日本では二度と見られなさそうです。
むしろ、ヨーロッパでも見られるか…?



バーゼルで発表された、ブランド初のクロノグラフ、フォーブル・ド・クラコヴィ(Faubourg de Cracovie)。
チャペックを象徴するエクスクルーシブなXOスチールケースとグランフーエナメルまたはリコッシェ ギロッシェのダイヤルを持つ、"チャペックらしい"クロノグラフです。



こちらはバーゼルから改良が進んでいるものの、プロトタイプとのこと。
ムーブメントは最終的にはケ・デ・ベルクのSXH1と同様のサンドブラストとエッジ研磨を活かした仕上げになるそうです。
バーゼルではプッシャーの押し心地が怪しかったですが、改善され、クリック感が明確な感触になっていました。
10振動のため、クロノグラフの動きは滑らかに見えます。
6振動のカンタロスと比べたかった…な。





ギロッシェの感じが伝わりますでしょうか?
ケ・デ・ベルクとはまた違った表現です。



エナメルはピンぼけたので、バーゼルのものを再掲します。
ケ・デ・ベルクと同様のリューズガードにクロノグラフのプッシャーを統合して目立たないデザインになっているため、特にエナメルモデルではクロノグラフと気が付かれないかもしれません。
実用的にもプッシャーの突起が引っかかることがないため気が楽です。



ニュースを掲載したプラス・ヴァンドームのエングレーブバージョン、アカンサス(葉アザミ)の葉が彫り込まれています。

プラス・ヴァンドームは厚めでケースサイドが寂しい…と思っていたので、この意匠は非常に好印象です。



ケ・デ・ベルクのプラチナバージョンと同様、リューズガードにもエングレーブが施されています。
ちなみにプラス・ヴァンドームの場合、4時位置のリューズガードがGMT表示(セカンドタイムゾーン表示)を1時間進めるためのプッシャーです。

彫刻を施しているのは、ヌーシャテル在住のエングレーブ・アーティスト、ミシェル・ローテン・レベテス(Michèle Rothen Rebetez)氏、ザビエル氏に確認したところメゾン訪問の時にお会いした方です。



メゾン訪問の時の写真を再掲します。
ザビエル氏が持っているのはケ・デ・ベルクのプラチナバージョンのアートボードです。



リング状のエナメルダイヤルや、トゥールビヨンと対になったセカンドタイムゾーン表示など見どころが多いピースです。
ちなみにチェアマンのハリー・グール(Harry Gühl)氏に聞いたところ、プラチナ、ローズゴールドの他、非貴金属ケースも存在するとか…?
いつもと同じくチタンを希望します(とか言っていると本当にやりそうですが)。



日本でも人気が出そうな、38.5mmXOスチールケースとカラーのリコッシェギロッシェを組み合わせたケ・デ・ベルク。

左側の2本はギロッシェの上にラッカーで、右の2本はガルバニック処理で色を載せています。



この2本の色気はすごい!
赤は着けこなすのが難しそうですが、緑は比較的オールマイティに使えそうです。



42.5mmのゴールドケースとハバナ・ブラウンの文字盤を持つピースも並べてみました。
38.5mmと42.5mmはムーブメントが共通なので、並べると38.5mmのサブダイヤルの間隔があいてしまっているように感じますが、ギロッシェの場合よい感じでギロッシェが間隔を埋めるので気にならなくなります。
"詰まっている"感じとでも言いますか。



ジュネーブイベントKIHさんが提案したアイディアによって作られた、4本セット用の専用のボックス(交換ベルトを入れておく引き出し付き)です。



"カップルで共有"というKIHさん提案のユースケースに合致するオーナーは現れるでしょうか…



気分次第でこの4つが使い分けられれば幸せだと思います。



ブランドロゴも通常バージョンの箔押し?に比べ、金属をはめ込む象嵌?で作られており凝った作りです。
通常の箱と同様にポルトガルのサプライヤーによってつくられ、一般的な箱よりもコストがかかっているとのこと。
細かいところまで手を抜きません。



個人的にリコッシェダイヤルで一番好きなDLCチタンケースに黒文字盤のブラック・プリンス。
No.27では夜光は要らない!と言っていろいろやってましたが、これは夜光ありのほうがいいと思います。

ベースのデザインを次々と進化させ、思いもよらぬ見せ方を出してくるザビエル氏のアイディアには驚くばかりです。
まだまだ、"隠し玉"もありそうですし、コレクターの方に"何かアイディアはないか?ユニークピースを作ろう"と問いかけているのも印象的でした。
我こそはというアイディアをお持ちの方は是非…

というわけでイベントは大盛況…となると後は…



いつものYAKITORIです。
このようなアットホームさに惹かれたのかもしれません。
ハリー氏、ザビエル氏とはバーゼルぶりですが、日本の反応は非常に良く、彼らも日本を重視しているとのことで、色々と展開が予定されているようなので今から楽しみです!

関連 Web Site

CZAPEK Geneve
https://czapek.com/

Noble Styling
http://noblestyling.com/