アーミン・シュトローム グラヴィティ・イコール・フォース 6バリエーションが到着!

 By : CC Fan


今年の2月に創業者サージュ・ミシェル自ら来日して紹介された
アーミン・シュトロームの新しいレギュラーピース、グラヴィティ・イコール・フォース(Gravity Equal Force)。
他ブランドでは日本への訪問を取りやめることも多かった、あのタイミングでの来日は当時はいろいろ言われていましたが、現在から見ると結果的には良い決定だったのではないかと思っています。

時は経ち、スイスも再始動するタイミングで6ピースが日本に到着し、今ならまとめて拝見することができるという事で伺ってきました。



同じデザインながら、文字盤と地板の組み合わせによって表情が異なる6本。
スケルトンの為に0から構築したデザインにより、オフセットした文字盤サイドから地板と3本のブリッジ、自動巻きマイクロローター、香箱が見えるオリジナリティのあるデザインです。

一つずつ、簡単に見ていきましょう。



公式サイトのビジュアルにも選ばれたオーソドックスなグレーの地板とブラック文字盤の組み合わせ。
ブリッジや文字盤の面取り部の金属光沢とブラック文字盤のコントラストが光ります。



同じくグレーの文字盤とブルー文字盤の組み合わせ。
こちらもブラック文字盤と同様に濃色と金属光沢のコントラストが特徴的です。



文字盤のカラーが変わることで印象がガラッと変わるグレー地板とホワイト文字盤。
こちらも文字盤の内側は研磨によって金属無垢の輝きです。



化学処理によって光沢のある明るい銅色文字盤とグレー地板の組み合わせ。



地板の色で変化を与えたブルー地板とホワイト文字盤の組み合わせ。
個人的には今回拝見した中でベストで、後ほどより詳しく見ます。



最後は濃色×濃色のアントラサイト地板とアントラサイト文字盤の組み合わせ。
文字盤と地板が暗いことでブリッジとマイクロローター、香箱と言った金属部品の存在感が高まります。

地板と文字盤の組み合わせにはもちろんレギュラー構成がありますが、それ以外にも好きな組み合わせでカスタマイズピースとして注文することができます。
いくつかの軸で見てみましょう。



地板の色を固定して文字盤の色を変えるとどうなるかの図(ホワイト文字盤を参加させ忘れていたことを書いていて気が付いています)。
普通は文字盤側からはムーブメントは見えませんし、文字盤にあわせてムーブの仕様を変えるというめんどくさいことは一般的にあまりやらないので通常であれば選択肢はこれだけです。



同じ文字盤で地板違い。
淡色と濃色で印象が変わることが分かります。



濃色地板に組み合わせる文字盤を淡色または濃色にした場合。

組み合わせは有限ではありますが、レギュラーモデルしかない一般的な時計ラインナップから見れば、無限と言ってもよく、何を選んでいいのかわからなくなるかもしれません。
これは「正解」はなく、「好み」で何を選ぶか、自分が何を求めているかと向き合って決めるのが良いと思います。

と言うわけで、今回の6ピースの中で私の「好み」は濃色系のブルー地板にホワイト文字盤を組み合わせた構成でした。



決め手となったのはムーブメント側から見たときの地板の有彩色とブリッジ・歯車の無彩色のコントラストです。
ケースに対してギリギリまでの大きさのムーブメントがぎっちりと詰まっており、香箱真から出力するモーターバレルの1番車がぎりぎりまで迫っているのが分かります。
オフセットした加速輪列によってレゾナンス譲りの7振動/秒テンワまでトルクが伝わります、時分針は1番車から別に作っていますが、スモールセコンドは4番車が直接駆動しています。

マイクロローターの受けはボールベアリングではなくルビーが使われ、文字盤側からもブリッジで支える両持ちです。



この青色を写真で伝えるのは私には荷が重いかも…
マイクロローターは片巻きでローター上に設けられたバネが片方向にのみ引っかかることで巻き上げを行います。
今回気が付きましたが、モーターバレルは香箱外周から巻き上げるため、手巻きすると香箱自体が動いていることを直接観察することができ、これはなかなか見ないユニークな特徴だなと思いました。
また、巻き止めのゼネバ機構が1周に1回動いている様子もよく見るとわかります。



光の当たり方でガラッと印象が変わります。



手巻きトルクは巻き芯近くのスイングするピニオンによって直接香箱外周から伝えられ、自動巻き機構はローター中心の片方向整流用のばねがローターへの力の伝達を遮断します。



文字盤側の高低差を大きくとり立体感のある構造で、ブリッジも頼もしいがっちりとした大きさです。
ケース直径41mm 厚み12.65 mmと少し厚めで、直径方向もベゼルを最小化したデザインなので数字以上に大きく見えます。



ムーブメント側は香箱とマイクロローターを支える大きなプレートと切り落とされた部分に配置された加速輪列とテンワのコントラストを見せるような構成です。
細かい点ではよほどの高級機でも目立つ箇所以外は「切りっぱなし」にされことが多い歯車のスポークをちゃんと面取りしています。



光の当たり方で青色の表情はガラッと変わります。



光の当て方を変えて文字盤側から。



同じくムーブメント側。



リストショット。
ベゼル最小のデザインのため、大きく見えます。

個人的にはユニークさとかかっている手間を考えると価格は「破格」と言ってもいいような構成だと思いますし、カスタムピースで自分の「好み」の表現に挑戦したい気持ちはあります。
残念ながらなかなかタイミングが合いませんが…

「我こそは」と言う方は是非。



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