Breguet バーゼルワールド新作実機写真

 By : CC Fan
ブレゲ(Breguet)の新作を拝見させていただきました。
今年はブレゲがフランス海軍のために作成したマリン・クロノメーターにヒントを得たマリーンコレクションに、航海繋がりで船の位置を同定するために必要な天測に関する複雑機構のランニング・イクエーションを追加したグランド・コンプリケーション、マリーン エクアシオン マルシャント 5887(Marine Équation Marchante 5887)が筆頭ピースです。

イクエーション(均時差表示)というのは、簡単に言えば平均太陽時(普通の時間)と真太陽時(太陽が南中する時間を基準とした時間)の差を表す機能です。
この差が発生する原因は、地球の公転軌道が楕円であることと、自転の軸が公転軌道に対して垂直ではなく傾いていることによります。
原理は難解ですが、機能としてはシンプルな構造で、カレンダーに連動する一年で一回転するカム(均時差のグラフを円形状に変換したもの)をレバーが読み取り均時差の値として表示します。



バーゼルワールドで展示されていた均時差の解説とカムの形状を表したパネルです。

通常の均時差はメインの時分表示とは別に時差に相当する±の表示がサブダイヤルに表示され、平均太陽時に対する足し合わせはオーナーが行わなければなりませんでしたが、ブレゲのものは"ランニング"の名前の通り、(おそらく)差動歯車機構を使った機械的な足し合わせによって結果を連続的かつ直接的に表示します。



ホワイトゴールドケース、海をイメージさせるブルーダイヤルです。
ダイヤルにはギロッシェで波のようなパターンが彫りこまれています。

分針(6時位置近辺)のうち、通常の針の形をしているものが平均太陽時、太陽のエングレーブが付いているものが真太陽時を表しています。
ムーブメントはトゥールビヨン エクストラ・フラット 5337(Tourbillon Extra-Plat 5377)の薄型ペリフェラルローター自動巻きトゥールビヨンムーブメントに、永久カレンダーランニング・イクエーションモジュールを載せたものです。



月と曜日は窓表示、日付は先端が錨型の針で表示されるレトログラード表示です。
均時差のカムはトゥールビヨンと同軸に取り付けられられたサファイアクリスタルのディスクに固定されています。



カムとトゥールビヨン部分のアップです。
カムは内周の内周にレバー先端のルビーが当たって均時差を読み取っています。
左上に見える少し出っ張っている歯車状のものは差動歯車機構に通常の分針との時差を与えるためのラックの端だと思われます。



より斜めから見ると、ラックの存在が分かりやすくなります。



ムーブメント側です。
中心軸を持たずリング状のウェイトが周辺部を回転するペリフェラルローターのため、一見すると自動巻きには見えません。
ブリッジには帆船(Royal Louis)のエングレーブが、香箱にはコンパスローズのエングレーブが施されています。



よりクラシカルなローズゴールド・ホワイト文字盤。
真太陽時の分針が他の針と同じような色のため、また表情が違います。



こちらの方が分かりやすいかもしれない、帆船のエングレーブです。
最後に解説を含めた公式動画をどうぞ。



伝統的なスタイルのクラシック(Classique)ラインではグラン・フーエナメル文字盤を使ったモデルが追加されました。
シンプルな7174とムーンフェイズの7787です。



7174です。
ブレゲ数字・ブレゲ針とブレゲらしいスタイルで綺麗な時計です。



スモールセコンドは何も指標がないように見えますが、ダイヤルが窪んでいます。
写真には撮り辛いですが、上の写真で伝わりますでしょうか?



オフセットしたローターによる自動巻きです。



7787です。
センターセコンドに加え、長い針を使った独特のパワーリザーブインジケーターでまた違った表情です。



こちらはセンターローターの自動巻きムーブメントです。

懐中時計を思わせるトラディションは女性向けにラインナップを増やしました。
構成は男性向けと同じですが、素材・装飾の違いによって表情がガラッと変わっています。







ローターの形状も男性向けから変更されています。



ありがとうございました!

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