ラルフ ローレン NY旗艦店訪問その1 - ハイジュエリー ユニークピース、オートモーティブ、スリムクラシック コレクション

 By : KIH
今般、熱波で猛暑に見舞われていたニューヨークに出張の機会があり、週末にラルフ ローレンのブティックにお邪魔して時計を見せていただいた。やはり、ラルフローレンが誇る旗艦店。ハイジュエリー系の美しい商品に目を奪われた。数十年にもわたってトップブランドを率いるデザイナーが作る時計とはこういうものかと、感心するばかりであった。世には「デザイナーブランド」が出している時計は数多ある。しかし、ここまで王道をいくデザイン、且つ、中身・素材にまでこだわった時計作りをする「デザイナーブランド」時計は他にないのではないだろうか。

そもそも、「ラルフ ローレン ウオッチ アンド ジュエリー」という会社は、ラルフ ローレンと、リシュモンの50/50のジョイントベンチャーである。ラルフ ローレンはデザイナーブランドとしては、時計参入は実はつい最近のことである。もちろん、版権を求めて、いくつもオファーがあったとのこと。しかし、ラルフ ローレン氏は首を縦に振らなかった。彼は彼が作りたい時計があったのだが、言い寄ってくる相手は例の「ポロ」のロゴが欲しいだけで、どんな時計を作るのかわかったものじゃない。彼は、時計作りにふさわしい相手をずっと探していたのである。そして、ある日彼はリシュモングループ総裁のルパート氏と食事をする機会があった。その場で、彼が時計作りのパートナーを探していることを話すと、その場でこのジョイントベンチャーの話になりすぐに決まった、とのことである。

前置きが長くなったが、デザイナーブランドとして確固たる地位を築いているラルフ ローレン社(日本は、RL社にとって米国に次いで2番目のマーケットであり、誰でもポロマークの入ったポロシャツは持っているであろう)と、そうそうたる時計ブランドを傘下に持つリシュモングループが一緒に作る時計である。中から外まで、その辺のファッションブランド時計とはレベルが違う、ということをおわかりいただけるだろうか。


さて、ニューヨークには旗艦店とその反対側に旗艦店No.2がある。長くここにある旗艦店の住所は、867 Madison Avenue。そして、Madison Avenueを挟んで丁度反対側にあるのが、888 Madison Avenueという住所である。この2つの数字、867と888が時計コレクションの名前にもなっているのには理由があったのである。


かつては某富裕層の邸宅だったという建物をそのまま使っている、旗艦店 867 Madison Avenue。





そしてこちらが、反対側に2000年代に入ってから建て替えられた888 Madison Avenue。時計は主にこちらの建物で展示、販売されている。今回の取材もこちら側でさせていただいた。
(ポリシー上、店内の撮影は不可なので時計のクローズアップ写真のみであることをご了承下さい)




1.RL888コレクション
RL888 Deco Diamond:$888,000.- (お値段もしゃれている)

414個のバゲットダイヤモンド、13個のブリリアントカット ダイヤモンド、1つのローズカット ダイヤモンド、計17.31カラットのダイヤモンドを使い、さらにブレスレットには159個のブラックスビネルを使用し、のべ600時間以上をかけて作られた、唯一無二、たった1つしか作られなかった限定中の限定モデル。裏側には「ユニークピース」の刻印。

これははっきり言って、素晴らしいの一言。






ローズカットのリューズトップ。








ブラック スピネルが中心線を構成。






男性の腕にもいいですかね?



これぞ、保守本流のデザイナーが作る時計、という本領を見た気がします。
まだ急げば間に合いますぞ!


2.オートモーティブ コレクション

ご存知、このシリーズはラルフ ローレン氏自ら保有している、1938年 ブガッティ タイプ 57SC アトランティック クーペにインスパイアされており、特にベゼルはその内装に使われている硬い木材、アンボイナ・バールで作られている。ここから下のコレクションは、日本のブティックでも手に入ります。テクニカルな詳細は、以前レポートしたこちらをどうぞ。




45㎜ケースのトゥールビヨンモデルは、自動巻き。後ろのマイクロローターにRLのロゴが見える。全体に暗いディスプレイバックなのは、ラルフ ローレン氏が、全体を黒い印象にしたい、ということでスモーキー クリスタルになっているから。




こちらも同じくオートモーティブ コレクションのダブル トゥールビヨン。45㎜。





こちらもスモーキークリスタルだが、手巻きムーブメント。








そして、こちらはサファリシリーズのトゥールビヨン。実は、こちらの方がオートモーティブ コレクションのトゥールビヨンよりも先に作られていました。




3本揃い踏み。






3.スリムクラシック コレクション

プラチナケースの中には、ピアジェの430Pムーブメントをベースにした、RL430、超薄型ムーブメントを搭載。針はもちろん青(見えなかったらごめんなさい。。。)。ダイヤル中央もベゼルもギョーシェ彫り。ややビンテージ感がある、極めてシンプルで、ドレスウォッチとしてもビジネスにも重宝する面構え。これぞ、ドレスウォッチって感じですね。これをベースにしたミニッツリピーターも、世界で1本製作していましたね。もう売れたようです。。。。












この薄さはすごいです。




左は42㎜モデル、右は38㎜モデル。日本人には小さい方がいいか。




あまりに多いので、その1はここで終了。

その2をお楽しみに!