CARL SUCHY & SÖHNE(カール・スッキー&ゾーネ)イベントレポート CEOロベルト・プンケンホーファが来日
By : CC Fan紹介が遅くなりましたが、カール・スッキー&ゾーネのイベントのレポートをお送りします。
オーストリア、ウィーンから送り出され、スイスやドイツとはまた「一味違った」デザインセンスでの時計作りを行うカール・スッキー&ゾーネ、CEOのロベルト・プンケンホーファ氏が来日し、新作のヴィエナやクロックも持ち込まれました。

トゥールビヨンを備えたクロック、オーストリアの建築家、アドルフ・ロースのデザイン要素を抽出した縦横の格子の意匠が歯車にまで施されています。

新作のヴィエナと既作のワルツ、ロースの縦横の格子の意匠は文字盤、そしてディスク表示のスモールセコンドに使用されています、個人的にはこの意匠にたどり着いた時点でデザイン的には他との差別化に成功し、「アイコン」とも言える個性を確保したと考えています。

プンケンホーファー氏のプレゼンテーションが開始、元々アート方面で活躍していた彼がオーストリアのレガシーを引き継ぎ、オーストリアらしい時計を作りたい、と考え、古のオーストリア帝国で皇帝の時計師として活躍していたカール・スッキーの名前を復活させました。

当時のカール・スッキーの様子、この名前を引き継ぐにあたり、古典的な時計を作りそうですが、現代的な「ひねり」を加えました。

それが前述した、20世紀オーストリアの建築家、アドルフ・ロース。
モダニズム建築の先駆者として「装飾は罪悪である」という過激な主張で波紋を呼びました。
装飾が罪悪、というのは、飾りのために飾りというか「意味のない」装飾に対してであり、機能・意味がある形のみが残る、というある種の合理主義の考え方です。
縦横の直線を使ったシンプルかつ美しいデザインはロースのデザインしたガラス食器に使われた意匠であり、それを抽出して時計にアレンジしました。

ロースがデザインした、「アメリカンバー」は狭いバーですが、鏡の反射を巧みに使う事で空間が広がっているように見せています、文字盤もそこから着想を得て円形の中で完結するのではなく、縦横の直線が無限に広がる様子を想起させていくことを狙ったそうです。

オーストリア・ウィーンメイドを推進しており、特にクロックは部品の製造から組み立てまでをウィーンの時計師によって行っているそう。

初期コレクション、「ワルツ」。
ロースのデザインをもとに様々な表現に挑戦してきました。

スポーティーな「ベルヴァデーレ」。
スポーティなデザインの中に、ドレスウォッチを思わせるエレガントな要素も内包している不思議なデザインです。

何度かWMOでも取り上げましたが、「コロンブスの卵」と思い、見るたびに感心するのは日付の表示システム。
通常の日付は表示窓の位置が固定で中の数字ディスク(リング)が動くことで日付を表示しますが、ベルヴァデーレでは数字は固定で表示窓の方が1ヵ月で一周して表示するという「ありそうでなかった」方式です。
仕組みとしてはポインターデイトと同じで、ワルツがスモールセコンドの針をディスクにしたのと同じ方向性、と考えるとブランドの方針としての一貫性も見えてきます。

個人的にはやはりこのバーガンディは気になります…

ワルツのドレッシーさとベルヴァデーレのスポーティさを融合させたような新作、ヴィエナ。
ワルツよりも縦横の格子がはっきりし、ベルヴァデーレの丸型のインデックデザインの要素を引き継いでいます。
どの時計も「ありそうでない」「他とは一味違う」という独自の世界観を展開できているのは時計デザインだけではなく、アートの文脈にも造詣が深いプンケンホーファー氏の慧眼でしょうか。

そしてテーブルクロック。
デザインから製造までをオーストリア、ウィーンで行う事を重視しています。

パッシングストライカー付。

ヴィエナの中で特徴的なブルー・ダニューブ(ブルー&ホワイト)。
要素だけ見るとかなり強いものの集合ですが、綺麗にまとまっている、と感じます。
「ウィーンらしさ」を感じるカール・スッキー、プンケンホーファー氏とも久しぶりの再会でした、ありがとうございます!
【お問い合わせ】
株式会社ノーブルスタイリング
〒153-8580東京都目黒区三田1-4-1 ウェスティンホテル東京1F
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メールアドレス:info@noblestyling.com
[ROBERT PUNKENHOFER]
ロベルト・プンケンホーファは、創造的なビジョンと革新的なプロジェクトを見抜く鋭い洞察力を持つ、国際的に認められたアートとデザインのスペシャリストです。3大陸で100以上の展覧会や主要な文化的取り組みを企画してきました。代表的なプロジェクトには、アーティストのヴィト・アコンチと共にグラーツで実現したムーアインゼル、ウィーン・アート・ウィークの創設、そして愛知、サラゴサ、上海での万国博覧会におけるオーストリア館のキュレーションが含まれます。彼のアート、デザインそして精密さへの情熱は、カール・スッキー&ゾーネと深く共鳴し、先見の明あるリーダーシップによってブランドを新たな時代へ導きました。
[ERIC GIROUD]
エリック・ジルーは、現代においてもっとも影響力のある時計デザイナーのひとりです。建築家として学んだあと、1997年に時計デザインへと転向し、革新性とエレガンスをシームレスに融合させた独自のスタイルを確立しました。自分のスタジオ「エリック・ジルー・デザインワークス」では、高級時計業界の一流ブランドのために、数々の受賞歴を誇るデザインを手掛けてきました。彼の作品は、技術的な精度と芸術的なビジョンを融合させ、ウォッチメイキングの新たなスタンダードを確立しています。
[MARC JENNI]
マーク・イェンニは独立時計師であり、AHCIの元会員です。彼は最も著名な独立時計師の一人であるパウル・ゲルバー(2007年ガイア賞受賞)に師事しました。ニューヨークとスイスのティファニーで10年間勤務したのち、2008年に自身の時計製造・コンサルティング会社であるNobletimeを設立しました。以来、エクスクルーシブな時計の開発し、ブランドが洗練された時計のコンセプトを実現できるよう支援してきました。
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