関西人の名古屋の時計店訪問記~「時計宝飾ヒラノ」でMグロスマン限定などのオリジナル・モデルを見る!

 By : Guest Blog

関西人の名古屋の時計店訪問記
 by haru


ゲストブロガーとして3回目の投稿になる haru です。
 
私は大阪在住ですが、今回私用で名古屋に行ってきました 「名古屋の時計店訪問記」 と題して記事を書いてみたいと思います、宜しくお願いします。
まずは 「時計宝飾ヒラノ」 さんをレポートします。(訪問日は12月7日)
 
その前に残念なご報告ですが、先代の平野晃行氏(86歳)が10月にお亡くなりになりました。
亡くなる3日前までお元気に働いておられたそうで突然の出来事だったようです、この場を借りてご冥福をお祈りします。  
 

●ヒラノさんパンフレットから、お亡くなりになった先代の記事と今回紹介する時計の記事



では、ヒラノオリジナルモデル2本の紹介です。
 
まず最初はシュトゥットガルトに工房を置くステフェン・コルネールの作品です。
 
ステフェン・コルネール氏を簡単に紹介します。
 
東ドイツ生まれのステフェン・コルネール氏は現在43歳の時計師で、父はパン職人だったのですがステフェン・コルネール氏は宝石店に就職、そこで時計に興味を持ち時計学校に進みます。後に時計会社に就職、その後ブランパンの工房にも在籍していたそうです。
 
時計師となったステフェン・コルネール氏がロシアのペテルゴフ宮殿を訪れた時に、偶然、所蔵されている時計が動いておらず宮殿にも修復できる時計師がいないことを聞きました。そこで、修復のためのグループを結成、2002年から1年に1~2回ほど宮殿を定期的に訪れ無償で時計を修復、時計師の技術についての研鑽を積みました。
 
2002年には、アンティーク時計の修復を活動の軸とする自らの工房も設立し、いつかオリジナルブランドを立ち上げるのが彼の夢となります。その後、大学で機械工学を学び工学部を終了後、設計エンジニアとしてドイツ企業に就職もしましたが、現在は、自ら開発した工作機械を工房に導入して、彼と2名のアシスタントの、計3名で、時計デザインから製作まで行っている時計職人です。
 
ステフェン・コルネール氏の作品で今回紹介する1本目は  「コルネール・ヒラノオリジナル」


ムーブメントはユニタス6498を基盤とし、ビス止めゴールドシャトン、スワンネック型微調整装置を備えた3/4プレートを採用。ムーブ直径37mm(厚さ4.4mm)、17石、18000振動。
時計はSSケース、42mm径、5atm。
¥530,000-(税抜き)
 
ヒラノオリジナルが生まれた経緯は、「今年のバーゼル会場で会いたい」という、ステフェン・コルネール氏の1通のメールから始まります。会場のカフェでヒラノ御兄弟は、自身の作品を手にしたステフェン・コルネール氏と会います。
 
ステフェン・コルネール氏は日本でこの時計を売りたいと申し出たのですが、いくつか問題がありました…
 1.日本で販売すると、既に本国ドイツで販売されている価格よりも、大幅に上回ること。
 2.日本の時計愛好家は評価の基準が高く、日本で販売するには数か所の改良が必要と思われたこと。
それらを即座にステフェン・コルネール氏に告げたそうです。
 
まず問題1 の解決策としては、輸入元代理店を通さず、ヒラノさんと直接取引することで価格を抑えた。
問題2については、以下の3点の改良を申し出たそうです。まず
 
・1)文字盤の印字が薄く盛り上がりがない。
・2)長針が若干短くい。
・3)ペルラージュ仕上げに難がある。
 
ステフェン・コルネール氏はそれらの問題点の改良を快く引き受け、今回のヒラノオリジナルの完成となったわけです。
 
1)については、3回の印字を5回に増やし、2)は針を伸ばし、さらに針先を内側に曲げバランスを良くし、3)に関しては仕上げを均等にし、ケーシング後には見えなくなる部分まで、丁寧に仕上げました。



白っぽいシルバー文字盤、手仕上げで磨がかれたブルースチール、針先も細くケースサイドまで伸び価格以上の仕上がりです。
 メッキ処理も自社工房で行い、コハゼもベース機から改良され、時計好きの心をくすぐる心地の良い巻上げになっています。ビス止めゴールドシャトンも地盤に映えます。
 
こうして先日サンプルのモデルが完成し到着しました。
 
本国ではベゼルや竜頭の仕様の違うレギュレータ等も販売されていますが、オーソドックス・クラシカルな時計を紹介する意味で、文字盤も含め今回のデザインに決まりました。
防水性能はドイツ規格の5気圧防水、高温多湿な日本でも充分な性能と思います。
 
アフターサービスについては国内で対応出来るようにヒラノさんが調整済み、ただ小さな工房で年間50本足らずの製作を考えると、ヒラノオリジナルの入荷は年間5~6本程度が限界…、通常のラインと違い、ひと手間以上掛けての製作となるのでオーダーを頂いてから発注になりそうです。
 
ステフェン・コルネール氏の経歴・人柄、また時計の価格・仕上げ・オリジナルティ・手作り感を考えると、この価格でこんな時計がと…ワクワクドキドキする時計でした、
 ご興味を持たれた方は、入荷時期や価格・支払い等、詳細はお店のほうに一度問い合わせてください、手縫いベルトのお話など他では聞けない情報が聞けると思います♪



次にご紹介するモデルは 「モリッツグロスマン・ヒラノオリジナル」
つい先日サンプルが完成送られてきたそうです。気品溢れる独特なたたずまいのテフヌートのケース、正式発表はもう少し後らしいので、現物が見れて超ラッキーでした!


直径: 36.0 mm WGケース 限定3本  
¥3,600,000-(税別)

ケースの歪が全く無く、WGのケースに写りこむ光がケースを包み込み、RGとのコンビかと思わせるほどの美しさ…
文字盤はスモールセコンドを6時位置に備えたシンプルデザイン、名窯ドンツェ カドランが手がけたグランフーエナメル文字盤。

この文字盤が生まれた経緯はクリスティーネ・フッター社長との会話から生まれたそうです。クリスティーネ・フッター社長がヒラノさんとの繋がりを大切に思い、ドンツェ カドラン社に特別なエナメル文字盤の製作を依頼し、モリッツグロスマン・ヒラノオリジナルが誕生したのです。
ドンツェ カドラン社最高レベルの2ピース製グランフーエナメル文字盤。
 
しかし凄いのはこれだけではないのです。
ヒラノオリジナルは cal.102.2 を搭載しているのです!



通常のテフヌートは cal. 102.0


これはイェンス・シュナイダー氏の設計ではありませんでした。7時位置にスモセコを持つ限定テフヌート36 も同じです。
今回のヒラノオリジナルは、cal.102.1



これはイェンス・シュナイダー氏が再度設計を見直したもので、3/4 プレート、大型の後退式コハゼを採用、さらにコハゼの位置を外側から内側に移動、輪列も見直し、その結果、6時位置にスモールセコンドを配置する事が出来、脱進機、緩急調整装置等の改良により、よりグロスマンらしいムーブメントになったものを搭載しています。
ジャーマンシルバーのムーブメントはトリートメント無し、ハンドグレービングは昔ランゲにいた職人が担当しています。
針はブラウンバイオレット、この時計が完成するまでの間、何度かのデザイン変更と確認作業、デザインが決まってから何十枚もの文字盤が焼かれたと聞きました、その長い努力と思いから、モリッツグロスマン・ヒラノオリジナルがようやく完成しました。
私も実機を見てその美しさにタメ息しか出ませんでした。(欲しいけど…)
36mm WG ケースは小柄な日本人にはベストマッチだと思います。
この記事を読んでご興味を持たれた方は一度ヒラノさんにお問い合わせしてみて下さい。(限定3本)


最後に店内の風景です。


モリッツグロスマンやステフェン・コルネールだけでなく色々な時計の取り扱いをされています。



時計好きの秘密の隠れ家にタイムスリップしたようなお店の雰囲気です。 超マニアック!!




最後にヒラノ様、ありがとうございました。

尚、私の記憶でまとめたものですので間違い等あるかもしれませんが、時計ファンの独り言と思い聞き流してください。

最後までお読みくださりありがとうございました。
 
 
ステフェン・コルネール
https://www.facebook.com/cornehlwatches/
 
モリッツグロスマン
https://www.grossmann-uhren.com/?lang=ja
 
 
時計・宝飾 ヒラノ
http://www.gressive.jp/shopregular/index.php?action_shopregular_index=true&tenpocd=R0162