BaselWorld2018 会場外 グルーベル フォルセイ クアドラプルトゥールビヨン ADLCチタンケース

 By : CC Fan
バーゼルワールドの会場外からグルーベル フォルセイ(Greubel Forsey)の新作を紹介いたします。
初めて発表されてからモデルの追加がなかった、超複雑機構クアドラプル(Quadruple:4重 2×2)トゥールビヨンに初めて加わった非貴金属ケース、ADLCチタンケースバージョンです。
色々、因縁があり、今回初めて手に取ることができました。

軽量なグレード5チタンケースに、擦れに強く強固なADLC(Amorphous Diamond Like Carbon)コーティングを施すことで傷つくリスクを抑えています。
価格を考えると実用性ってなんだという問いになってしまうかもしれませんが、極めて実用的なピースと感じました。



二つのダブルトゥールビヨン30°がわずかに高さを変えて差動歯車で結合され、協調動作することで単体よりも精度を向上されることを狙っています。
向かって左側のトゥールビヨンは地板から飛び出ており、その部分をグルーベル フォルセイの特徴となっているアシンメトリカル(asymmetrical:非対称)ケースによって大胆に見せています。
プレス写真で見たときは違和感を感じましたが、実物は思ったよりも自然です。



ADLCチタンのブラックにゴールドの針とインデックスを組み合わせ、コントラストを強調した文字盤の視認性は抜群、こちらも実用に向いています。
実用性を重視しベルトもラバー、装着がしやすく落下のリスクを抑えるDバックルも標準装備です。



二つのトゥールビヨンそれぞれが外側240秒・内側60秒でゆっくりと回っている様子はいつまでも眺められていそうです…
精度を保証するクロノメトリックパワーリザーブは50時間と、通常のダブルトゥールビヨン30°の72時間、ダブルトゥールビヨン30°テクニックの120時間より短く、トゥールビヨンが多い分、ある意味仕方ないのでしょう。



仕上げは古典的ですが、ブリッジの分割などの設計はきわめて独創的なグルーベル フォルセイ。
トゥールビヨンはケージに切られた歯車で駆動されるので、中心のピニオンで駆動される通常のものと比べ、遮る歯車がなく、見通しが良いです。



トゥールビヨンを堪能するためのケースサイドのサファイアクリスタルによる開口部。
ADLCコーティングを施す前にケース各部の面を違う仕上げにし、コントラストをつけていることがわかります。
特にベゼルの鏡面仕上げはコーティングの定着を考えると極めて難易度が高いと思われます。



これ一本で、毎日巻き上げ、常に身に着ける…というのができればいいなと思える時計です。

余談ですが、今回の展示は光をテーマにしており、あえて自然な光の中で楽しんでほしいとのことで川沿いの自然光が差し込む部屋で、照明を切った状態で拝見させていただきました。
あまり写りが良くないとしたら私の写真撮影技術の未熟さゆえ、ご容赦を。

このほかにも魅力的なピースがいくつもあり、ブランドごとの撮影枚数はSIHHの時と同様にぶっちぎりで一位でした。
他のピースも追って報告します。

関連 Web Site

グルーベル フォルセイ
http://www.greubelforsey.com/en/

カミネ旧居留地店
http://kamine.co.jp/shop/maison/