カール・スッキー&ゾーネ レセプション @ オーストリア大使館商務部 商務参事官邸

 By : CC Fan
日本上陸ファーストデリバリー、そして自分用に購入という軌跡をお伝えしてきたオーストリア・ウィーン発のスイスブランド、カール・スッキー & ゾーネ(Carl Suchy & Söhne)のワルツNo.1(Waltz No.1)、今回ブランドを広く知っていただくためのレセプションが行われ、オーナーとプレス両方の立場で参加してきました。

今回、オーストリア大使館商務部、カール・スッキー&ゾーネ社、ノーブルスタイリング社の共同主催、会場はなんとオーストリア大使館商務部(ADVANTAGE AUSTRIA TOKYO)の商務参事官邸と、なかなか訪れることができない場所です。

大使館が密集する麻布十番の駅から、歩いて向かいます。



交差点にオーストリア大使館の案内が。



案内に従って暗闇坂を上ると、途中にオーストリア大使館(本館)が、今回の会場はここではなく、少し先にあるオーストリア大使館商務部(別館)です。



キービジュアルが掲載されています。
カール・スッキー&ゾーネのグリフォンと共に、商務部のADVANTAGE AUSTRIA TOKYOの頭文字を並べたAAのロゴも。

オーストリア大使館商務部はオーストリアと日本の貿易拡大・促進に努める機関で、50年以上にわたり、オーストリア企業の日本市場での活動をサポートしたり、逆にオーストリア企業・製品を探している日本企業への支援活動を行ってきたそうです。





オーストリア国旗とキービジュアルが再び。
オーストリア大使館商務部の2階が商務参事官邸となっており、家庭的なホームパーティー形式でイベントが行われました。



限定5個のワルツNo.1 スケルトンバージョン、日本には1本導入予定とのこと。



こちらも限定5個のブルー・ダニューブ(Blue Danube)、隠れたヒット商品だというBernard Favre(ベルナール・ファーブル)のダブル・アクシスプラネット・ウォッチワインダーにセットされてデモされています。



オーストリア大使館商務部インゴ・ローシュミット商務参事官から、オーストリアの歴史とカール・スッキー&ゾーネについてのお話が。
ブランドCEOのロベルト・プンケンホーファー(Robert Punkenhofer)氏とは古い知り合いで、参事官のご好意により今回のイベントが実現しました。
カール・スッキー&ゾーネはオーストリアの歴史では知られた偉人であり、参事官もアンティークの懐中時計をお持ちだそうです。
まさかプンケンホーファー氏が復活させるとは縁を感じたとのこと。



続いて、ロベルト・プンケンホーファー氏よりブランド、日本とのかかわりについてのお話。
氏は時計業界ではなく、アート方面のキャリアを積んできたそうです。
時計作りに関しては自身のアイディアを一流の時計師・デザイナーと共に具現化することで専業メーカーに勝るとも劣らないクオリティの作品を作り上げています。

日本とのかかわりでは、2005年に愛知県で行われた愛・地球博(愛知万博)のオーストリア館の総監督を務めていました。
万博後、息子を連れて富士山に登った話を例に出し、伝説的な偉人の名前を復活させるという事業の困難さと挑戦し甲斐を熱く語っていました。
また、万博繋がりで日本が初めて公式参加し、オーストリアで行われたウィーン万博(1873年)に日本の文化が紹介されたことが、欧州文化に影響を与え、その中で生み出されたアドルフ・ロースのミニマリズムデザインは日本でも共感を得るのではないかと述べていました。
確かに、ワルツNo.1のミニマルかつ少しひねりが効いた左右非対称のデザインは日本的な気もします。

万博の時は日本とオーストリアの間を毎月行き来していたそうで、カール・スッキー&ゾーネでも日本には積極的にアプローチしていきたい、とのメッセージで締めくくられ、ノーブルスタイリングの葛西氏にバトンタッチ。



乾杯のあいさつをする葛西氏。
今年で39年、時計業界でやってきて、そろそろ落ち着こう…と思うたびに、素晴らしい作り手・作品に出合い、まだまだ日本に紹介すべきブランドはあると一念発起すると力強い言葉が。



ブルー・ダニューブ含め、シリーズ全体で50本限定となるブラックとホワイト。
ホワイトは照明の都合で色が飛んでしまっています…



スケルトンの前で撮影に応じるキーパーソンのお三方。
そして…



ブルー・ダニューブが3本!
ワインダーにセットされた1本はプンケンホーファー氏がイベントのために持ってきたもので、この3本は既に販売済みのピースが集合しました。
実に、5分の4がイベント会場に集合していたことになります。



プンケンホーファー氏はホワイトをつけられていました。



スケルトンは縦横のギロッシェダイヤルに合わせてスリットを設けた独特なダイヤル。
一般的なスケルトンほど透けず、見えるようで見えない不思議な印象です。
よく見るとギロッシェも残っており、2本おき?に溝にしているようです。

このピースを含め、"SWISS MADE"が9時位置にあるのは、オーストリアとスイスの位置関係?と思っていましたが、プンケンホーファー氏曰く、要素の配置のバランスで、12時にはロゴ、6時にはワルツィングディスク、3時にはリュウズがあり、バランスするように9時位置に置いたとのこと。
洒落てます。



ムーブメントもブリッジがスケルトナイズドされ、ブラックに色を付けられたスペシャルバージョン。

立食形式で、オーストリア大使のお抱えシェフに特別にお願いして用意されたというオーストリア料理が振る舞われました。











どの料理も非常においしかったです。



料理をいただきながらお話を伺おうとしたところ、ファーストオーナーことKIHさんが談笑中…
あとから伺ったところ、"真面目な時計作り"という印象を受けたとのこと。

しばし、インテリアを鑑賞します。









あくまで生活空間であり、ホームパーティーのようなアットホームさです。



宴もたけなわ、といったタイミングで参事官より屋上に上がろうという呼びかけが。
屋上がテラスになっており、周囲が一望できるとのこと。



昼間はうだるような暑さでしたが、流石に暑さは弱まっています。
高層ビルから夜景を見たことはありますが、商務参事官邸の絶妙な高さから見上げるという機会はいまだかつてありませんでした。



六本木ヒルズ森タワー。



高層ビル群。



東京タワー…だと思ったのですが、もしかしてスカイツリー?

風景を見ながら、周りの方々と取り留めもなく時計談議で盛り上がりました。
しばしの夜景を堪能した後、室内に戻ります。



そして、今回のイベントで予期せぬ収穫はこれ。
プロモーションビデオの中に一瞬写るケース全体の図面です。

左下の断面図C-Cがインデックス部分の作りで、ポリッシュした別部品のインデックスを埋め込んでいることがわかります。
凹状になった文字盤がどのようにケースに固定されているかもよくわかります。

そして、右下にはパルミジャーニ・フルリエ関連会社のケースメーカー、LAB社のロゴが。
ムーブメントがボーシェ(Vaucher)の時点で薄々そんな気はしていましたが、ケースも一流のサプライヤーです。

各部品はサプライヤーから供給されますが、最終組み立てと調整は協力している時計師のマーク・ジェニー(Marc Jenii)が一人で行っているそうです。
スケルトンも最初のダイヤルは手で作ったとか…

バーゼルでも展示され、イベントのために持ち込まれた"初代"カール・スッキー&ゾーネの作品も持ち込まれていました。



時代を感じさせますが、2頭のグリフォンは同じデザインです。





懐中時計。



勲章。

最後に集合写真を。



インゴ・ローシュミット商務参事官夫妻、プンケンホーファー氏、葛西夫妻。
葛西氏だいぶ赤いような…

とても楽しく、普通は訪れないような商務参事官邸でのパーティーと、貴重な体験でした、ありがとうございます!



お土産はカール・スッキー&ゾーネとADVANTAGE AUSTRIA TOKYOの両方からいただきました。



曰く、古のレシピを復刻したというキャンディ。



I love(ハートマーク) VIENNA



ボールペンのグリップがワルツNo.1のインデックスっぽいのは偶然?

関連 Web Site

Carl Suchy & Söhne
https://www.carlsuchy.com/

Noble Styling
http://noblestyling.com/

ADVANTAGE AUSTRIA TOKYO
http://www.advantageaustria.org/jp/oesterreich-in-japan/Buero-Tokio.ja.html