ペキニエ: 破綻、清算へ? 買い手を見つけるまで3ヶ月間の猶予。

 By : KIH
スイスのニュースウェブサイト「20 minutes」によりますと、フランス唯一の高級機械式時計ブランド「ペキニエ(Pequignet)」が破綻し、ベザンソンの商事裁判所により先週水曜日に「清算」との判断をなされたようです。

裁判所は、ペキニエに対し、3ヶ月間買い手(新たな投資家)を見つける猶予期間を与えた、とペキニエの取締役会長 フローレンス サンティース氏は語りました。候補者は来年2月8日までに手を挙げなければなりません。

当社への注文は徐々に減っていきましたが、一部の顧客lはこの件に巻き込まれて注文を履行されないかもしれない、と経営陣は話しています。「ペキニエは、フランス最後の高級機械式時計メーカーであり、キャリバーロワイヤルを代表に、インハウスでムーブメントを作る能力も備えています。先述のフローレンス サンティース氏は、「このような素晴らしい会社をきっと誰かが救ってくれると信じている」と語っています。

ペキニエは2012年にも破綻寸前まで行っており、その際に、La Cie(HDDのメーカーとして有名)のマネージャーたちであった、Laurent KatzとPhilippe Spruchによって資金が投入され(当時、約200万ユーロ)、復活しました。

ペキニエは1973年に、モルトー(Morteau)という、ニューシャテル州との国境に近い場所で生まれました。2015年には470万ユーロ(約5.5億円)の売り上げがあったと言います。ペキニエは現在42人の従業員を抱えています。


今年は、高級時計ブランドにとって非常に苦しい年となっています。個人的には、日本でバブルがはじけた時と同じような感覚ではあります。要するに、一時的な需要増加と気がつかず、あまりに多くのブランドが乱立し、設備投資をし、特にイノベーションもないのに価格だけを吊り上げていった・・・。小売店も同様。しかし、賢い小売店は、一時的なブームに惑わされることなく、昔からの常連とじっくりとした付き合いをしていつも通りの業績を続けているところもあります。歴史は繰り返す・・・。

すでにオーナーとなった方達にとって、これはどういうことを意味するのか? 日本における代理店や小売店はどうなるのでしょうか。清算になった場合、何が起こるのか。犠牲になるのは、いつも顧客と従業員ですね。少なくとも、技術は何らかの形で継承して欲しいものです。


以上、またも大変悲しいニュースでした。