グルーベル フォルセイ: R&D途中経過報告 - 省スペースのムーブメント + 180日パワーリザーブの世界へ!?

 By : KIH
SIHHを前に、いつも我々を驚かせるモデルを発表してきたグルーベル フォルセイから、画期的なプロジェクトの進捗状況が入ってきました。

過去10年に亘り自社の 時計技術実験研究所で研究を重ねてきた「メカニカル ナノ」コンセプトが大きな進歩を遂げているという内容です。



まだまだ企業秘密が多く、小生も詳細には説明できませんが、彼らの目指しているものは簡単に言うと以下の4つ。

1.省スペース - 機械が占めるスペースを90%削減する
2.より多くのエネルギーを供給する - 今まで3日間のパワーリザーブだったものが180日パワーリザーブに
3.より効率的な機構に - 3分の1の部品数でパフォーマンスアップ(2016年のプロトタイプで実証済み)
4.創造性をより追求する - 今までなされたことのない複雑機構、例えばビート数のインジケーター(2014年のプロトタイプで実証済み)

2つ目となる2016年プロトタイプは、すでに研究所でテストを重ね、非常に有望な記録を残しているとのこと。


コアとなる技術は、やはりムーブメントに必要なエネルギーの省力化であり、もはや「ぜんまい」ではなく、「ムーブメント内の「空気の流れ」に求めたことにあります。結果として、従来のムーブメント対比で、10万分の1のエネルギーでムーブメントを動かすことに成功しています。


推進車(2014年プロトタイプより): エネルギー源 - 気流の乱れ。
がんぎ車を動かすエネルギーは10万分の1に。


この画期的な技術の実用化への進捗は2017年、2018年と続けていくものの、実用に耐える時計の第一号は、近い将来にお披露目になる、とグルーベル フォルセイは自信を持って言っています。

SIHH2017には間に合わないと思いますが、プロトタイプは是非取材してここでご報告したいところです。


「空気の動き」あるいは「気流の乱れ」をエネルギー源とする時計。今までにない考え方であり、非常に興味をそそりますね。できればプロトタイプを見てみたいと思いますが、いずれにせよ、SIHH2017レポートで触れたいと思います。180日パワーリザーブとは、想像を絶する世界です。グルーベル フォルセイのことですから、きっと、その180日間で誤差は1分以内とか、やってしまうかもしれませんね・・・。ものすごい世界です。


www.greubelforsey.com