トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー 機能と技術革新の画期的な飛躍

 From : VACHERON CONSTANTIN (ヴァシュロン・コンスタンタン )

トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー

機能と技術革新の画期的な飛躍



264年に渡り卓越した時計づくりを続けてきたヴァシュロン・コンスタンタンは、技術や設計の分野における有意義な革新によって揺るぎない名声を確立してきました。そして今日、ヴァシュロン・コンスタンタンが発表する「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」が備える技術は、未来の高級機械式時計の在り方を示唆しており、ある意味で着用者の要望に応えることのできるタイムピースといえます。

現代のアクティブなライフスタイルに合わせて考案された「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」は、実際に着用した場合は、高速振動で動き、文字盤に時、分、日付、月、閏年周期、パワーリザーブを表示します。着用しない時は、自社開発製造ムーブメント、キャリバー3610QPを低振動に切り替えて、時計機能を維持しながら、パワーリザーブを少なくとも65日間まで延長することができます。

機械式時計の製作において最も基本的な前提条件の一つは、香箱の主ゼンマイから出力される動力エネルギーは一定の時間しか持続せず、パワーリザーブの規定範囲を超えることはほとんどないということでした。この「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」は、主ゼンマイから得られる動力エネルギーの量を変更できる腕時計であり、高級機械式時計の製造にまったく新しい分野を開拓しました。



ヴァシュロン・コンスタンタンは、264年に渡り培ってきた時計製造の高度な専門技術を生かし、「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」に別々の振動数をもった2個のテンプを組み込むことで、この革新を成し遂げました。このような2個のテンプによる機構は、メゾンにとっても史上初の試みです。この時計では、着用するか、外して置いておくか、その状況に合わせて8時位置のプッシャーを押してテンプの振動数を2つのどちらかに設定することができます。時計を腕に着ける場合は、アクティブ・モードで機能を最大限に生かすことができ、テンプは5Hz (毎時3万6000回)で振動し、4日間のパワーリザーブが得られます。



時計を外してしばらく着けない場合に、スタンバイ・モードに変更すると、時計は1.2Hz (毎時8640回)という大幅に振動が減速したもう一方のテンプで動き続けます。これにより、パワーリザーブを少なくとも65日間まで延長することができます。「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」は、スタンバイ・モードで作動中のどの時点でもアクティブ・モードに切り替えて着用でき、カレンダー表示も実際のカレンダーと完全に一致しています。

パーペチュアルカレンダーについて

パーペチュアルカレンダーは、あらゆる高度な複雑機構の中で最も実用的な機構と一般的に考えられています。不規則な月の大小や閏年も計算に入れてカレンダーの全情報を正確に表示するパーペチュアルカレンダーは、日々の生活に役立つ便利な複雑機構です。ところが、パーペチュアルカレンダーのこうした日常生活に有用な利便性は、主ゼンマイに関する伝統的な技術の限界によって制限されてきました。
時計を着用する前にパーペチュアルカレンダーの表示を毎回セットし直さなくてはならないこともしばしばです




その一方で、ヴァシュロン・コンスタンタンの「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」は、テーブルに置いて放置した手巻きパーペチュアルカレンダーが2か月以上を経ってもカレンダーを正確に表示することが可能です。まさに名称の一部を成す「パーペチュアル(永久)」に真の意味を付与し、永遠に続く革新に新たな道を切り開くモデルとなりました

ツインビート・システムの動力と制御

ヴァシュロン・コンスタンタンの「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」に用いられている特許出願中の機械式システムは、アクティブ・モード(5Hz、毎時3万6000回振動)とスタンバイ・モード(1.2Hz、毎時8640回振動)とをムーブメントの作動や表示機能をいっさい中断することなく瞬時に切り替えることができます。



このシステムは、日本の江戸時代(1603年~1868年)に用いられた不定時法からヒントを得ています。
不定時法では、季節によって長さの違う昼夜に合わせて昼と夜の時間を6等分します。当時の和時計は、昼用と夜用の2挺の棒テンプが備わり、それらが自動的に切り替わってスピードを調整する仕組みになっていました。スイスの国際時計博物館の所蔵品にも、18世紀初頭に作られた同じ方式による日本のランタン時計があり、今回のSIHH2019においてヴァシュロン・コンスタンタンのブースに展示されます。

ツインビート・システムの鍵を握るのは、モード・セレクターです。オールオアナッシングの二択原理を採用するこのセレクターにより、一度に動くのは一方のテンプに限られます。さらにオールオアナッシングの仕組みは、2つのテンプの切り替えが瞬時に行われ、一方から他方への移行中に遅延が生じないようになっています。このような保証のおかげで、キャリバー3610QPの時計機能は、ほんの1秒さえも途切れることはなく、時刻表示が正確に保たれます。



アクティブ・モード(5Hz、毎時3万6000回振動)とスタンバイ・モード(1.2Hz、毎時8640回振動)の各テンプは、どちらも同じ主ゼンマイからの動力で動きます。エネルギー供給の点ではそれが最も効率的で、単一のパワーリザーブ表示にはこの方式しかありません。「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」の中心にあるのは、まさに効率の最優先という考え方です。それは、特にツインビートのシステムとこのシステムが体現する利便性によく表れています。

「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」の動力エネルギーの最適な消費に関するまた別の特色は、時計を長期間放置する際に選ぶスタンバイ・モード(1.2Hz、毎時8640回振動)にもあります。時計を平置きの状態でテンプを高速振動させると、エネルギーを浪費するだけで何の益もないからです。

パーペチュアルカレンダーに“パーペチュアル”を組み込む


パワーリザーブのポテンシャルを最大限引き出し、ユーザーが選択できるツインビート・システムの利点をフルに活用するために、パーペチュアルカレンダー機構は、非常に少量のエネルギーしか使用しないように改良されました。

ジャンピング式に切り替わる表示は、ムーブメントのテンプに悪影響をもたらすことで知られます。ジャンプに要するエネルギーは、テンプへと向かうエネルギーの流れに割り込むので、多くの場合テンプの振り角不足やムーブメント全体の精度低下という犠牲を払わなくてはなりません。この悪影響は、パーペチュアルカレンダーのように、複数のジャンピング表示をもつ時計では、さらに拡大します。

ヴァシュロン・コンスタンタンは、「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」の日付、月、閏年表示に対して瞬時に切り替わるジャンピング式を採用しましたが、それに合わせてジャンピング機構(特許出願中)を完全に設計し直しました。新たにスプリング付きのデュアルギアを使う複合システムにより、従来に比べ4分の1のトルクでジャンピング表示を可能にしました。この改良により、たとえ新年の深夜零時に3つの表示がすべて同時に切り替わったとしても、テンプの振り角への影響はなきに等しいものになりました。

さらなる技術的挑戦

話題騒然のパーペチュアルカレンダーや革新的なツインビート・システムといった「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」の主要な特徴を支えるために、さらに機械に関するいくつかの問題に取り組みました。

まず、ヴァシュロン・コンスタンタンは、このモデルで初めて従来の振動数を超えるテンプを導入しました。それと同時に、自社内に設けられた研究開発部門の新しいエリアは、機械式時計の規格についての根本原理に関する技術に開かれたものになりました。

その結果、非常に繊細なスタンバイ・モード(1.2Hz、毎時8640回振動)のテンプに必要な新しいひげゼンマイが特製され、その0.0774mm×0.0159mmという断面のサイズは、最も細い毛髪にも匹敵します。このスタンバイ・モード用ひげゼンマイの断面は通常のほぼ4分の1なので、アクティブ・モード(5Hz、毎時3万6000回振動)のテンプのひげゼンマイに比べてはるかに繊細です。

「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」の時と分の表示は、この時計の最も普通の部分に見えますが、シンプルどころか、実は通常の仕組みとは大きくかけ離れているのです。なぜなら、キャリバー3610QPには2つのテンプが搭載され、一度に振動できるのは、2つのうちの片方だけだからです。したがって時針と分針は、一つの時刻表示ために2系統の輪列から刻々と変化する情報を得なくてはなりません。それを実現するためにディファレンシャル・ギア(差動歯車)を導入し、針が時刻表示を維持するためのデータを1つ以上の輪列から読み取れるようにしました。

2番目の差動装置は、香箱の上にセットされており、このパーツには、主ゼンマイの巻き上げに加え、スタンバイ・モードの際に、低速振動用に特製されたひげゼンマイを装備するテンプへと向かう主ゼンマイのトルクを低減するという二重の役割があります。残る2つの差動装置は、主ゼンマイの巻き上げ量をサブダイアルで示すパワーリザーブ表示に用いられています。

これらすべてを網羅しながら、480個の部品で構成されたキャリバー3610QPは、厚さがわずか6mm、直径は32mmしかなく、まさしくマイクロエンジニアリングが成し遂げた快挙です。ヴァシュロン・コンスタンタンは、この「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」によって、コンパクト・ムーブメントの設計における専門技術にさらなる飛躍をもたらしました。

メイド・バイ・デザイン

プラチナで作られたケースは由緒正しいクラシカルなスタイルを踏襲しながらも、ハイ・コンプリケーションの威光を放つ「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」には、計算されたモダンな美的感覚が息づき、そこには古くから受け継がれる仕上げの技法も取り入れられています。

ムーブメントのプレートブリッジにはコート・ド・ジュネーブの装飾模様に加え、NACという処理が施されています。このダークカラーのコーティングは、同じように見える他の表面処理に比べて格段に耐久性を向上させます。



文字盤にはまさに18世紀に遡る技法のギヨシェ彫りとフロスト仕上げを現代的にアレンジし、その表面にクリーンな放射状のギヨシェ模様が刻まれ、サンドブラスト仕上げが施されています。この文字盤は、伝統と現代を完璧に融合するために、主要な部分を二つに分け、何工程も経て作られました。文字盤の中心部に、手彫りのギヨシェ模様で装飾したゴールドの部分を置き、それを取り囲む文字盤の外周はサファイアクリスタルで作られています。このサファイアクリスタルの部分にゴールド製のインデックスが配置され、さらに、レーザーエングレービングとインクの装填を行い、滑らかに連続して境目のない外観を作り上げています。



クラシカルなケースに、現代的な美的感覚の文字盤とムーブメントとを調和させたその姿は、「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」の基調をなすテーマ、すなわち、時を超える革新によって道を開いてきたヴァシュロン・コンスタンタンの比類なき歴史的な専門技術を今一度強調するものになっています。

技術データ

トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー

リファレンス・ナンバー
3200T/000P-B578

ジュネーブ・シール
取得

キャリバー・ナンバー
Cal.3610QP
ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造

駆動方式
機械式手巻き

ムーブメント・サイズ
直径32mm × 厚さ6mm

振動数とパワーリザーブ
アクティブ・モード(5Hz、毎時3万6000回振動) パワーリザーブ約4日間
スタンバイ・モード(1.2Hz、毎時8640回振動) パワーリザーブ約65日間

部品数
480

石数
64

表示
時、分、
瞬時切り替え式パーペチュアルカレンダー
パワーリザーブ、振動数モード

ケース
プラチナ950
サファイアクリスタルのシースルーケースバック

ケース・サイズ
直径42.0mm × 厚さ12.3mm

防水機能 3気圧(約30m)

文字盤
ゴールド製手彫りギヨシェ、スレートカラー(中心部)
シースルーサファイアクリスタル(外周部)
18Kホワイトゴールド製アプライドインデックス、および時針と分針
ブラックに酸化させたゴールド製のパワーリザーブ、 日付、月、振動数モード針

ストラップ
グレーのミシシッピ・アリゲーターレザー、
アリゲーターレザーによるライナー、手縫いサドルステッチ、
ラージ・スクエア・スケール

クラスプ
プラチナ950製クラスプ
ポリッシュ仕上げの半マルタ十字

ヴァシュロン・コンスタンタン・ブティックのみで販売

【お問い合わせ】
Vacheron Constantin
0120-63-1755(フリーダイヤル)

その他、詳細はオフィシャルサイトにて
www.vacheron-constantin.com