Ming - フィリップス オークションで快挙 + 19シリーズの最終特別限定モデル発売情報

 From : Ming (ミン)


さて、このブランドについては、「コスパの非常に優れたブランド」として何度か書いていているが、また情報を発信したいと思う。オークションに関わることだが、オークション出品というのは非常にうまいプロモーションであることは認めるが、マーケティングだけでここまでの結果を出すことはできないだろうと思ったため皆さんにもお知らせしようと思った次第。また、今年最後の新作の発表も行われたので、その販売方法なども併せてニュースとしてお知らせする。

<過去の投稿>
https://watch-media-online.com/offline/938/
https://watch-media-online.com/blogs/1043/
https://watch-media-online.com/blogs/2163/
https://watch-media-online.com/blogs/3198/
https://watch-media-online.com/blogs/3456/



ニュース その1
過日のフィリップス オークションにはMingも出品していたのである。オーナーからの出品ではなく、フィリップスらしいと言えばそうだが、ブランド自らが出品したものである。
結果を言う前に、出品されたMingの時計をチェックしたい。今回、Mingは3本セット、すべて「Concept」として、カタログモデルとはちょっと違う時計を出している。が、ベースは18.01(CHF2,950)、27.01(CHF3,950)というすでに小売価格が出ているものと、今回初めて一般に見せるクロノグラフである、20.01という3本セットだ。20.01の価格は、もし今後商品化されればという前提だが、いくらになるかは現時点ではわからないが、これまで10,000スイスフランを超える時計をMingは作っていない。個人的には是非作ってほしいモデルであるが、仮に複雑機構ということでCHF28,000としておこう。すると、ほぼ同じ時計を組み合わせると、約35,000スイスフラン程度だろう、というセットだ。

ということで、今回オークションにかけられた3本セットであるが、以下の通りである。

Manufacturer: Ming
Year: 2020

Reference No:
MING 18.01 6.39 Concept: Diver's watch
MING 20.01 S1 Concept: Chronograph
MING 27.02 Concept: Time only

Case No:
MING 18.01 6.39 Concept: P000000
MING 20.01 S1 Concept: P000995
MING 27.02 Concept: P001675

Material:
MING 18.01 6.39 Concept: Stainless Steel
MING 20.01 S1 Concept: Titanium
MING 27.02 Concept: Stainless steel

Calibre:
MING 18.01 6.39 Concept: Automatic, cal ETA 2824-2 Top Grade
MING 20.01 S1 Concept: Manual, cal. Agengraphe
MING 27.02 Concept: Manual, ETA 7001

Bracelet/Strap: Leather

Clasp/Buckle: Stainless steel pin buckles

Dimensions:
MING 18.01 6.39 Concept: 40mm Diameter
MING 20.01 S1 Concept: 41.5mm Diameter
MING 27.02 Concept: 38mm Diameter

Signed: Case, dial, movement and buckle signed

Accessories: Accompanied by a large travelling case and 3 individual wood boxes and travel pouches


<フィリップスによる商品解説>
Mingは2017年に創業した非常に小さいながらも創造的なブランドであり、一部のコレクターの間ではカルト的人気となった。それぞれのモデルは非常に少数が作られるだけであり、発表から数分で売り切れてしまうほどである。

このブランド名は、創業者でありメインデザイナーである、物理学を専攻し、その後世界的に活躍する写真家となった、Ming Thein(ミン・テイン)氏である。時計コレクターとして長いキャリアを誇るテイン氏は、自分で時計を作ることを決意し、完璧に作られ、かつ、非常にリーズナブルな値段の時計を世に出すことを決意した。

今回、この3本の「プロトタイプセット」をオークションにかけてもらうことになり、フィリップスは非常に光栄である。これらは、今まで一般に売られたことはなく、それぞれがこのブランドの「過去」「現在」そして「未来」を表している。彼らがどう始まり、そしてどこに向かっているのかを表すモデルたちだ。

過去: MING 18.01 6.39 Concept
この時計は、ブランドの初めてのダイバーズウォッチとなる時計のプロトタイプである。この最初のプロトタイプは、「アビス・コンセプト」として2019年に発表され、今般18.01 H41として発売された。18.01 H41は、今回のGPHGで、ダイバーズウォッチ部門にノミネートされている。13.8mmという厚さながら、1000mまでの深度に耐えられる設計となっている。




現在: MING 20.01 S1 Concept
この時計は、現在Mingのカタログには存在していない。まだMingが出したことのないクロノグラフである。Agenhor(Atelier GENevois d'HORlogerie - ジュネーブ時計工房 - の略、「アジェノー」と読むらしい)による革新的なAgengrapheキャリバーを改造して、手巻き時計としたもの。4本のセンター針があり、2本は時・分、2本はクロノグラフの秒と分を表す。このクロノグラフは本来であれば2020年初頭に発表の予定であったが、Covid-19によりその計画は取りやめとなっていた。






未来: MING 27.02 Concept
この時計は、今年前半に発売されている27.01という薄型ドレスウォッチの進化型である。非常にシンプルに見える時計だが、ディテールまでよく考えられたデザインである。光との関係を重視した多層ダイヤルに注目してほしい。










ということで、一応「予想価格」は「CHF40,000(約460万円)~ CHF80,000(約920万円)」であった。それだけでも、ギョッとしたが、まあご祝儀価格で40,000スイスフランくらい出す人はいるかな、程度にしか思っていなかった。蓋を開けてみれば、81,900スイスフランでの落札となった。予想上限の突破である。3本で940万円である。無論、他にも話題の時計はあり、フィリップ・デュフォーの特別なシンプリシティが1億6000万円とか、一部めちゃくちゃな値段での落札もあったようだ。世界の金余りを受けて、再び時計のオークションや中古市場が、特定の時計についてはこの世のモノとは思えない値段になっているのは確かであるし、「プロトタイプ」という言葉に誘われるお金持ちは多いだろうということも想像できる。

とは言え、この3本セットについて言えば、これのプロトタイプでないものを(クロノグラフについては想像でしかないが)通常モデルで買おうと思えば、約400万円程度であろう。それが940万円とはすごい。私見であるが、コスパが高い、としつこいように言っていたが、ある意味それは正しかったと世間も認めてくれたということだろうか。


ニュース その2
さて、次のニュースだが、19.0119.02と、確か初めてのモデルである17シリーズに続いて出てきたシリーズがついに終わりを迎える。文字盤が非常にユニークな作りだった時計で、初めてシュワルツ・エティエンヌと組んで出されたモデルだったと記憶している。そのシリーズの終了を飾る、限定15本の19.05が発売される。価格は9,950スイスフラン。どのような時計なのかはっきりとはわからないが、それも発売と同時に発表なのであろう。



しかし、18.01で経験したように、100本程度でもものの数分で売り切れてしまうのである。15本であれば、いくら時間通りにクリックしても「運」が良くなければ買うことはできないだろうし、その前にどんな時計か見ている間に売り切れてしまうだろう。なかなか難しいものである・・・。

発売開始は、11月20日GMT午後1時、すなわち日本時間では11月20日(金)午後10時、である。興味のある人はがんばってほしい。発売ページのURLは発表されていないが、https://ming.watch/ にまずはアクセス、ということのようだ。ただし、今回はクレジットカード決済ではなく、銀行送金である。ある意味、クレジットカード利用料を節約して値段に反映しているのだろう。海外送金に躊躇しない人ではないと難しいかもしれない。

とは言え、筆者も興味はあるのでぜひ挑戦したいと思っている。買えれば面白いし、買えなくても個人的にはシンプルな3針時計なら、27.01の来年の分が買えないかなあ、と思っているし・・・。ETA7001は大好きな往年の名キャリバーであるし。


いつも言っているが、個人的には一押しで今後も楽しみなブランドである(念のため言っておくが、筆者は好きなものは好き、と書くだけであり、何もこのブランドからはもらっていない)。

https://ming.watch/