MB&Fが レガシー・マシンの誕生10周年を記念して「LMX」を発表

 From : MB&F (エムビー アンド エフ )


2011年10月、人々は、MB&Fが体現しようとするものを理解していると思っていました。既に4つのオロロジカル・マシンが発表されており、そのいずれもが前作を超える大胆な個性を発揮していました。その頃、MB&Fの創業者であるマキシミリアン・ブッサーは、あらためてそれまでとは違うことをすべきだと考えたのです。では、どうすれば現状を打破できるのか?それには歴史を振り返る必要があるでしょう。但し、私たちが考えている歴史ではありません。MB&Fのオロロジカル・マシンが「想像上の未来」をもとに製作されているため、レガシー・マシンについては、「想像上の過去」から着想を得ることがごく自然な流れでした。別の言い方をすると、100年前の時計製造の黄金時代であれば、MB&Fはどのようなタイムピースを製作しただろうか、ということです。


ラウンドケース、ラッカー仕上げの文字盤、そして「フライング」テンプ

MB&Fの他の作品と同様に、レガシー・マシン No1のムーブメントはフレンドとの協働によって実現されたもので、その製作には、独特の才能を持つ時計製作のスターともいえる2人の優れたフレンドが参加しています。それは、革新的な技術で知られるジャン=フランソワ・モジョンと、伝統的な時計作りにおける生きる伝説、カリ・ヴティライネンです。

LM1は、MB&Fにとって初めてのラウンドケースで、ホワイトラッカー仕上げの文字盤とブルーの針、そして幻想的な「フライング」テンプを備えています。まるで空中に浮かぶ宇宙からの訪問者のように見えるこのテンプは、後方から吊り下げるように取り付けられており、ドーム型のサファイアクリスタルの下で振動しています。オロロジカル・マシン1~4が豊かな想像力の産物である一方、レガシー・マシン N°1は想像の世界を新たな角度から解釈することで生まれた作品です。LM1では、従来の時計製造における伝統的なデザインを活かしながら、極めて大胆な形態のムーブメントを実現。その結果として、2005年の創業以来、MB&Fで最も型破りなマシンが誕生しました。



吊り下げ型テンプが繰り広げる魅力的なスペクタクルは、レガシー・マシン コレクションを特徴づけるコンセプト面および機械面でのテーマとなりました。これにより、1つのタイムピースにおいて、時計製造の伝統を受け継ぐと同時に、全く別のスタイルを演出する方法が示されたのです。

時計に関する賞を獲得した革新的なコレクション

その後に発表されたレガシー・マシンは、このすばらしい型破りな特徴を継承。LMXの製作により、8つもの世界初の優れたキャリバーが生まれたことになります。並外れた才能を誇るもう一人のフレンド、ステファン・マクドネルが考案したLM パーペチュアル(2015年)では、評価の高いパーペチュアルカレンダー機構に根本的かつ新たな設計が施されました。LM フライングT(2019年)は、レディースウォッチに関する新しいビジョンを体現し、力強さとエレガンスを兼ね備え、飾らない、それでいて複雑なスタイルを追求しています。LM サンダードーム(2019年)は、多軸トゥールビヨンのエキスパートであるエリック・クドレにより開発され、TriAxメカニズムの驚異的な高速回転によって世界新記録を打ち立てました。これらの優れたフレンドとのコラボレーションと並行し、MB&Fはこの10年間、独自のムーブメントの構想に取り組んできました。例えばLMXのエンジンは、MB&Fの社内エンジニアリングチームによって考案された6番目のムーブメントで、21世紀に設立されたブランドにとって重要な成果です。

2011年の時点では、多くの人が、これがどれほどリスクの高い挑戦であるかを理解していませんでした。しかしMB&Fは、ほぼ全ての他の時計ブランドのデザイン環境に近づけたマシンを発表することで、設立まもないブランドのアイデンティティに賭けてみたのです。そして、MB&Fのマシンは他のタイムピースと比較されるようになりました。しかし、大きなリスクを取ると、すばらしい見返りが得られることも多くなります。レガシー・マシン コレクションは、長年にわたって幅広い称賛を受けてきました。その主なものが、時計産業における最高の栄誉とされる「ジュネーブ ウォッチ グランプリ」の4つの賞です。



レガシー・マシンによって、2011年当時のMB&Fの時計製造ラボは変わったのでしょうか?その通り、大きな変化がありました。10年前にLM1が時計製造の世界に驚きをもたらしたとき、時計産業の専門家たちは、MB&Fが製品全体(と販売)を大幅に変更し、レガシー・マシンが提案する共感性の高いデザインに移行するだろうと予想しました。その予想通りにはいかず、伝統を打ち破るオロロジカル・マシンは引き続きMB&Fの製品の主要な部分を占めていますが、10年を経て時計コレクターは、よりクラシックな感覚のレガシー・マシンも自然に受け入れるようになりました。こうしてレガシー・マシンは非常に重要な地位を確立したのです。2021年においてもMB&Fは、一見するとかなり異なる2つの方向性にマシンを展開していますが、そこには常に強固な独立性と創造性が発揮されています。

10年にわたって受け継がれるレガシー

MB&Fの世界では、ローマ数字で10を表す「X」は特別な意味を持っています。「X」は10周年を意味し、例えばHM3 フロッグX(2020年)は動物をモチーフにしたHM3の10周年を記念したマシンで、HMX(2015年)はMB&Fの創業10周年を機に製作されたモデルです。しかし「X」は、単に古くからアラビア数字の10の代わりに使われているだけではありません。代数学では「X」は未解決の変数を、地図学では目的地を示します。「X」は、言葉で表現できないもの、説明できないもの、分類できないものを表し、あらゆる未知のものを象徴しているのです。

レガシー・マシン誕生10周年記念モデル「LMX」について

2011年10月、MB&Fは、既存のオロロジカル・マシンと並行する形で、新しいコレクションの第1作としてレガシー・マシン N°1を発表しました。1つのクリエイティブラボから2つのスタイルのタイムピースが創り出されたのです。LMXでは、レガシー・マシン コレクションの最初の登場時に立ち返って、中央のフライングテンプと2つの文字盤については同様のスタイルが採用されていますが、その他の様々な点では異なるデザインとなっています。



傾斜した文字盤に表示される独立した2つのタイムゾーン

MB&Fによる最初のレガシー・マシンをよく知る人々は、LMXがどのように動作するか直感的にわかるのではないでしょうか。ホワイトストレッチラッカー仕上げの2つの文字盤には、それぞれ時・分が表示されます。右側の文字盤については、2時位置のリューズで時刻をセットします。このリューズには、MB&Fのバトル・アックス(戦斧)のモチーフのエングレービングが施されており、ムーブメントの巻上げにも用いられます。10時位置のリューズは、セカンドタイムゾーンに使用できることを示すために地球のモチーフがエングレービングされており、左側の文字盤の時刻合わせに用いられます。最初のレガシー・マシンとは異なり、2つの文字盤は斜めに傾いています。これは最近のレガシー・マシンに採用されている複雑な特徴で、この場合、円錐歯車によって水平面から垂直面に動力を伝達する必要があります。



ドーム型サファイアクリスタルの下に見ることができる時計機構

最初の数点のレガシー・マシンでは、文字盤プレートとドーム型サファイアクリスタルの間に配置されて目で見ることができるメカニズムは限られていましたが、LM パーペチュアル、LM フライングT、LM サンダードームといったその後のモデルは、よりオープンなデザインで、見事な時計機構の姿を十分に披露しています。LMXでは、この後者のスタイルが受け継がれており、バトル・アックス型エスケープメントブリッジや輪列の部品などの動作部分を眺めることができます。3つの大きな歯車がはっきり見えますが、各リューズの横に配された2つの歯車は、それぞれの時刻表示の時刻合わせを行うと作動します。6時位置の歯車は共通の秒針歯車です。



特に注目すべき点は、特別にカスタマイズされた新しいテンプでしょう。慣性ブロックを備えた13.4mmという大型のテンプは、ネジを備えた伝統的なテンプから脱却したことを示すもので、LMXの「心臓部」の調速において、より優れた精度が得られます。その他の洗練された特徴としては、文字盤プレート上に配された直線状ブリッジにおけるポリッシュ仕上げのアームが挙げられます。これらのアームは、手作業の仕上げにより上面に丸みのあるカーブを施した「ベルセ」形です。

半球型の7日間パワーリザーブ表示

LMXでは、レガシー・マシン No1に搭載された世界初の垂直パワーリザーブ表示に対する賛辞を込めて、MB&Fの歴史の一片となっているこの特徴を取り入れています。この全く新しい立体的な表示には、マシンのエンジン(ムーブメント)が誇る7日間(168時間)という画期的なパワーリザーブが示されます。この革新的な表示では、パワーリザーブ用の2つのカウント方式を選べるようになっています。この半球型表示の両側には2つのマーカーが配されており、そのうちの1つは1~7の番号が付いたアーチ型の目盛りを、もう1つは曜日を示す目盛りを備えています。



時計の構成要素をこのように複雑かつ全く新しい方法で組み合わせることで、パワーリザーブ表示自体が回転し、より複雑なメカニズムが生み出されます。これにより、パワーリザーブの表示方式を希望に応じて選択できます。パワーリザーブ残量が完全に回復した後もバトル・アックス モチーフのリューズの巻き上げを続けると、LMXの装着時に曜日目盛りまたは数字目盛りのいずれかがよく見えるように、パワーリザーブ表示の方向を調節することができます。

対称構造のムーブメント

完璧な対称形である「X」という文字と同じように、LMXのエンジンも完全な対称構造となっています。これは文字盤側だけではなく、サファイアクリスタルのケースバックを通して見える部分についても言えることです。裏側からは、中央部分の周りに均等に配置されている3つの香箱、そしてこの部分を際立たせるサンレイパターンの「コート・ド・ジュネーブ」仕上げを眺めることができます。こうした特徴は、時計のムーブメントに関する専門用語に通じている人々や、各部品の配置の背景にある専門的な意図や緻密な目的を理解する人々に、特別な楽しみをもたらすでしょう。



LMXというモデル名に含まれる「X」は、単なる対称形の象徴や、数字の10を表す文字ではありません。LMXは、レガシー・マシン コレクションの最初の10年間とその次の10年間が出合い、交差する場の象徴でもあるのです。





LMXは2つの限定エディションで展開:
- プレートとブリッジにブラックNACコーティングが施された18Kレッドゴールド製モデル(18本限定)
- プレートとブリッジにグリーンCVDコーティングが施されたグレード5チタン製モデル(33本限定)

2011年~2021年におけるレガシー・マシンの軌跡

2011年MB&Fは、伝統を打ち破る4つのオロロジカル・マシンを製作した後、レガシー・マシン No1の発表によって、クラシックな感覚のタイムピースを擁する新しいコレクションを打ち出し、時計製造の世界に驚きをもたらします。

2012年LM1が、「ジュネーブ ウォッチ グランプリ」において、「パブリック賞(時計ファンによる投票)」と「ベストメンズウォッチ賞(プロの審査員による投票)」という2つの賞を獲得しました。

2013年レガシー・マシン No2:最初のレガシー・マシンが製作されてから2年を経て、LM2が誕生。MB&Fは、著名な時計師たちによるデュアル・レギュレーター機構(二つの調速機)を備えた作品からインスピレーションを得て複雑なタイムピースを創作し、レガシー・マシン コレクションの進化に取り組みます。

2014年レガシー・マシン コレクションに、初の「パフォーマンスアート」モデルとして、中国人アーティスト、夏航(Xia Hang)とのコラボレーション作品が加わりました。LM1の垂直パワーリザーブ表示をアレンジしたインジケーターが採用されています。

機械式腕時計の本質を追求したレガシー・マシン 101を製作。LM101には、全てがMB&Fの社内エンジニアリングチームによって考案された初のムーブメントが搭載されています。

2015年ステファン・マクドネルとの協力により、従来のパーペチュアルカレンダー機構を再解釈。その結果として誕生したのが、革新的で、信頼性と操作性に優れたレガシー・マシン パーペチュアルです。

2016年レガシー・マシン コレクションに、パフォーマンスアート・モデルの第2作として、有名なフランス人デザイナーであるアラン・シルベスタインとのコラボレーションにより製作されたLM1 シルベスタインが加わりました。

LM パーペチュアルが、「ジュネーブ ウォッチ グランプリ」においてベストカレンダーウォッチ賞を受賞。

2017年再びステファン・マクドネルとコラボレーションを行い、LM スプリットエスケープメント(LM SE)を発表。このマシンでは、フライングテンプ、そして当初はLM パーペチュアル用に考案されたスプリットエスケープメント機構の美しい姿を眺めることができます。

2019年3月、レガシー・マシン コレクションから、ブランド初のレディースウォッチとなるLM フライングTを発表。

11月、レガシー・マシン コレクションに対する4つめの「ジュネーブ ウォッチ グランプリ」の賞として、LM フライングTがベストレディースコンプリケーション賞を獲得。

12月、MB&Fと著名な時計師のエリック・クドレが、世界最速の3軸レギュレーターを備えたLM サンダードームを製作することで、世界記録を樹立。

2020年MB&Fと、同じように独立系ブランドであるH.モーザー(H. Moser & Cie)が、ユニークな双方向のコラボレーションによって革新性を追求。その結果として、LM101 MB&F x H. モーザーおよびエンデバー・シリンドリカル トゥールビヨン H. モーザー x MB&Fが誕生しました。

時計製造業界における最も才能豊かな熟練のエングレービング職人の1人、エディ・ジャケとコラボレーション。ジュール・ヴェルヌの小説からインスピレーションを得て製作された、ユニークな8点のLM スプリットエスケープメント モデルからなるシリーズを発表。

レガシー・マシン コレクションから、新たに大きな進化を遂げた証として、よりアクティブな日常のために設計され、進化を表す「エヴォ」(EVO)という名を冠したタイムピースを発表。LM パーペチュアル エヴォは、単なるスポーツウォッチではなく、人生をともに歩む時計です。

2021年レガシー・マシンの誕生10周年を記念してLMXを発表。LM1の特徴を継承しながらも、全く新しい作品として仕上げられたLMXは、2つのタイムゾーンと立体的なパワーリザーブ表示を備えている一方、LM フライングTとLM サンダードームから傾斜した文字盤となめらかなラインのケースデザインを受け継いでいます。



LMX – 技術仕様

LMXは2つの限定エディションで展開:
- プレートとブリッジにブラックNACコーティングが施されたポリッシュ仕上げ18K 5N レッドゴールド製モデル(18本限定)
- プレートとブリッジにグリーンCVDコーティングが施されたポリッシュ仕上げグレード5チタン製モデル(33本限定)

エンジン:
MB&F専用に開発された三次元オロロジカルムーブメント
3つの主ゼンマイバレルを搭載した手巻き式
パワーリザーブ:7日間(168時間)
テンプ:ムーブメントの上に浮いている、カスタマイズされた13.4mmの新しいテンプ。慣性ブロック付き
ストレッチラッカー仕上げの2つの傾斜した文字盤における時刻表示
ヒゲゼンマイ:伝統的なブレゲヒゲ(スタッドホルダーで固定)
振動数:18,000振動 / 2.5Hz
部品数:367
石数:41
シャトン:ゴールドシャトン(ダイヤモンドカウンターシンク付き)
精巧な仕上げ:全体的に19世紀のスタイルを踏襲した最高級の手仕上げ。面取り加工を施した内部の縁(手作業で研磨)。研磨した面取り部。コート・ド・ジュネーブ仕上げ。手作業によるエングレービング。文字盤プレート上の直線状ブリッジにおけるポリッシュ仕上げのアームは、手作業の仕上げにより上面に丸みのあるカーブを施した「ベルセ」形

機能
時と分:全く独立した2つのタイムゾーンを表示する2つのダイヤル
曜日表示または7日間表示を選択できるユニークな半球型のパワーリザーブ表示。インジケーターの回転によって希望の表示方式を調節
10時位置にある左側のリューズは左側のダイヤルの時刻合わせに使用。2時位置にある右側のリューズは右側のダイヤルの時刻合わせと巻き上げに使用

ケース:
2つのエディション:18K 5N レッドゴールド製ケースモデル(18本限定)またはグレード5チタン製ケースモデル(33本限定)
サイズ:幅 44mm×高さ 21.4mm
部品数:27

サファイアクリスタル
表側の高いドーム型サファイアクリスタル、裏側のサファイアクリスタルはともに両面反射防止加工済み

ストラップ&バックル
レッドゴールド製モデルでは手縫いのブラックのアリゲーターストラップ、5N ゴールド製フォールディングバックル付き。チタン製モデルでは手縫いのグレーのアリゲーターストラップ、チタン製フォールディングバックル付き

LMX担当の「フレンド」たち

コンセプト:マキシミリアン・ブッサー(MB&F)
製品設計:エリック・ジルー(Through the Looking Glass)
技術・製造管理:セルジュ・クリクノフ(MB&F)
ムーブメント開発:シモーヌ・ブレット(MB&F)
研究開発:シモーヌ・ブレット、トマ・ロレンザト、ロバン・アンヌ、ジョーイ・ミゼレス、ジュリアン・ピーター(MB&F)

歯車、ピニオン、軸:ジャン=フランソワ・モジョン(Chronode)、ポール=アンドレ・タンドン(Bandi)、ダニエル・ギュミ(Decobar Swiss)、Gimmel Rouages、Atokalpa、Le Temps Retrouvé
プレートとブリッジ:バンジャマン・シニュード(AMECAP)、ロドリグ・ボーム(Horlofab)、MB&F
テンプ:マルク・ボリス(2B8)、Atokalpa
ゼンマイ、ジャンパー:アラン・ぺレ(Elefil Swiss)
主ゼンマイと香箱:ステファン・シュワブ(Schwab Feller)
ムーブメント手彫り:Glypto
ムーブメント部品手仕上げ:ジャック=アドリアン・ロシャ、デニス・ガルシア(C.-L. Rochat)
ケース装飾サンドラ・ランベール(Bripoli)
PVD処理:ピエール=アルベール・ステインマン(Positive Coating)
ゴールド インゴット CoC(証拠保全):ジャン=フィリップ・シェトラ(Cendres et Métaux Lux)
ムーブメント組み立て:ディディエ・デュマ、ジョルジュ・ヴェイジー、アン・ギテ、エマニュエル・メートル、アンリ・ポルトブフ(MB&F)
社内機械加工:アラン・ルマルシャン、ジャン=バティスト・プレト(MB&F)
アフター・サービス:トマ・インベルティ(MB&F)
品質管理:シリル・ファレ(MB&F)

文字盤:ハサン・シャイバ&ヴィルジニー・デュヴァル(Les Ateliers d’Hermès Horlogers)
針:Waeber HMS
リューズ: Boninchi
サファイアクリスタルの反射防止加工:アントニー・シュワブ(Econorm)
バックル:G&F Châtelain
ストラップ:Multicuirs
化粧箱:オリヴィエ・ベルトン(Soixanteetonze)
プロダクションロジスティックス:ダヴィッド・ラミー、イザベル・オルテガ、アシュレイ・ムシエ(MB&F)

マーケティングおよび広報:シャリス・ヤディガログルー、ヴィルジニー・トラル、アルノー・レグレ(MB&F)
M.A.D.ギャラリー:エルヴェ・エスティエンヌ(MB&F)
販売:ティボー・ヴェルドンク、ヴィルジニー・マルション、セドリック・ルーセル、ジャン=マルク・ボリー(MB&F)
グラフィックデザイン:シドニー・ベイ(MB&F)、アドリアン・シュルツ&ジル・ボンダラ(Z Z)
製品撮影:マールテン・ファン・デル・エンデ、アレックス・トイスチャー ローラン=グザビエ・ムーラン、
ポートレート撮影:レジス・ゴレ(Federal)
ウェブマスター:ステファン・バレ(Idéative)
映像:マルク=アンドレ・デシュー(MAD LUX)、マヌリ・カラペツィス、ドミニク・ラング(Brosky Media)
テキスト:スザンヌ・ウォン(Worldtempus)

MB&F – コンセプトラボの誕生



2005年に設立されたMB&Fは、世界初の時計コンセプトラボです。 20個におよぶ驚異的なキャリバーにより、絶賛に値するオロロジカルマシーンとレガシー・マシーンのベースを構築するMB&Fは、伝統的な時計製造の枠を超え、3Dキネティックアートを制作する、創始者兼クリエイティブディレクターのマキシミリアン・ブッサーのビジョンを継承しています。

マキシミリアン・ブッサーは高級腕時計ブランドで15年管理職を務めた後、2005年ハリー・ウィンストンのマネージングディレクターを辞任、MB&F(マキシミリアン・ブッサー&フレンズ)を創立。MB&Fは、ブッサーが尊敬し、働く喜びを分かち合うことのできる才能あるオロロジカル職人を集め、先鋭的なコンセプト・ウォッチのデザインと小規模生産を行う芸術的なマイクロエンジニアリング・ラボなのである。

2007年、MB&Fは初のオロロジカルマシンHM1を世に送り出した。HM1の彫刻のような立体的なケースと美しく仕上げたエンジン(ムーブメント)は、同社の風変わりなオロロジカルマシンの基準となり、その後、時を告げるためというより、「時を語る」マシンが数多く生み出されていく。こうして製作されたオロロジカルマシンでは、宇宙(HM2、HM3、HM6)や大空(HM4、HM9)、道(HM5、HMX、HM8)、そして動物の世界(HM7、HM10)を探索するマシンがイメージされている。

2011年には、MB&Fはラウンドケースのレガシー・マシン コレクションを発表。これらはMB&Fにとってよりクラシカルなもので、現代的な芸術品を創作するために往年の偉大な時計製造革新者とは異なる視点で複雑機構を解釈し、19世紀の腕時計製造の卓越性への敬意を払っている。LM1及びLM2に続いて発表されたLM101は、全て自社開発したムーブメントを搭載する初のMB&Fマシン。そして、コレクションの幅をさらに広げるレガシー・マシン・パーペチュアル、レガシー・マシン・スプリットエスケープメント そしてレガシー・マシン・サンダードームの登場。2019年は史上初のレディース用MB&Fマシン「LM フライングT」の制作によりターニングポイントを迎えた。MB&Fは創設以来、現代的で型破りのオロロジカルマシンと、歴史からインスパイアしたレガシー・マシンを交互に発表している。

MB&Fの「F」が「フレンズ」(Friends)を表していることから分かるように、優れたアーティストや時計職人、デザイナー、様々な分野の製造業者をブランドにとっての「フレンド」と考え、協力関係を築くことはごく自然な成り行きだった。

そうした姿勢がブランドにもたらしたのが、パフォーマンスアートとコラボレーション作品という新たな2つのジャンルだった。パフォーマンスアート・モデルは、創造性豊かな社外のフレンドがMB&Fのマシンをベースにしてアレンジを加え、新たな形で表現した作品だ。一方、コラボレーション作品は、腕時計ではなく別のタイプのマシンで、MB&Fのアイデアとデザインに基づいて独創的なスイスのマニュファクチュールが設計、製造する。レペ1839と共同で製作されたクロックなど、コラボレーション作品の多くは時を語るマシンだが、リュージュやカランダッシュとのコラボレーションでは別の種類のメカニカル・アートが創作された。

ブッサーは、こうして誕生したあらゆるマシンに、その魅力を発揮できる舞台を与えるため、従来型のブティックに陳列するのではなく、他のアーティストによる多彩なメカニカル・アートとともにアートギャラリーに展示することを思いついた。このアイデアにより、ジュネーブに最初のMB&F M.A.D.ギャラリーが設立され(「M.A.D.」はMechanical Art Devices:メカニカル・アート・デバイスの略)、その後台北、ドバイ、香港にもM.A.D.ギャラリーがオープン。

MB&Fがこれまでに成し遂げた革新的な成果に対しては、いくつもの権威ある賞が与えられてきた。全てを網羅することはできないが、名高い「ジュネーブ ウォッチ グランプリ」においては5つもグランプリを獲得している。2019年にはLM FlyingT(LM フライングT)が「ベストレディースコンプリケーション賞」を、2016年にはLM Perpetual(LM パーペチュアル)が「ベストカレンダーウォッチ賞」を受賞。2012年にはLegacy Machine No.1(レガシー・マシン No.1)が「パブリック賞(時計ファンによる投票)」と「ベストメンズウォッチ賞(プロの審査員による投票)」をダブル受賞。また2010年の同グランプリでは、HM4 Thunderbolt(HM4 サンダーボルト)で「ベストコンセプト&デザインウォッチ賞」を受賞。そして2015年には、HM6 Space Pirate(HM6 スペースパイレート)が、国際的な「レッドドット・デザイン賞」において最優秀賞である「レッドドット:ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞した。





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