JeweLuxe - シンガポールでの独立時計師ばかりの展示会報告 その1
By : KIH独立時計師の祭典、JeweLuxe に行ってきました(1)
シンガポールで開かれたJeweLuxeという、独立時計師と宝石のフェアを取材してきました。主催者側によれば、独立時計師が非常に人気があるシンガポールでも、独立時計師のみのイベントは「これしかない」そうです。



もちろん、JeweLuxeという名前のとおり、ジュエリーブランドの展示も同時に行われていました。
全員を紹介するのは無理なので、私の独断と偏見で「おお!」と感じたブランドを取材しました。
1.Masahiro Kikuno (菊野 昌宏)
もちろん、トップはわれらが日本を代表する菊野昌宏氏。



ちなみに、下の台、昔の舟箪笥をイメージして作られていますが、これも菊野氏作成。「朔望」に使われている、「黒四分一」という日本古来の合金もこの舟箪笥に使われていたことから着想を得たそう。

こちらは、「和時計 改」の専用台ですが、こちらは奥様作。ご夫婦で器用ですな。


氏は、このあと、パネルディスカッション、「スイスだけではない」というお題目で、スイス以外を拠点としている独立時計師たちと共に、自らの時計の世界観や苦労話等をされていました。



司会のPeter Chong氏と(久しぶり! 知る人ぞ知る、長年のランゲのビッグサポーター、現在はウェブ時計マガジン、Deployantの編集長)。

で、パネルのあとはこの盛況ぶり・・。


そうなんです。菊野氏は、数を作らないし、宣伝もしないので、この独立時計師天国のシンガポールでさえ、あまり名前は知られていなかったのです。で、パネルディスカッションで話を聞いた独立時計師ファンたちがわんさかと集まってきました。
しかし、現状、作っているのは最新作の「朔望」ですが、来年いっぱいの注文が入っており、新規受注はしていないとのこと。で、それらを納品し終わった後、再来年(2021年)は次回作の製作に集中したいとのこと。次回作は、和時計をベースにさらに新機構を加えてみたいとのことで、すでに構想はあるようです。2022年のバーゼルに間に合うかどうか(ご当人は、多分間に合わないでしょう、と)。相変わらず、軸のぶれない落ち着いた菊野氏でした。それでも来年のバーゼルには、ちょっとご無沙汰していたし、出品するとのことです。
ちなみに、菊野氏は出ていませんが、前日のパネルディスカッションのお題は「なぜ、独立時計師の時計を選ぶのか」で、著名なコレクターもパネラーとして発言していました。独立時計師の魅力とは、を何点かでまとめると;

ー 時計師との距離感、コミュニケーション、情熱を感じることができる。
ー 時計店で買うのとは違い、時計を購入するという行為でできる相手との関係が直接的で、長く続く。
ー 自分たちは、時計の価値にお金を払うというよりも、情熱と時計師が費やした時間にお金を払っている。
等々。
さて、次回から、他の秀逸な独立時計師をご紹介していきます。AHCI会員もいれば、まだ始めたばかりという人たちもいます。お楽しみに!
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