オーデマ ピゲが 建て替わった新ミュージアム 「ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ」を一般に公開

 By : KITAMURA(a-ls)


オーデマ ピゲが、その故郷であるル・ブラッシュに構えていたミュージアムが建て直され、あらたに「ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ」として生まれ変わった。WATCH MEDIA ONLINEでは、その過程を何度かお伝えしてきたが、まずはそのおさらいから。


2017年4月:オーデマ ピゲの新ミュージアム: 新しい"創業者の家"が着工
https://watch-media-online.com/news/617/
ロイヤル オークの全パーツ333個を防水ケースに入れて基礎部分に収めた着工式の模様。


2018年6月:ミュージアム創作の概念について、設計者ビャルケ・インゲルスが語る
https://watch-media-online.com/news/1572/

2018年8月:ル・ブラッシュの"HOTEL DES HORLOGERS (時計師ホテル)"を新たに着工
https://watch-media-online.com/news/1589/
本社隣、ミュージアムに併設されたホテルの着工の模様



昨年、東京のミッドタウンでオーデマ ピゲの大きなイベントが行なわれたが、ヒストリカル・ピースとして美術館用に収蔵されていた時計の多くが”来日"できたもの、この建て替えの期間中だったからにほかならない。

2019年9月:東京ミッドタウンでのエキシビション『時計以上の何か』
https://watch-media-online.com/news/2448/

2019年10~11月:レポート記事
https://watch-media-online.com/blogs/2655/
https://watch-media-online.com/blogs/2721/
https://watch-media-online.com/blogs/2722/


(参考:旧ミュージアム訪問記事)
※ゲストブロガーk.hillfieldさんの訪問記事
https://watch-media-online.com/blogs/1247/

※Ay&Ty Styleさんの訪問記事
https://watch-media-online.com/blogs/449/

そして2020年、ついにそれは完成し、新たなミュージアム、「ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ」が、このたび一般公開されることとなった。
「百聞は一見に如かず」なので、まず動画をご覧いただき、引き続いて公式資料を見ていこう。






オーデマ ピゲが
ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲを一般に公開


BIG (ビャルケ・インゲルスグループ)設計による新ミュージアムは、1875年にオーデマ ピゲの創業者たちが設立した当時の工房と周辺の景色、一体化したガラス構造の2つのスパイラルとが統合されています。
実際に製作が行われる2つの工房と隣接して、ミュージアムコレクションである300本もの時計が展示され、まさに生きた美術館となっています。伝統と革新を融合した設計により、ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲは訪れる人々にジュウ渓谷の時計づくりの歴史を紐解き、ル・ブラッシュでつくられたブランドのタイムピースがいかに世界で発展していったかを掘り下げるユニークな体験を提供します。



2014年、ブランドの歴史的建造物の拡張と取締役会会長のジャスミン・オーデマ曰く、「マニュファクチュールの魂を描き出す」新ミュージアムの建築コンペを行った結果、BIGの提案する設計プランが選出されました。全面が曲面ガラスの壁面で支えられた、時計のムーブメントのゼンマイを想起させるスパイラル状のパビリオンです。



現代的なスパイラルは、オーデマ ピゲのストーリーの原点であり、1992年から2019年までミュージアムとして機能していた1875年に設立された工房に隣接しています。この度、記録資料の研究に基づいて、歴史ある建物の当地特有の建築様式が完全に再現されました。ミュゼ アトリエは、オーデマ ピゲの中心に存在する伝統と未来を見据える気風とを融合したコンセプトのもとに施工されました。



伝統と
先進性の融合



ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲは、訪れる人々をスイスのマニファクチュールの過去、現在、そして未来の文化的宇宙へと誘います。ものづくりの現場としての空間に現代建築と先駆的なセノグラフィー、伝統的な職人技が融合したミュゼ アトリエ オーデマ ピゲは、マニュファクチュールの自由な精神と、ジュウ渓谷、さらにオートオルロジュリーの永続的な発展への貢献を体現しています。

2014年にオーデマ ピゲがル・ブラッシュの地に歴史的な建造物を建てるために開催した建築コンペにおいて、設計担当としてBIG(ビャルケ・インゲルスグループ)が選定されました。BIGは、1875年にジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲが当時のスタートアップとも言える工房を設立したブランド最古の建物に隣接する、現代的なスパイラル状のガラス製パビリオンを設計しました。




この隣り合う二つの建物は、ジュウ渓谷に深く根ざした起原に敬意を表すと同時に、オーデマ ピゲのクラフツマンシップの核にある伝統と先進性の融合を体現しています。ル・ブラッシュの地にとけ込んで建つBIGのハイコンセプトなスパイラルは、スイス・ジュラ山脈の人里離れた渓谷で毎年生み出されてきた、マニュファクチュールの技術やデザインの粋を極めた逸品に新たな舞台を提供します。



ミュージアムには、今なおマニュファクチュールの中で最も複雑なタイムピースの製作を手がけている伝統的な工房もあり、訪れる人々にオーデマ ピゲの職人たちと身近に接する機会を提供します。スパイラルの中心部に設けられたグランドコンプリケーションとMétiers d’Art アトリエが、ミュージアム全体に展示される機械式の技巧やデザインに生命を吹き込みます。



建築家、エンジニア、地元の職人たち、そしてオーデマ ピゲのさまざまな専門家とのコラボレーションによって実現した野心あふれる博物館展示学にも通ずる建築プロジェクトであるミュゼ アトリエ オーデマ ピゲは、ジュウ渓谷と時計づくりの歴史に、独自の視点を提供しています。プロジェクトに携わった全ての人々が、自身の分野で限界を新たな高みへと押し上げました。これは、現在進行形で続くストーリーの始まりに過ぎません。レガシーの創造には時間を要するのです。


●ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲでは、現代建築と先進的なセノグラフィー、伝統的な職人技が違和感なく調和しています。


「私たちは、オーデマ ピゲが拠りどころとするルーツと先進性の両方が反映された建物で、訪れる方々がブランドの受け継いできたレガシーや職人技、文化的起原、世界との関わり方を体感してくださることを望んでいます。
しかし何よりもまず、何世代にもわたって現在のオーデマ ピゲの礎を作り上げた時計師や職人たちに、感謝を表したいと考えたのです。」
ジャスミン・オーデマ(オーデマ ピゲ取締役会会長)



●スパイラル中央部にあるグランドコンプリケーション工房の前では、アストロノミカル、チャイミング、クロノグラフの各機構を搭載した時計が、オーデマ ピゲがこれまでに製作した時計の中で最も複雑な時計、ユニヴェルセル(1899)の周りを囲むように展示されています。



ミュゼ アトリエ
オーデマ ピゲを訪れる
200年に及ぶ時計づくりの歴史を楽譜のように再考


ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲは、マニュファクチュールが常に挑んできた先見性のあるものづくり精神を実証しています。
セノグラフィーを用いて、スイス高級時計の揺り籠として知られるジュウ渓谷における時計づくりの発展の概略を回顧し、厳選された数々のブランドを象徴する理念やコンテンポラリーなタイムピースを通して、オーデマ ピゲの受け継いできた豊かなレガシーを展示しています。



世界的に知られるドイツのミュージアムデザイナー ATB (アトリエ・ブルックナー)は、訪れる人々にクレッシェンドやハイライト、瞑想的な瞬間など多様でダイナミックな体験を提供できるように、ミュージアム訪問を楽譜として位置付けました。
館内を巡るたびに、豊かな時計コレクションがオーデマ ピゲとジュウ渓谷の時計づくりの歴史を来訪者に伝えます。
時計づくりに内包される技術やデザインといった要素に、彫刻やオートマタ、さまざまなインスタレーション、複雑な機械式ムーブメントの実物大模型や解説図などの“間奏曲”が生命を宿らせます。
スパイラル内部には、それぞれジュエリーウォッチ、グランドコンプリケーションの製作を担当する2箇所の専門アトリエが設けられています。訪れる人々は、ミュージアムの曲面ガラスの壁の内部で時計師が作業する様子を見学し、彼らの専門技術を目の当たりにすることができるのです。
そしてまた、訪れた人々は、オーデマ ピゲの仕上げを専門とする職人たちが受け継いできた、サテン仕上げやサーキュラーグレイン仕上げといった昔ながらの手法に挑戦することもできます。スパイラルの中心部に展示された、オーデマ ピゲが作り出した最も複雑な時計の前で、ミュージアム訪問はクライマックスを迎えます。


「ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲは、知識と職人技が次世代へと受け継がれていく場所です。また同時に、新しい発見や学び、楽しさも提供しています。建物の技術的複雑性やセノグラフィーは、グランドコンプリケーションの複雑なムーブメントとも相通ずるものがあります。」
セバスティアン・ヴィヴァス(オーデマ ピゲ ヘリテージ部門/ミュージアムディレクター)





300本を超える
卓越した時計を収蔵



2世紀以上にわたる歴史を網羅した展示ケースには、小型化の技巧や複雑な技術、型破りなデザインを用いてつくられた最も複雑な時計や、ハイジュエリーウォッチからペンダント、ブローチや指輪まで、さまざまな銘品を含む 300本あまりの時計が展示されています。
他では見ることのできないこれらの時計は、スイス・ジュラ山脈の中心に位置する人里離れた渓谷で、19世紀の職人たちがどのように外国から自分たちとは相対する都会的な顧客を惹きつけ、今なお世界中の時計愛好家を魅了する時計をつくり出していたのかというストーリーを伝えます。



マニュファクチュールのすばらしい複雑時計の数々は、建物のクライマックスとも言えるスパイラルの中心部に展示されています。ここでは、オーデマ ピゲの創業以来、ブランドが中心に据えてきたアストロノミカル、チャイミング、クロノグラフといった複雑機構が、1899年に製作された超複雑懐中時計、Universelle(ユニヴェルセル)を取り囲むように配置されています。

●ユニヴェルセルには20以上の複雑機構が組み込まれ、ムーブメントは1168もの部品で構成されています。まさに複雑機構の傑作と言えるでしょう


太陽系から着想を得た球状の展示ケースは、時計づくりの中心にある時の天文的周期を想起させます。
ユニヴェルセルには20以上の複雑機構が組み込まれ、ムーブメントは1168もの部品で構成されています。まさに複雑機構の傑作と言えるでしょう!
ロイヤル オークやロイヤル オーク オフショア、そしてロイヤル オーク コンセプトの贅沢なコレクションが、時計の展示を華やかに締めくくります。


何世代もの
才能溢れる人々への

感謝の意を込めて


ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲでは複雑時計の展示に加え、スパイラルの中心部に設けられた2箇所の専門アトリエで、マニュファクチュールが先達から受け継いできた職人技を紹介しています。
ひとつは、1人の時計師が工房から出荷するまでに6~8ヶ月かけて648以上の部品から成る時計の製作を担当する、グランドコンプリケーションを専門とするアトリエです。
もうひとつはMétiers d’Art アトリエで、宝石の選定や石留め、彫刻を担当する優れた技術を持つ職人たちが、ハイジュエリーピースのデザインから製作までに携わっています。過去、現在、未来を見つめ、今なおオーデマ ピゲで最も複雑な作品を生み出すこれら2つのアトリエは、マニュファクチュールの決して妥協することのない精神を体現する存在です。


●ハイジュエリーピースはスパイラルの中心部にあるMétiers d’Art アトリエで制作されています。



●BIG(ビャルケ・インゲルスグループ)設計によるスパイラルは、何世代にもわたり時計師にインスピレーションを与えてきた周囲の景観に違和感なく溶け込んでいます。


ジュウ渓谷と
オーデマ ピゲの
クラフツマンシップを伝える窓

BIGが設計を担当し、スイスの建築事務所CCHEが施工を手がけたミュゼ アトリエ オーデマ ピゲのスパイラル状のパビリオンは曲面構造ガラスの壁が、地面にとけ込むように建てられています。工学とデザインの妙により、この標高で初めてこういった建物が竣工しました。
曲面を描くガラスが鋼鉄の屋根をしっかりと支え、外表面に沿って設置されたメッシュ状の真鍮が光と温度を調節します。さらにグリーンルーフが水分の吸収を担うとともに、温度調節の役割も果たします。
スパイラルは、周囲の地形と完全に調和するように設計されています。各フロアには地形の自然勾配に合わせ異なる傾斜が適用され、ミュージアム内部のレイアウトに、直線的に続いていく空間体験を提供します。内部では、曲面ガラスの壁が
スパイラルの中心に向かって時計回りに収束し、反対方向へと向きを変えます。訪れる人々は、時計のコイル状のゼンマイを辿るかのように建物内を巡ることになります。



「時計づくりは建築であると同時に、動力や機構、知性、計測基準などを金属や鉱物に織り込んで、時を伝えるという形で生命を宿した芸術であり科学なのです。」
ビャルケ・インゲルス(BIG創業者、クリエイティブディレクター)



この全く新しい現代建築は、時計製作や種々の文化的プロジェクトと同様に、我々のイノベーションに対する取り組みを建築の面から反映しており、エコロジーと健康管理についてスイスのミネルギー基準が求める建築水準を満たしています。
同時に、本社を置くル・ブラッシュで新たにHotel des Horlogers(時計師ホテル)の建設も進めています。2021年夏にオープン予定の近代性と伝統が交差するサステイナブルで現代的な空間もまた、BIGが設計を手がけ、ローカルパートナーにCCHEを迎えて着工されました。


●BIGが設計を手がけたスパイラルは、全て曲面ガラスの壁で支えられています。外面に沿って設置されたメッシュ状の真鍮が、景観を損なうことなく光と温度を調節します。


●1875年にジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲが創業した歴史ある建物の最上階にある修復工房。



歴史ある建物を
深く知る

ガラス製のスパイラルと連結された歴史ある建物は、木と石でできたいにしえの世界へと訪れる人々を招き入れます。
1875年にジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲが工房を開いたのは、この歴史ある建物の自然光あふれる最上階でした。
今回のリノベーションプロジェクトには、ジュウ渓谷から多くの人々が協力しています。1868年に竣工した歴史ある建物の往年の雰囲気を取り戻そうと、スイスの建築事務所CCHE、地元の職人たちやオーデマ ピゲのヘリテージ部門が力を合わせました。リノベーションは、記録資料の研究に基づき行われています。特に外壁の被覆材には、近隣の村の家屋などに見られる伝統的な木工が用いられています。
現在、修復された建物には台帳やアーカイブの保管室とヘリテージ部門、オーデマ ピゲ財団、そして修復工房が入っています。設計と建築の妙により、工房はオーデマ ピゲが創業された最上階で新たな姿に生まれ変わりました。
修復工房には、アンティークの時計を制作された時のコンディションに修復するために必要な先人の卓越した技巧を受け継ぐ、高い専門性を備えた数名の時計師が在籍しています。時計師の職人机やその他の家具は全て、伝統的なクラフツマンシップの維持に努める地元の職人達が当時の姿を再現したものです。
また、アーチ形天井になっている地下空間では、訪れる人々にさまざまな没入型の展示を通してブランドが今日の世界でどのように息づいているかを知る機会を提供しています。



BIGの創設者でありクリエイティブディレクターのビャルケ・インゲルスは「今日の多くの機械や建物において、心と身体、ハードウェアとソフトウェアのつながりが失われていますが、ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲでは、形状とパフォーマンス、フォルムと機能、空間と構造、内装と外装を全て共生させ、完全に融合しようと試みました。」と語りました。

複雑な建築プロジェクトは、施工を手がけたスイスの建築事務所CCHEを含む専門家や職人から成るチームによって進められ、この標高で初めてこの種の建物が竣工しました。

オーデマ ピゲ ヘリテージ部門/ミュージアムディレクターのセバスティアン・ヴィヴァスは「ミュゼ アトリエは、時計づくりの長きにわたる伝統に貢献し続けてきたオーデマ家とピゲ家に敬意を表しています。受け継がれてきた工房と共存する新たな空間は、来訪者がブランドやこの地域での時計づくりの歴史を知り、マニュファクチュールや時計師と深く関わるための完璧な出会いの場となるでしょう。」と語りました。

スパイラル状のパビリオンは、BIG、CCHE、そしてオーデマ ピゲの環境持続可能性に対する共通の取り組みの証でもあります。現代的な構造は、エネルギー効率と高品質な建築という項目で、スイスにおける最新のミネルギー認証®を満たしています。
また、ミュゼ アトリエには、1992年より環境保護や若者の認知向上プログラムを通じて森林保全に寄与してきた、オーデマ ピゲ財団も入居しています。


●エクアドルのバルサモ(Myroxylon balsamum)の木。オーデマ ピゲ財団は2018年にエクアドルのアマゾン熱帯雨林で始まった森林農業とフェアトレードのプロジェクトなど、数々のプロジェクトで世界の森林保護活動に貢献しています。



根を張る

1992年より環境保護や若者の認知向上プログラムを通じて森林保全に寄与してきた、オーデマ ピゲ財団もミュゼ アトリエ オーデマ ピゲのアトリウムの一角にあります。このオープンスペースには、マニュファクチュールのジュウ渓谷というルーツ、また財団のスイス国内や世界における森林保全の一環としてザイフリボクの木(Amelanchier rotundifolia)が2年間植えられる予定です。
この木はその後、財団が支援する地域プロジェクトで植え替えられることになっています。財団は、森林保全や子供たちへの環境啓蒙活動、生物多様性の回復、伝統的な知識に対する価値付けを最優先事項に掲げています。支援を行うプロジェクトを通じて、地域のコミュニティによって持続可能な開発の好循環が生まれることを目指しているのです。
オーデマ ピゲ財団の理事長は、オーデマ ピゲの取締役会会長であり、財団創設者のジャック=ルイ・オーデマの娘であるジャスミン・オーデマが務めています。



芸術的な視点で見る
オーデマ ピゲのレガシー

クラフツマンシップ



オーデマ ピゲの文化や芸術に対する関わりをさらに深めるべく、ミュゼ アトリエは、マニュファクチュールに委託を受けたコンテンポラリーアーティストが制作したアート作品の巡回展示に最適なエキシビション会場としても機能します。
ミュゼ アトリエの開館にあたり、オーデマ ピゲは、ブランドの長きにわたる友人であるダン・ホールズワースやケオラ、アレクサンドル・ジョリーらに、彼らがジュウ渓谷というオーデマ ピゲの地理的、文化的起原を創造的に解釈したアート作品や、職人技の複雑性と正確性を掘り下げる作品の制作を委託することをはじめた2012年以来、マニュファクチュールが支援し育んできた、オートオルロジュリーとコンテンポラリーアートとのクリエイティブな交流や対話が反映された作品を展示しています。
ダン・ホールズワースのシリーズ写真作品The Vallée de Joux(ジュウ渓谷)より“Vallée de Joux n° 10(ジュウ渓谷n° 10)”、ケオラのRemains: The Vallée de Joux(名残り:ジュウ渓谷)より“Remains #A_027(名残り #A_027)”を、アレクサンドル・ジョリーによるマルチメディアインスタレーションが彩ります。
これらのアート作品は、コンテンポラリーアートというレンズを通して、訪れる人々をマニュファクチュールの地理や文化、技術という宇宙へと引き込みます。



数字で見る
プロジェクト

エキシビションエリア面積: 900 m2
構造ガラス窓の数: 108
ガラスが支える総重量: 約470トン
構造ガラスの最大板厚: 12cm
ガラス窓1枚あたりの製作期間: 3週間
[来館情報]
来館予約: www.museeatelier-audemarspiguet.com
入場に際して: 事前予約でのガイドツアーのみとなります。
2020年は月-金のみ; 2021年以降は月-土
上記ウェブサイトより事前にチケットをご予約ください。
駐車場: あり
アクセシビリティ: ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲは車椅子対応の建物です。
住所: Route de France 18, CH - 1348 Le Brassus





以上が公式資料からの抜粋だが、いかがだろうか。
故郷と時計製作を愛し、そのことを誇りに思う一族企業の理想を形にしたようなミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ。
実は、ここにはまた、開館にまつわるもうひとつのストーリーがあった。

今年の3月に発表された「リマスター 01 オーデマ ピゲ クロノグラフ」。https://watch-media-online.com/blogs/3080/



これは、第二次大戦下の1943年にわずか3本のみ販売された「ref.1533」の外装デザインからのインスパイアを現代的に再解釈し、新たに開発された自動巻(フライバッククロノグラフ)ムーブメントで駆動させたもので、まさに歴史的希少性と現代的最新技術を合体させたモデルで、プレスリリースには、『オーデマ ピゲのミュージアム「ミュゼ アトリエ」のオープンを記念して発表されたブティック限定500本のタイムピース』と記されていたが、本来このピースは、ミュゼ アトリエを訪れたオーデマ ピゲの愛好家だけに購入の権利が発生するという、本当の意味での、特別に作られた記念ピースだったのだ。



だが、予期せぬコロナ禍によって、3月の落成時からビジターを受け入れることが不可能となったため、急きょ全世界のオーディマ ピゲ ブティック限定発売となったのである。
そう思ってこの作品を見直してみると、伝統と最新技術が一体となったその存在は、まさに「ミュゼ アトリエ」の姿と重なって見えるのではないだろうか。





WATCH MEDIA ONLINEは、昨年のドイツ・グラスヒュッテ視察旅行に続き、今年はスイスのジュウ渓谷への旅を企画していたのだが、どうやら来年2021年へ持ち越しとなることは確実なので、来年の旅程には、ぜひこの「ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ」を組み入れたい!!!







【以下、追加資料】

オーデマ ピゲと
パートナー


BIG-ビャルケ・インゲルスグループ
BIGはコペンハーゲン、ニューヨーク、ロンドン、バルセロナを拠点に活動する、建築家、デザイナー、都市計画や地形の専門家、インテリアデザイナー、プロダクトデザイナー、研究者、発明家で構成されたグループです。事務所はヨーロッパ、北米、アジア、中東などで数多くのプロジェクトに携わっています。BIGの建築物は、多文化交流や世界経済の潮流、コミュニケーション技術の影響によりいかに現代の生活が常時進化、変遷していくか、またそれにより建築や都市機構の新たなあり方を必要とするかを入念に分析した上で構想されます。BIGは道徳律に導かれるサステナビリティの一般認識に疑問を投げかけ、生態学的、経済的、社会的に有意義なトリプルエコシステムを実現するデザイン都市や建築を追求します。プロジェクトを生活の質を向上させる機会として捉え、サステナビリティという課題を道徳的ジレンマとしてではなく、デザイン上の課題として向き合っています。
今日の課題と向き合うにあたりBIGは、これからの建築は杓子定規な実用主義や、デジタル形式主義による世間知らずなユートピア構想とは一線を画す、実用的なユートピア建築というほぼ未開拓の分野へと利益を出す形で移行して
いくべきだと考えました。BIGは暮らし、レジャー、オフィス、駐車場、ショッピングなどの既存の要素をミックスした建築を創造します。実用性とユートピアの豊かな重なりを見出したBIGの建築家は、より現代的な暮らしに適した形で、私たちの惑星の地表を変えていくという自由を享受しているのです。 www.big.dk


CCHE
1世紀以上にわたり、CCHEは都市計画や建築設計、インテリアデザインを含む幅広い分野に携わり、構想から建築まで、オーダーメイドの洗練された現代建築プロジェクトを幅広く率いてきました。
CCHEは現在、スイス国内のローザンヌ、ジュネーブ、二ヨン、ジュウ渓谷、そしてポルトガルのポルトの5拠点に、協力企業13社と約230名のスタッフを配置しています。各プロジェクトで建築家、プロジェクトマネージャー、都市計画の専門家、デザイナー、建設マネージャー、造園家、環境エンジニア、建築分野のエコノミストなどで構成されたチームが一丸となって顧客のニーズに応え、迅速かつ費用効率の高い運用を行っています。
持続可能な建築の開発と社会的責任についての取り組みを行うCCHEは、持続可能な責任ある建築の開発を行うプロジェクトにより、2009年にスイスのフランス語圏の建築事務所として初めてEco-Entrepriseの認証を受けました。
CCHEは、BIG(ビャルケ・インゲルスグループ)や隈研吾など、著名な建築事務所とのコラボレーションのもと、数々の国際的なプロジェクトに参画しています。www.cche.ch


アトリエ・ブルックナー
アトリエ・ブルックナーは、ブランドやエキシビション、展示会や美術館などの物語性のある建築や空間の構想・設計を担っています。コンテンツやメッセージから驚くべきアイデアを構築し、国際的な基準となるような、記憶に残るコンセプトを創造します。


●アトリエ・ブルックナーが描き出すセノグラフィーが没入型体験を演出します。ジュウ渓谷の主要な家系を表す3Dの木などのデザイン要素が、オーデマ ピゲのタイムピースと併せて展示されます。

個の力を合わせた以上の成果を生み出すことで、五感に訴えかけ、訪れる人々を魅了することのできる「ゲザムトクンストヴェルク(総合芸術)」の創造を目指し、建築家やグラフィックデザイナー、科学者、ステージディレクター、プロダクトデザイナー、メディアデザイナーが一丸となって建築やエキシビションのコンセプトを提供しています。アトリエ・ブルックナーはドイツ・シュトゥットガルトと韓国・ソウルを拠点とし、現在120名が在籍しています。 www.atelier-brueckner.com/en


オーデマ ピゲ財団
オーデマ ピゲ財団は、1992年の設立当初からグローバルな森林保護活動を通じ、環境保護と若者への啓蒙活動を行っています。設立以来、財団は52カ国で139のプロジェクトを支援してきました。
財団では、森林保全や子供たちへの環境啓蒙活動、生物多様性の回復、伝統的な知識に対する価値付けを最優先事項に掲げています。支援を行うプロジェクトを通じて、地域のコミュニティーによって持続可能な開発の好循環が生まれることを目指しているのです。
財団の活動にも取り入れられている、オーデマ ピゲが伝統的に重視してきた価値観は、グローバルに行なっているCSR活動の指針ともなっています。
財団の理事長は、財団の創設者であるジャック=ルイ・オーデマの娘、ジャスミン・オーデマが務めています。


オーデマ ピゲ コンテンポラリー
オーデマ ピゲ コンテンポラリーは国際的なアーティストにコンテンポラリーアート作品の制作を委託し、クリエイターによるグローバルなコミュニティー形成を支援しています。マニュファクチュールは、コンテンポラリーアートがつなぐ力、つながる力を信頼しています。アーティストへの支援は、1875年よりブランドが拠点を置くジュウ渓谷で支援し、育ててきた、才能ある職人のコミュニティーとも共鳴するものです。
委託に際し、オーデマ ピゲはスタートから制作、展示、世界各国での作品と鑑賞者をつなぐ鑑賞体験の構築まで、全ての工程に携わります。完成した作品は、アーティストに帰属します。
2012年以来、オーデマ ピゲ コンテンポラリーはクルト・ヘントシュラーガー、ダン・ホールズワース、池田亮司、ラーズ・ジャン、テオ・ヤンセン、アレクサンドル・ジョリー、Kolkoz、ロバン・マイヤー、ケオラ、程然(チェン・ラン)、アリン・ルンジャーン、トマス・サラセーノ、Semiconductor、ジャナ・ウィンダレン、孫遜(スン・シュン)など、世界各国のアーティストとの芸術的な交流を深めてきました。委託制作されたアート作品は、香港、バーゼル、マイアミビーチで開催されるアート・バーゼル (オーデマ ピゲは、2013年よりアソシエイトパートナーを務めています)やヴェネチア・ビエンナーレ、タイムズスクエア(ニューヨーク)、パレ・ド・トーキョー(パリ)、HeK(House of Electronic Arts、バーゼル)、ヴォルフスブルク美術館、アルスエレクトロニカ(リンツ)などを含む、世界有数の会場で展示されています。
www.audemarspiguet.com/en/experience
©Audemars Piguet 2020


オーデマ ピゲについて
オーデマ ピゲは、今なお創業者一族(オーデマ家、ピゲ家)によって経営される最も歴史ある高級時計ブランドです。1875年以来ル・ブラッシュを拠点に、型破りなトレンドを生み出そうと新たなスキルや技術の開発、そして職人技の向上を続ける才能ある職人たちを、何世代にもわたり育んできました。スイス・ジュラ山脈に抱かれたジュウ渓谷で、マニュファクチュールが受け継いできた職人技と先進的なスピリットが込められた、デザインや技術の粋を極めた数々の厳選されたマスターピースが制作されています。感性という言語を通して、世界中の時計愛好家と情熱や職人技を共有するオーデマ ピゲは、創造的な実践を行うさまざまな異分野と豊かな交流を楽しみ、素晴らしいコミュニティを築いてきました。www.audemarspiguet.com

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