ショパール 2021年W&W新作の実機インプレッション~最速掲載!

 By : KIH



さて、W&Wの最中であり、まだまだ時計ファンの興奮冷めやらぬと言った感じの中、早速ショパールの2021年 W&W 新作実機を見て触ってきたので、そのインプレッションをご報告する。





1.L.U.C クアトロ スピリット 25
詳細は、こちらのページをもう一度見て欲しい。
今年は、フルーリエに工房を構えてから25周年である。つまり、1996年にショパールはフルーリエで、L.U.Cの開発・製造を開始したのである。フルーリエは、ジュネーブから車で1時間半ほどの位置にあり、ラ・ショー・ド・フォン市中心部の少し手前にある。

こちらの拙工場見学レポート23にある通り、フルーリエはショパールの第2の拠点で、工場以外にも施設を持っている。余談だが、ハチミツで有名なのかわからないが、ラ・ショー・ド・フォン市の市旗のシンボルとして使われており、L.U.Cの時計にもそのモチーフが使わることがある(例えばこちらの一番下で紹介しているモデルとか)。

さて、脱線したが、つまりはこの「96]という数字にピンと来てほしい、というのと、この「スピリット 25」の「25」とは、25周年を表しているということである。フルーリエ工房で最初にできたムーブメントが、かの名機「L.U.C 1.96」なのだ。今では、バリエーションが増えたのでわかりやすくするために、「L.U.C 96.01」とか「L.U.C 96.09-L」などと、進化やバージョンを表しやすくなった。そう、あの名機は、もう25年も前に作られたものだったのだ。もちろん、現在のL.U.C 96系は進化を重ねて枝番も増えている。

で、ちなみに、この L.U.C クアトロは、1.96を発展させて8日のパワーリザーブを持たせたのがオリジナル(1.98)。おそらく、98年にできたのだろう。もちろん、そのムーブを使って、ジャンピングアワーにしたのは今回が初めてであるが。

さて、お待たせしました。写真はこちら;








「98.06-L」というのが正式なムーブメント型番。

限定100本。文字盤は、時針がないので当たり前だがすっきり。日付の代わりに、「時」が6時位置にある。見慣れないと一瞬ではわかりにくいかもしれないが、25周年記念モデルとしてショパールらしい渋いデザイン。文字盤は、ちなみにグラン・フー・エナメル。自社工房で職人をかかえている。上から下まで全部自分たちでやるマニュファクチュール。秒針がないが、これは、そんなことを気にしない(時間に追われない)人向けの時計である。こういう時計が似合うような人になりたいものである。。。


2.L.U.C QF ジュビリー
詳細はこちら
こちらは、ステンレスケースであるが、なんと世界限定25本! 日本には何本来るんだろうか・・・。いくら25周年と言っても、ほんとに25本限定とは。とは言え、こちらは、QF、すなわち「Qualite Fleurier(カリテ フルーリエ)」認定と、クロノメーター(COSC)認定の2つを取っている。QFのすさまじさは、先ほど紹介した、拙レポートをご覧いただきたいが、こんな感じ。

1.100%スイス製であること。

2.磨き等の仕上げは最高の美的品質を持っていること。
3.COSCの証明書(クロノメーター証明書)を持っていること。すなわち、それくらい最低限通ってるよね、ってことですね。
4.耐久テスト(リューズ押し引きの繰り返し、ボタン押しの繰り返し、ショック、磁気、防水、等々)をパスすること。
5.フルーリエテスト(24時間、上記70種類の動きを機械でシミュレートした後に、0秒から+5秒までに収まる等 - マイナス、すなわち遅れることは許されません)をパスすること。

要は、そんなにたくさんできないのだ。






「L.U.C 96.09-L」ムーブメント



日付もなく、非常にすっきりとしたデザイン。マイクロローター採用の為、非常に薄く感じる。39㎜ケースというのが、手首の小さい自分は好感が持てる。ステンレス、小さい、薄い、軽い。ややクラシックなデザイン(とストラップ)。ストライクゾーンに入る人は多いのではないだろうか。悩ましい。。。


3.L.U.C タイム トラベラー ワン ブラック
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こちらも25周年記念モデル。250本限定。いわゆる、ワールドタイム機構である。機能としては、好き嫌いはあると思う(夏時間はどうすんだ? とか)が、人気の機構であることは確かだ。今回は、セラマイズドチタン製のケース(ハイテク素材、高硬度、敏感肌に優しい等々)、ファブリックパターンのラバーストラップというスポーティなイメージ。


このストラップはいい感じ。


42㎜ケース。




4.L.U.C GMT ワン ブラック
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こちらは、GMTタイプ。使いやすさから言えばこちらの方が使いやすいか。個人的には、こちらの方が好みではある。L.U.C タイムトラベラー ワン ブラック と同様、セラマイズドチタンのケースと、ファブリックパターンのラバーストラップ。


「ビジー」な文字盤が得意でない方は、こちらの方がすっきりとしていていいだろう。




軽く、着け心地も良い。


さて、みなさんはどちらが好みだろうか。どちらも、世界限定250本。


5.インペリアーレ ムーンフェイズ
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最後は、女性ウォッチのジュエリー系、インペリアーレ コレクションの新作、ムーンフェーズ。


中身は、L.U.Cではないが、「96.25-C」。つまり、96系の高級ムーブメントと想像できる。クロノメーター認定。中身にもこだわったジュエリー系の時計。


36㎜径。もちろん、私の手首ではありません。
秒針として6時位置の「インペリアーレ モチーフ」が回る。こちらはレギュラーモデル。
お値段は想像にお任せするが、ジュエリー系と侮ることなかれ。時計としてもなかなかのものだと思う。


ということで、今回W&Wで発表された新作のいくつかをご紹介した。今回は、メンズはL.U.Cが25周年ということもあり、新作はL.U.Cのみだった。その他のコレクションの新作の発表が待たれる。また、女性用のジュエリー系も例年通り、売れそうなもの(本当にすぐ売れてしまうらしい)が揃っている印象。ハッピー系が大人しいというか、今回は新作をみかけなかったが、これもそのうち新しいのが出てくるだろう。

いずれにしても、まだまだ新作が出てきそうな雰囲気なので、乞うご期待だ。


ショパール ジャパンのみなさま、今回も早速実機をみせていただきありがとうございました!



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ショパール ジャパン プレス
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