NAOYA HIDA & Co. 2025 PRODUCTIONを発表~3点の新作を含む製造予定の合計11種類の腕時計と新作Dバックル 2種
From : Naoya Hida & Co. (ナオヤ・ヒダ&Co.)発表~NAOYA HIDA & Co. 2025 PRODUCTION
高級機械式腕時計製造、販売を行うNH WATCH 株式会社は、2025年5月14日に3点の新作を含む製造予定の合計11種類の腕時計と新作Dバックル 2種類を発表。
<概要>
2025年度に製造されるのは、新作のNH TYPE 3B-3、NH TYPE 5A-1及びNH TYPE 6Aの3種類と、昨年から製造を継続するNH TYPE 1D、NH TYPE 1D-2、NH TYPE 1D-3、NH TYPE 3B、NH TYPE 3B-1、NH TYPE 4A、NH TYPE 4A-1そしてNH TYPE 5Aの8種類の合計11種類である。また、新作のDバックルとして全長40mmサイズと45mmサイズの2種類を製造する。

これらの時計、およびDバックルは下記のチャンネルで販売される予定である。
公式WEB経由:2025年5月19日(月)日本時間10:00〜 5月22日(木)日本時間10:00
https://naoyahidawatch.com/
NH TYPE 3B-3
NH TYPE 3B-3は2022年から製造されているNH TYPE 3Bの派生モデルである。17-18世紀の懐中時計を彷彿とさせるディテールを腕時計のサイズに凝縮することを目標として製作された。大きくくりぬかれた窓から見えるイエロー・ゴールド(18KYG)製の月の顔、そして11個のローマン・インデックスは全て熟練した職人による手彫りで表現されている。前作NH TYPE 3Bとの最大の違いは、外装がステンレス・スチール(SUS904L)からイエロー・ゴールド(18KYG)に変更されたことにある。また、ムーンフェイズ・ディスクには、ラピスラズリが採用されている。

【概要】
・2025年の新作、37mmイエロー・ゴールド(18KYG)製ケース
・2025年には5個程度が製造される予定
・価格7,500,000円(税抜き)


【仕様】
NH TYPE 3B-3

ムーブメント:Cal. 3021LU(手巻きムーブメント)
・直径 30.0mm(13 1/4ライン)
・厚さ 5.6mm
・振動数 28,800/h (毎秒8振動/4Hz)
・石数 18石
・パワーリザーブ 約45時間
・ムーンフェイズ表示 59日間で一周、リューズを1段引き出した位置で調整
※ 心地よい巻き心地を追求した独自のコハゼとコハゼバネを搭載
外装:ケース素材 イエロー・ゴールド(18KYG)
・ケース直径 37.0mm
・ケース厚 10.8mm
・ケースバック スクリューケースバック
文字盤、針、ムーンフェイズ:
・文字盤素材 洋銀
・ブランドロゴ 超高精度微細加工機による刻印
・分、秒目盛り 超高精度微細加工機による刻印
・外周の分目盛りのリング部分は別部品を組み込んでいる
・インデックス ローマン・インデックスは手彫り
・カシュー(いわゆる合成漆)によって墨入れを行ったロゴ、
・インデックス、目盛り
・ムーンフェイズ ムーンフェイズ・ディスクはラピスラズリ製、月は別部品で製作され顔を手彫りした後、ムーンフェイズ・ディスクに固定
・時分針素材 イエロー・ゴールド製(18KYG)
・分針の先端は手作業によって秒目盛りと一致するよう曲げ加工
ピンバックル:ピンバックル素材 イエロー・ゴールド(18KYG)
レザーストラップ:ラグ幅20mm – バックル幅16mm手縫い仕上げ
・手縫い仕上げ、表面はオーストリッチ、裏面はカーフ
・ジャン・ルソー (https://www.jean-rousseau.com/ja)製
保証期間:2年間
NH TYPE 5A-1
NH TYPE 5A-1は2024年から製造されているNH TYPE 5Aの派生モデルである。小ぶりなサイズのレクタンギュラー・ケースを備えたドレスウォッチとして製作された。ヴィンテージを思わせる立体的な風防や、凹形状のドルフィン・ハンド、手彫りされたインデックス等々のディテールが詰め込まれている。前作NH TYPE 5Aとの最大の違いは、風防に初めてアクリルが採用されたことにある。このアクリル風防は新たに金型をおこして製造されている。また、12時位置のインデックスにはブレゲアラビックが採用されている。

【概要】
・2025年の新作、初のアクリル製の風
・2025年には10個程度が製造される予定
・価格3,200,000円(税抜き)


【 仕様】
NH TYPE5A-1

ムーブメント:Cal. 2524SS(手巻きムーブメント)
・ムーブメント全長 25.9mm(11 1/2ライン)
・ムーブメント全幅 21.4mm
・厚さ 3.2mm
・振動数 21,600/h (毎秒6振動/3Hz)
・石数 19石
・パワーリザーブ 約38時間
※ 心地よい巻き心地を追求した独自のコハゼとコハゼバネを搭載
外装:ケース/バックル素材 ステンレス・スチール(SUS904L)
・ケース全長/全幅/厚 32mm / 26mm / 9.1mm(ラグ先端から先端43.5mm)
・風防 ヴィンテージの風防を思わせる形状のカーブした
・ドーム形状アクリル
・ケースバック シースルーケースバック
文字盤、針:文字盤素材 洋銀
・ロゴ、秒目盛り 超高精度微細加工機による刻印
・6時位置の秒目盛りは別部品
・インデックス 手彫り
・カシュー(いわゆる合成漆)によって墨入れを行ったロゴ、
・インデックス、目盛り
・長短針素材 ホワイト・ゴールド(18KWG)
・秒針の素材と仕上げ 加熱処理によるブルード・スチール
・レザーストラップ:
・ラグ幅20mm – バックル幅16mm手縫い仕上げ
・手縫い仕上げ、表面はカーフ、裏面はカーフ
・ジャン・ルソー (https://www.jean-rousseau.com/ja)製
保証期間:2年間
NH TYPE 6A
NH TYPE 6AはNaoya Hida & Co.初の永久カレンダーを搭載した時計である。創設者 飛田直哉にとって夢の1つであった永久カレンダーを、Habring2とデュボア・デプラ社の協力を得て実現した。時計師 藤田耕介はオーストリアにあるHabring2の工房に赴き、マリア・ハブリングとリチャード・ハブリングのもとを訪れ、新ムーブメントCal.3025PCを完成させた。文字盤上のローマン・インデックス、および日付、曜日、月、閏年を表すインダイヤルはすべて彫金師 加納圭介による手彫りである。文字盤素材には初めて変色しづらいとされるアルゲンティウム・シルバーが採用された。

【概要】
・2025年の新作、初の永久カレンダー機
・2025年には10個程度が製造される予定
・価格7,500,000円(税抜き)


【仕様】
NH TYPE 6A

ムーブメント:Cal. 3025PC(手巻きムーブメント)
・直径 30.0mm(13 1/4ライン)
・厚さ 7.3mm
・振動数 28,800/h (毎秒8振動/4Hz)
・石数 19石
・パワーリザーブ 約45時間
・永久カレンダー 日付、曜日、月、閏年の表示
※ 心地よい巻き心地を追求した独自のコハゼとコハゼバネを搭載
外装:ケース/バックル素材 ステンレス・スチール(SUS904L)
・ケース直径 37.0mm
・ケース厚 11.5mm
・風防 カーブド・サファイヤ・クリスタル(両面無反射加工)
・ケースバック シースルーケースバック
文字盤、針:文字盤素材 アルゲンティウム・シルバー
・ロゴ、分、秒目盛り 超高精度微細加工機による刻印
・インデックス 手彫り、カシュー(いわゆる合成漆)によって墨入れ
・長短針素材 イエロー・ゴールド(18KYG)
・長短針の仕上げ 長針の先端は手作業によって分目盛りと一致するよう曲げ加工
・カレンダー針素材 スチール
・カレンダー針の仕上げ 加熱処理によるブルード・スチール
レザーストラップ:ラグ幅20mm – バックル幅16mm手縫い仕上げ
・表革 ILCEA社 ラディカ・ロシアン
・裏革 ぺリンガー社ノブレッサ・カーフ
・THE SOLE(https://masterplanshop.com/collections/the-sole)製
保証期間:2年間
NH TYPE 6Aの実現に向けて惜しみない協力と情熱を注いでくれたHabring2のマリア・ハブリングとリチャード・ハブリングに心からの敬意と感謝を贈る。
Dバックル
より多くの方々の腕にフィットするために新デザインのDバックルとして、全長40mmサイズと45mmサイズの2種類を新たに製造する。長さの異なる32種類のサンプル・レザーストラップを組み合わせて試着することによって快適な装着感を実現するという特徴は残しつつ、Dバックルの形状をわずかに変更することで装着感の向上を図った。
【概要】
・2025年の新作、全長40mmサイズと45mmサイズの2種類
・価格445,000円(税抜き)
※Dバックルと専用レザーストラップを含む
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NH Watch本社で行われた発表会で実機を拝見してきました。

飛田さんからのプレゼンテーション、2012年からプロジェクトをスタートさせ、2018年に起業、2019年に7本の時計を販売したことからスタート。
成長し、2024年は99本の時計を製造・販売したそうです。
2025年は120本が目標だそう。

数年間取り組んでいた新作の永久カレンダーTYPE 6Aは時計師リチャード・ハブリングとのコラボレーションによって完成したそう。
デュポア・デプラ(DD)製の永久カレンダーモジュールを使うことを検討していたが、デフォルトでは7750に適用できなかったところ、人伝に7750に組み合わせていたハブリングと繋がることができ、ハブリングが7750とDDパーペと組み合わせたムーブメントを一つ購入し検討を進めていったそうです。
そして、メールでのやり取りの後、時計師の藤田さんがハブリングの工房に赴き技術トランスファーを受けて永久カレンダームーブメントCal. 3025PCが完成したそうです。
ベースムーブメント側を工夫することで本来は適合しないDDモジュールを7750と組み合わせ、今までに飛田さんのモデルで行われていたブリッジの変更をはじめとした各種モデファイも行われています。
今回、丸型で初めてのシースルーバックも実現しました。

手彫り文字盤の構造を説明する彫金師の加納さん。
「エッジが立った」サブダイヤルをためにメインダイヤルとは別にサブダイヤル用のプレートが用意され、そこに手彫りでパーペチュアルカレンダーの表示を彫りこんでいきます。
複雑な彫金は今まで最も手間がかかっていたTYPE3の「おおよそ5倍」の手間と時間がかかるそうです。
3つのサブダイヤル部分が一体のパーツになっているのはパーペチュアルカレンダー表示の位置決めの精度を上げる為とのこと。

という事で実機を。
「62歳の私(飛田さん)でも読める視認性を」ということで視認性を高めるために針の色やレターを工夫していったそうです。
時分針はゴールド、カレンダー関係は青焼き、と色で機能を分けていますが、これはモノトーンにすると「クドい」印象だったため、このような形になったそうです。
文字盤が洋銀からシルバー素材になったのも永久カレンダーの複雑な表示と色のバランスを考えての選択だそう。
1年で一周する月表示は針ですが、同軸の4年で一周する閏年表示がディスク表示、この構造はDDのモジュール由来だそうですが、ディスクのドットは加納さんによる手彫りです。

自社設計・製造という永久カレンダーの修正プッシャーは懐中時計をイメージして大きく飛び出した構造になっています。

一見すると手で押せそうですが、専用ツールが必要とのこと。
デルリン(POM)で作ったケースに優しいコレクターツールを付属させることを検討しているそうです。

シースルーバックによってモデファイされたブリッジを堪能することができます。

去年発表され、反響が大きかったという角形のTYPE 5Aにはヴィンテージ好きの飛田さんが「やってみたい」と考えていた古典的な一体型アクリル風防を組み合わせたTYPE 5A-1に。
アクリル風防の製造方法は色々な方法を試した結果、金型を起こして射出成型する、という王道だけど初期投資コストがかかる量産向けの方法に落ちつき、金型を起こしたそう。
製造を担当したのは樹脂の射出成型に秀でたノウハウを持つ時計業界外のサプライヤーだそうです。
あえてのアクリル風防がどういう風に受け入れられるかは飛田さん自身も未知数…

TYPE 3B-3にはオーストリッチのエキゾチックなストラップが組み合わされました。

特徴的なベルトを選択することでジャストなサイズに調整できるDバックルは316ステンレスから、ケースと同じ904Lステンレスに変更になり、40mmと45mmの2サイズでよりきめ細かい調整に対応するように。
「シンプルイズベスト」でプッシュボタン式のロックなどはなく穴に出っ張りが引っかかることで固定される仕組みです。
凸部分はネジになっており将来的な交換も可能な構造です。

2サイズを横に並べて見ればよかったですね…
新作との組み合わせの他、既存の時計をDバックル化することも可能ではあるそうですが、生産数との兼ね合いもあるため要相談、とのこと。
「飛田さんが欲しいものを作る」というコンセプトが明確な新作群、シンプルやアニュアルではなくいきなりパーペチュアルカレンダーなのも、「飛田さんがパーペチュアルカレンダーを作りたかったから」とのこと。
これからもまだまだやりたいことはある、と語る飛田さん、楽しみです!
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