Christophe Claret Maestro 速報 (CARRÉ DES HORLOGERS)

 By : CC Fan
SIHHでは去年からメインの会場とは別に、CARRÉ DES HORLOGERS(カレ・ド・オロロジ:時計の広間)という小規模メゾンを集めた会場が作られています。
私は主にこちらの会場から独立系メゾンの情報をお伝えしたいと思います。

クリストフ・クラーレ(Christophe Claret)の新作、マエストロ(Maestro)について、Claret氏本人から説明を受けることができました。
今回はよりコストを抑え、より幅広い層に訴求できるような"Accessable"な作品を目指しつつも、"クラーレらしさ"はちゃんと出すということを目指しているようです。
"クラーレらしさ"というのはムーブメントメーカーとしての矜持で、メカ部分にもいろいろな興味深い新機軸(特許取得)を盛り込んでいますが、こちらについては別途詳細記事としてレポートいたしますので、まずは外見写真をどうぞ。

グレード5チタニウムバージョンから掲載いたします。



クラーレのシグネチャーともいえるオープン構造で直接ゼンマイの状態(=パワーリザーブ)を視認することができる香箱や、26度の内角を持ったステップ状のシャルル10世様式のブリッジを使い、ムーブメントの大部分を文字盤側に可視化するアップサイドダウンの構造です。



"ドーム"と評される盛り上がった風防はムーブメントの構造を横から眺めることを可能とします。
ベゼルレスにすることで、ムーブメントは大きいまま、ケースサイズを従来の45mmから42mmまで縮めています。
既存のケースではリング状のインデックスと針はほぼ同じ高さにありましたが、今回はかなり段差がついています。

5Nピンクゴールドバージョンもあります。



銀色と青色の対比だったチタニウムバージョンに対し、こちらは金色と赤色の対比です。
一見してわかるのはブリッジの色が違うことですが、それに加えネジの色や受け石の色もケース合うように変更するというのがクラーレのこだわりです。



バックルとストラップも新しいタイプに変更されました。
Dバックルが標準なのは変わりませんが、固定方法が専用のアタッチメント内蔵方式から通常のバネ棒方式へ、長さ調整がギロチンによる切断から穴による位置調整に変更されました。
今まではクラーレ社純正のベルトしか使えませんでしたが、今回はより一般的な構造で、社外ベルトも使えるかもしれません。



同様の意匠を持つマエストーゾ(MAESTOSO)と並べると、ベゼルの有無のせいか数字ほどの大きさの差は感じません。
ただ実際に腕に載せてみると、小さく感じます。



"Accessable"にするために大小さまざまな様々な点を変更はしたようですが、一目でクラーレとわかるような意匠やこだわりは変えずに作られた素晴らしい作品ではないでしょうか。

クラーレの本業たるムーブメントも拘って作られていますので、追って報告いたします。

関連 Web Site (メーカー・代理店)

CHRISTOPHE CLARET
http://www.christopheclaret.com/

Noble Styling Inc.
http://noblestyling.com/