カンタロスとの2年間

 By : CC Fan
カンタロス(Kantharos)のことをひたすら書いてきました。
まだまだ書き足りませんが、これで一区切りとする最後は2年間の使用感について書きたいと思います。

カンタロスの納品は2014年の文化の日、11月3日でした。
特に納品式を行うということもなく、ノーブルスタイリングさんにて粛々と受け取ったことを思い出します。
その時の様子は、a-lsさんに取り上げていただきました。
ベルトカットを時計師さんに行ってもらう予定でしたが、工房が平日しか開いていないため、一旦持ち帰って次の日に改めてカットを行いました。

納品に前後してノーブルスタイリングさんの計らいで用意された20周年記念冊子とクラーレロゴのカフスを受け取っています。


クリストフ・クラーレ20周年記念冊子

これは、工房の20周年記念(2009年)に記念ピースデュアル・トゥ(Dualtow)と一緒に発行された、マニュファクチュール20年の歴史とデュアル・トゥの解説の2冊がセットになった本です。
初めて参加させていただいたAy&Tyさんのパーティに持参していったりしました。
内容を紹介したいとは思うのですが、色々まずそうなことも書いてあるのでどうしようか思案中です。


クラーレロゴのカフスと新調したシャツ

さて、カンタロスの使い方については色々悩んだりもしましたが、結局のところ普段使いすることに落ち着きました。
これはチタンケースで貴金属感がないためRGのグランウールGMTよりも浮かない上にクラーレの知名度がないため誰も高級時計と気が付かないと言う事、そしてコンプリケーションにありがちな使用中に壊れるという現象をなるべく無償保証の最中に出しておきたいという理由によります。

厳密にはビジネスでもアウトな気がしますが、本業がそこまで気にする仕事ではないので状況に甘えることにしました。
バックグラウンドを知らず、時計本体だけ見ても"音が鳴るかわったクロノ"程度で、特に目をつけられることもなく過ごしております。

コンプリケーションも常用しており、ストライキング付きクロノグラフは仕事のメリハリをつけるために非常に役立ちます。
ボクシングベルをイメージしたという音はいかにも"開始!"といった感じで、"この仕事は○○分で終わらせるぞ!"というモチベーションを否応なしに高めてくれます。
モノプッシャークロノグラフにしては珍しく、12時間積算計まで備えているため、長時間にも対応可能です。
一点難点があるとすれば、所謂サイレント機能がないため本当に静寂な場所では使いにくいと言う事です。

コンプリケーションの宿命か、"里帰り"になったと言う事は書かなければならないと思います。
ただし、工房ダイレクトのために非常に対応が早く、代理店のノーブルスタイリングさんのフットワークの軽さもあり、スイス往復を含め、2か月以内で戻ってきたのは素晴らしいと思っています。
日本国内での作業はベルト交換・調整程度しかできず、基本的にスイスに送る必要があるのは確かに大変です。
しかし、安定した機械にはない"新しい機構の開発にテスターとして参加しているライブ感"を楽しむことにしています。

購入したときは浮足立ちましたが、しばらくすれば良くも悪くも日常となりました。
流石に大雨の日は時計をつけていかないという選択をしますが、それ以外の日は普通につけていきますし、前述のとおり仕事の最中にクロノグラフも使います。
壊れることを恐れて使わない方がもったいないですし、もし壊れたとしても工房への信頼感があり、安心して使えます。

恐れを知らず、海外出張に行けるようになったため、カンタロスを同行させています。
フランクフルト空港でバーゼル行きに乗り遅れ、空港で一夜を過ごしたのは初海外にしてはヘビーすぎる思い出です。


フランクフルト空港でバーゼル行き始発を待つ時に撮影

このまま、より日常になっていき、良きパートナーとして歩んでいけたらと思います。

関連 Web Site (メーカー・代理店)

CHRISTOPHE CLARET
http://www.christopheclaret.com/

Noble Styling Inc.
http://noblestyling.com/