Chopard Academyの補足とKantharosの謎解明

 By : CC Fan
Chopard Academyの投稿で"機構についてまだ不明"と書いたGMTとワールドタイムですが、ショパールへの確認、アンデルセンのものと基本システムは一緒っぽいと気が付いたことで機構を理解できました。

GMT OneのニュースTime Traveler Oneのニュースも合わせてご覧ください。


GMT One(左)とTime Traveler One(右)

まずGMT Oneの方ですが、メインの時分針とGMT針は常に同じ時刻を示しており、GMT針のみをずらす機能などはないそうです。
写真ではメインの時分針が4時10分、GMT針は16時相当を指しています。

GMT針に対し、4時位置のリュウズで最外周の24時間リングを動かし、時差分24時の位置をずらすことで、GMT針が指し示す数字が現地時間になるという仕組みのようです。

Time Traveler Oneも同様で、メインの時分針の時刻と24時間リングの12時位置の時刻は常に同じです。
写真ではメインの時分針は同じく4時10分、24時間リングの12時位置も4時を指しています。

こちらも4時位置のリュウズで最外周の都市名リングの12時を現在滞在している都市に合わせ、メインの時分針を現地時刻に合わせることでその他の地域の時刻もわかるようになります。
サマータイムの場合は全体がサマータイムになってしまいますが、対応可能です。

その他の違いとしては、GMT Oneはデイトが窓表示、Time Traveler Oneはポインターデイトです。
通常のポインターデイトはデイト針が長くて主張しすぎると感じてあまり好きではなかったのですが、Time Traveler Oneのものはワールドタイムの内側に入っているため短く、控えめで好ましいと感じました。

機能については難しく考えすぎていました。
ただ、GMTのムーブメント部品数が291で、ワールドタイムが262とワールドタイムの方が少ないのはよくわかりません。
"ムーブメント"に含む範囲が違うのか?と思いましたが、詳細は不明です。

www.chopard.jp


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ショパール ジャパン 株式会社

住所:〒104-0061 東京都中央区銀座2-4-14
設立:2006年12月22日
電話番号:03-5524-8975(代表)

ここから先、Chopardはほとんど関係ありません。

広田さんのプレゼンテーション中のクロノグラフムーブメントL.U.C 03.03-Lについての解説で"稼働するレバーに対してブリッジでガッチリ押さえて安定化している"という旨の説明がありました。
その瞬間にカンタロス(Kantharos)の構造で理解できず引っかかっていた謎の部分も同じ機能だと気が付きました。
以前のムーブメント紹介と同じ図版で説明いたします。


クラッチペンチの謎の部分(赤丸)

クラッチディスク直前の部分に謎の出っ張りがあり、この部分についてはプレスリリース中で特に説明がありません。


ガイド部品に噛み合った謎の部分

実機の写真を撮ろうとしましたが、私の腕では無理でしたのでプレスリリースから抜粋します。
自動巻きローター間際で分かり辛いですが、謎の部分に溝を切ったガイド部品が噛み合っているのが分かります。
これによりガタつかないようにしているのではないかと気が付きました。

ちなみに、逆サイドに伸びているアームのようなものはおそらく時間積算計のブレーキレバーです。

リセットハンマーもブリッジでガッチリ押さえる構造です。


リセットハンマーを押さえるブリッジ

また、リセットハンマーが摺動する部分にはルビーが埋め込んであります。

謎だった内容が分かってよかったです。