オメガ スピードマスター ウルトラマン 到着、そして2018年個人的トップ10。

 By : KIH

さて、みなさま、今年もお世話になりました。ようやく今年の時計ライフも無事に終わりそうです。来年早々、SIHHに出かけいろいろ取材して速報をお届けしたいと思いますので、チェックしてくださいね。

「無事に」と言いましたが、いろいろありましたね。そうそう、こちらのWMOはおかげさまでみんなで仲良く作っていて、少しずつ読者の方も増えているようで、この上ない幸せですが、10年前からやっていた英語ウェブサイトの方、PuristSProというか、ピューリストというか、某サイトの方は空中分解状態で、オーナー構成も変わってしまい(いえ、どこかのメディアに買われたということではありません)、今までのマネジメント、オーナー達が分裂してしまったんですね。

で、創業者を含む方がそちらを離れ、別のプラットフォームを立ち上げました。私は、創業者にスカウトされたのですし、残るオーナーや彼が独断で選んだ側近モデレーターたちが「いじめっ子」揃いで(なんで趣味の世界で、お金も絡んでいないのにケンカしたりいじめたりするんでしょう? 人種の問題とか、宗教問題とかによる差別とか、日本ではあまり起きないことが海外サイトではインターネットの世界でもよく起きるようです)、とても付き合ってられん、ということで創業者やほとんどのオリジナルオーナーたちと一緒に新たなプラットフォーム、Luxe178.comの方に移りました。まだ仮の宿のようなところですが、たまに英語の情報が読みたくなったら是非どうぞ。もちろんそちらも誰もお金をもらっていません。プロフィールも書き換えました。

という、別の世界での変化はありましたが、その他の部分では特に変化なく、例によって何本か時計を買い、その金策の為に何本か時計を売る、というサイクルでした。従来、何を買ったとか、売ったとか、ここでは具体的なことは書きませんが、今日は2018年の最後の納品となった、オメガ スピードマスター #speedytuesday ウルトラマンをご紹介しましょう!


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スピードマスター リミテッドエディション 42 MM “ウルトラマン”
(上記オメガの公式ページは、売り切れた後に公開されたのですが、全体像はよくわかると思います)



オリジナルが一番! と言う人が常にいますが、そういう考え方もごもっともです。入手するために払うお金も格段に違いますしね。しかし、私はそういう時計もありますが、復刻版には復刻版のいいところもあると思っています。すなわち、新しいメカが中に入っているし、特別な気遣いなしに日常使いできるし。オリジナル版が手に入らない人にとって朗報であることは間違いありません。オリジナルを持っていることは素晴らしいですが、過去数十年の間にその個体に何があったかわかりません。どこまでを「オリジナル」と呼ぶかですよね。ビンテージについての定義や考え方はいろいろあるでしょうし、私もそれぞれの方の価値観や、オリジナルを持つ気持ちや喜びを否定するものではありません。持つ喜び、満足感が一番なのです!


さて、最初からリストショットです。見た感じ、「普通」のスピードマスターとあまり変わりませんよね。そこがさりげなくできる点で私の評価は高いです。オレンジのアクセントが特別な感じがします。しかし、スピードマスターの基本は押さえてあって。これは実に素晴らしい! ストラップは、付属のものではなく、ビンテージタイプのバーガンディー色にしてみました。オメガのユニークなDバックルと一緒に使っています。

3時位置のクロノグラフ 分針が、3分のところまでオレンジ色になっていることにご注目! ウルトラマンは3分間しか戦うことができない、という「凝った」デザインなのです!








これは日本にいる方には逆にわからないかもしれませんが、スピードマスター好きの海外のファンの間では長いこと話題になっていたモデルの復刻なんです。こちらにも以前書かせていただきましたが(アフィリエイトの仕事などしていないので買われても私にお金は入ってこないのでご安心を)、長い間「偽物だ!」と言われていたのです。しかし、世界で一番オメガの歴史を知る人、今のオメガ博物館の館長さんが、日本に来た時にいろいろな衝撃的な話と共に、このモデルのオリジナル版を持ってきて、詳しく話してくれたのでした。

つまり、円谷氏がそもそもおそらく時計好きだったのだろう、ということ。そして彼は自分の時計をテレビで使った(1つしかないので、撮影時にはみんなで使いまわしていた?)のだろう、と。間違いなく、少量ですが日本とアメリカで売られた記録が残っているそうです。

しかし、モデル自体がウルトラマンという番組の為に作られたのではないとしても、それでも世界中で「スピードマスター ウルトラマン」として知られているモデルの復刻版、2012本のうち、たったの3本だか7本だか、いずれにしてもたった一ケタしか日本に入ってこなかったのはなぜ? これは、企画としては海外の#speedytuesdayという某英語ウェブサイトのコーナーに告知はあったそうで、それを見てその時間に申し込んだ人が買えた、ということのようで、日本のファンには大変運の悪いことに情報が行き届かなかった、ということなのでしょう。1時間半で2012本がすべて売り切れた、という驚きのものです。スイス主導で行われていたため、各ローカルマーケットのオメガ支社やブティックも全く知らなかったことでした。日本がちょっと無視されていて、なんとなく残念な気持ちです。英語では、愛称はSpeedy(スピーディー)と呼びます。日本では「スピマス」と呼ばれていますが。さらに、このモデルは、SpeedyTuesdayの第二弾、ということで、"ST2"とも呼ばれています。"ST1”は、こちらですね。去年あり、今年もあり、さて、来年はどうでしょうか。月着陸50周年ですもんね。みなさん日本の方々も是非注目してもっと日本に入ってくるようにがんばりましょう!


デフォルトでは、真ん中にオレンジの線が入った黒のNATOストラップです。このほか、黒のビンテージ風革ストラップもついてきます。





箱をあけたとたんにウルトラマン。初代ウルトラマンですね。



おお、なつかしい! ん? 帰ってきたウルトラマンか?









左に替えベルト、右にはウルトラマンの「ベータカプセル(Google しましょう!)」。しかし、実際にこのスピードマスターが使われていたのは、「帰ってきたウルトラマン」のはず。なぜ、「初代ウルトラマン」に出てきた「ベータカプセル」が入っているのか???? 「帰ってきたウルトラマン」は珍しく、「道具」なしで変身するのでした。ま、私はそこまで詳しくはないので、私の勘違いかもしれませんし、気にしないで行きましょう。どなたか詳しい方がいたら教えて下さい!




紫外線を含んだ光が出ます。



オレンジの秒針が特徴的ですね。



さきほどの紫外線を当てると、このウルトラマンが浮かび上がります。



普通の蛍光(ルミノバ)とは違うんですね。










スピードマスター全体についていえば、アポロXX号YY周年記念が増えてくるにつれ、スピードマスターの人気も上昇し、ビンテージの価格は数年前の3-4倍に跳ね上がったきりですね。そして、新たな復刻版も毎年のように出てきます。CK2998も新たなバージョンが今年出されました。2年前には青の「タキメーター」バージョン、そして今年は黒の「パルスメーター」バージョン。こちらの逆パンダも精悍な感じでいいですね。



さて、来年はアポロ11号月着陸の50周年です。どんな限定モデルが出てくるのでしょうか。筆者はそれがとても楽しみで、もし運が良ければそれも欲しいかな、と思います。



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さて、これらスピードマスター以外の今年心に残った作品たち - KIHの独断と偏見のトップ10(順不同) - を発表しましょう:


グランドセイコー、VFA再登場! でも、プラチナケースだけでちょっと手が出ない・・・。 日差2秒保証、とかあればまた意気込みも違うんですが・・・。しかし、VFAという言葉の復活はファンとしては喜ばしいことです。今後も出してほしいですね。


七宝エナメル プレサージュも秀逸。これでこのお値段は、スイスのブランドには無理ですね。がんばりました!



年差1秒のクォーツ時計 by シチズン。実機を見てみたいです!


ピアジェの厚さ2㎜のコンセプト時計

そしてリストショット。薄!



フェルディナンド ベルトゥー クロノメーター FB 1 チタンケース。ああ、お金があったなら・・・。ここまで、「手を抜かない、コストカットしない」根性とセンスは本当に素晴らしい。上場企業には無理でしょうね。



チャペック ケ デ ベルグ。38.5㎜バージョン、リコシェ ギョーシェの色とりどりのセット2本ペアもよかったですね。下には長さの違うストラップを収納するので、男女での兼用が可能。アイデア、デザイン、仕上げも秀逸。日本橋三越でいま飾ってあるそうですよ! 季節柄売れるかも!?


カール スッキー & ゾーネ ワルツ No.1. このデザイン、出来、中身でこの値段。まさに秀逸。


グルーベル フォルセイ のグランドソヌリ。GPHG受賞おめでとうございます。


貴重な生音。完璧主義な人たちが作るとこうなる、という見本です。


クレヨン、エヴリウェア Krayon Everywhere。こちらもGPHG受賞おめでとうございます。こちらもお値段さえ・・・。



アーミンシュトローム、ミラー ド フォース レゾナンス。対称形の美。機構も含め、ポイントかなり高いです。しかし、正直、43㎜超というサイズだけが惜しい。あと2㎜か3㎜小さくしてください!




番外編 - もちろん、エイプリルフール広告です。




みなさんの印象に残った時計とかぶりはあったでしょうか? あまりいわゆる「王道」のブランドはないのはなぜかって? いろんな雑誌で取り上げられているでしょうし、私は自分の観点で「いい時計」を基準に選んだつもりですので。他にもたくさんいい時計はありましたよ。10に絞るのはムズカシかったです。今年もいい時計に巡り合えました。来年はどんな時計に巡り合えるでしょうか。そしてどんな時計ファンの方たちとお知り合いになれるでしょうか。とても楽しみです。

今年も「昼間のお仕事」の関係で毎月のように海外に行きました。余裕がある時には行く場所それぞれで時計友達との交流を深め、また各地のブティック訪問などもご報告して参りました。イベントも時間の許す限り参加してレポートをさせていただきました。露出はやや少なめですが、貧乏暇なし、ご理解いただければと思います。来年も出張に絡めてまた積極的な活動をしていきたいと思います。

まずは、来年はSIHHからがんばります。今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。