2018年の振り返りと2019年に向けて

 By : CC Fan
2018年もあと2日、今年もいろいろありました。
ブロガーごとの記事一覧ページから数えると135本の記事を投稿したようです。
イベントに出展者として参加したことと、TVに出たのが印象に残ったトピックでしょうか。
WMOに参加することで、普通に時計趣味をやっていたら、まず体験できないだろうということができたという意味で、実に楽しい一年でした。
トップ画像と一覧画像は印象的なタイムピースとイベントです。

様々な時計・イベントを拝見しましたが、個人的なベストXとして、数は決めずに行き当たりで時系列順に過去記事から写真を取り出し、追っていこうと思います。



SIHHで発表されたアーミン・シュトローム ピュアレゾナンス。
前作のミラードフォースレゾナンスから技術デモの要素が強かった秒針リセット機構を外すことでより高精度にフォーカスし、同時に小型化も実現。
機構的に強く惹かれましたが、この時点で年末に愉快なことになるとは思いもよらず…



新作展示会に行ってアンティークを買ってくる
というオチだったデテント天文台クロノメーター(仮)、これは時計師の関口氏によるオーバーホール前の様子です。
これも巡り巡って年末に…



グルーベル・フォルセイのディファレンシャル イクアリティー。

非トゥールビヨンの傾斜テンプ、コンスタントフォース、ステップセコンドと機構はドストライク。
機構を見せる部分と見せない部分のバランス感も素晴らしい。
文句のつけようはなく、問題なのは値段だけなのが悩ましい。



上記ピースの研究用プラットフォームEWT、むしろこの状態で売ってほしいぐらい…
製品版は1秒乗るモントワールなのに対し、こちらは5秒。



久々に"お金がなくても欲しい"と思えたトゥールビヨン 24セカンド コンテンポランのフルチタンケースバージョンですが、モノには限度というものがあるわけで…
写真からは伝わりませんが、極めて軽く約70g、樹脂素材ではなく金属素材でここまで軽いのはすごいと思います。
ムーブメント自体もチタン合金製、軽さに貢献しています。




バーゼルからはラング&ハイネの角型ピース2種類、アントンとゲオルグ
伝統的なジャーマンウォッチとはまた違うユニークなデザインの角型ピース。




チャペック ケ・デ・ベルグのスペシャルピース、XO スチールケースにエナメル文字盤、12時が赤いスペシャルインデックス、そしてCOSC認証を取得したムーブメント!


実機掲載がNGだったので論文のCAD図を載せたナノ フドロワイヤント デモンストレータ2、バーゼルでグルーベル フォルセイがイベントを行っていたホテルまで行った日本のメディアはあまりいなかった模様。
バランシエベースの試作機然とした装飾レスのムーブメントがかえってきれいに見えました。



ご存知、クレヨン エブリウェア。
間違いなく今年一番推したタイムピースでしょう。
これのためにバーゼルレポートが盛大に横道に逸れました。



アンドレアス・ストレーラ"先生"初のトゥールビヨン トランスアクシャル トゥールビヨン



バーゼルでノーブルスタイリング葛西氏からおススメされ、その時はピンとこなかったものの、ファーストデリバリーをレポート、気が付いたら自分も買っていたカール・スッキー&ゾーネのワルツNo.1。
ウィーンテイストのスイスメイドウォッチという珍しい組み合わせで、建築家アドルフ・ルースのテイストを取り入れた左右非対称の文字盤とワルツィングディスクというディスクによるスモールセコンドが特徴。
オーストリア大使館商務部 商務参事官邸似てイベントも行われました。
普通の良い時計だけどディティールは徹底的にこだわっている印象です。



意外性No.1だったル・ローヌ
特にこの大型ムーンフェイズは素晴らしい。
日本でも展開がスタート、いくつかのモデルが案内されています。
来年は月に関するとあるメモリアルイヤー、SIHHでも色々な動きがあるようです。




エナメルと全面ブラックポリッシュという工芸ダイヤルの極致
地味な点ですが押しの強いデザインだったロゴやレターが洗練され、控えめになっています。
特に、全面ブラックポリッシュは鏡というわけではなく、光を反射するようでしない、吸い込まれるような光はとても写真に写しこめません。



グルーベルフォルセイが誇る、"発明"を堪能するためのインベンションピース
時分表示をリング状のミニマルな表示とし、ダブルトゥールビヨン30°をメインに据えています。
これ一本だけでも相当貴重ですが、更にうれしいことがありました。



モリッツ・グロスマン アトゥム・エナメル ジャパンリミテッド 納品式のレポート。
日本のセンスが光るアレンジが加えられた素晴らしいエナメルダイヤルのピース。
ドイツ時計党のオーナー氏はランゲ・ラング・グロスマンを制覇!




スイス取材紀行より、ラウル・パジェス氏の亀のオートマタ。
エナメル仕上げの甲羅、彫金が施された手足と頭と芸術品と呼ぶのがふさわしい出来。
氏曰く、"腕時計は小さすぎ、クロックは大きすぎる、懐中時計のサイズが一番見ごたえがある"という話は頷くものがあります。



インベンションピースが3種類揃うという夢のような状態
トゥールビヨン24セコンドのものが24時間表示というのはやはりひっかけているんだろうか…



幻の初代ダブルテンプ。
6本のみ作られていて、知った時には完売。
これはプロトタイプ。



記事を集中掲載、プレゼンテーション、イベント出展側としてアワーグラス銀座さんの店頭に3日間立つという貴重な体験をさせていただいたアーミンシュトロームのレゾナンス・イン・ギンザイベント。
ユニークピースは同社代表の桃井氏のセンスが光るエナメル・ブレゲ針・ロゴを最小化したバージョン。

この時にインタビューを受けた結果、TVに出ることになりました。



大きすぎる感はあるものの、レゾナンスを活かしていると感じたデュアル・タイム・レゾナンス。



素敵なカップルにケ・デ・ベルクのペアウォッチが納品!
このレポートでは2本セット用ですが、大みそかまでフルセットとなる4本セットボックスが銀座三越で展示中です。
土曜日に行けなかったので、本日日曜日に行こうと思います…



時計好き3人が集まって作ったというシンパシーを感じるバックグラウンドをもつ、パリス ダコスタ ハヤシマ コンペキ
カール・スッキー&ゾーネと同じムーブだから…と言いつつも気になる存在。

いかがでしょうか?

今年、間違いなく時間を一番費やしたのはクレヨン(Krayon)でしょう。
慣習的に記事の冒頭に着けていたリストをみてみましょう。
なんと12個、おおよそ1割がクレヨンです。
創業者でエンジニアのレミが日本に来たこと、いろいろあってヌーシャテルでの再会を約束し、それとクロノメーター(とカンタロスの修理引き取り)がモチベーションとなってスイス取材紀行が実現したこと、そしてGPHGでイノベーションプライズを受賞したこと、どれも非常に素晴らしいです。

総評として、悪いことがないわけではないですが、非常に面白い1年となったと思います。
これからも、驕ることなく、できることを地道にやっていく所存ですので、よろしくお願いいたします。

来年はSIHHからスタート、本会場のほかジュネーブ周辺(もちろんクレヨンも)や高振動クロノメーターつながりでヌーシャテル・ラショードフォンから速報をお伝えできるかと思います。

良い年末をお過ごしください。

CC Fan